あなたはこうやってラーメン店に失敗する(2)の3

一般的には、今回の二つのケース「営業時間を早める」ケースと「飲みに出かける」ケースは複合して起こることが多いものです。


この話には続きもあります。

支払うべきお金が足りないことを苦慮しているある朝、あなたは店のポストに入っていたチラシに目が止まります。

「自営業者に朗報! 三百万円まで即ご融資」

あなたは「少しくらい借りても毎日の売上げで少しずつ返していけば問題ないだろう」と考えます。

チラシに書いてある電話番号に電話をすると、対応に出た若い女性は優しい声で受け答えをします。お金はすぐに振り込まれました。あなたが考えていた以上に簡単にお金を借りることができたのです。

お金は振り込まれましたが、もらったものではありません。当然、返済しなければなりません。借りた当初はきちんと返済していました。しかし、元々お金が足りなかったのですから単純に考えて返済が滞るのは当然です。

返済を二ヶ月滞納したある日、仕込みをしているあなたをキリッとスーツを着こなした三十代の男性が訪問します。男性が名刺を差し出すとあなたはすぐに謝ります。名刺にはあなたが借り入れを申し込んだ会社名が書かれていました。

男性は夕方に再度訪れます。あなたはレジから返済金を支払います。それからは毎月男性が直接受け取りに来るようになりました。しかしそれもすぐに限界がきます。収入が増えたわけではないからです。

あなたは返済金を取りにきた男性に言います。

「すみません。返すお金がないんです」

「じゃぁ、ほかに貸してくれるところを紹介しますよ」

甘い言葉に誘われあなたは闇金融への道へ歩み始めます。そしていつしか雪だるま式に膨れ上がった借金に身動きがとれなくなります。

あなたはこうやって最も悲惨な形でラーメン店に失敗します。

*区切り方を間違えてしまい、今回の分が短すぎましたので後ほど(3)の1もアップいたします。申し訳ありません。

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