折り紙の中に面積1/2の正方形を作ろう(解説)

問題はこちら:

答え:解説の手順で折る

 一辺が1の正方形の中に面積1/2の正方形を折り目で作る事はできます。おそらく複数の解答があると思いますが、ここでは僕が思い付いた方法を解説します。

解説1:一辺が√2/2の正方形を目指す

 面積が1/2の正方形という事は、一辺の長さLは、

です。この長さを見つければ答えにぐっと近付きます。幾何学で√2は割と簡単に作れます。そう、直角二等辺三角形の辺の比が1:1:√2でしたよね。これがポイントになりそうです。

解説2:十字に追って斜めに折る

 色々試すうちに思い付く一つの答えは上のパターンかなと思います。折り紙を十字にまず折り、次に各辺と折り目の印を結ぶように斜めに折ります。すると上図の赤い範囲が丁度面積1/2の正方形になります。これが面積半分であるのは殆ど自明ですよね。合同な直角三角形が8つあって、その内4つが赤い枠内に入っているので面積は半分です。

 もう少し別の所に正方形を作れないか試行錯誤して見つけたのが次の別解です。

解説3:折り紙と平行な辺を持つ正方形を作ってみる

 折り紙を斜めに折って直角二等辺三角形を作ります:

この対角線の折り目は√2です。これをさらに半分に折れば√2/2が出てきますね:

 この長さで正方形を作れば、面積は1/2になります。ただ上図の折り目を辺にすると折り紙の中に納まらないので、この長さを折り紙の辺に転写する事を考えます。そこで下図のように折り紙の辺を対角線に重ねるように折ります:

そして、右上と左下の対角線の角同士を合わせるように折ります :

これで折り紙を開くと、折り紙の辺に√2/2の長さが取れています!

折り目がもう付いているのでそれに沿って再度折れば、

図の赤線で囲まれたのが面積1/2の正方形になります!

 上の手順は僕が見つけたもので、他にも手順や正方形を作る場所は色々あると思います。もし面白い位置に正方形を作る事ができましたらコメントなどで是非教えて下さい(^-^)

深掘:1辺を3等分する

 折り紙は辺や角度を2等分したり4等分したりと2の倍数分に折るのはたやすいのですが、これが3等分となるとかなり難しくなります。折り紙の1辺を3等分する方法が知られていますのでご紹介します。ただし手順内に1か所マークを付ける所があるため、今回のルールからはちょっと外れてしまいます。でもこれを見つけた方は素晴らしいですね。

 まず折り紙を半分に折って辺に1/2の跡を付けます:

次に右下の角を上辺の跡に合わせるように折り、左辺との交点に印を付けます:

折りを戻し、印をつけた所で折ります。また上辺を印の所に合わせて折ると、その折り目が丁度1/3になります:

なぜ1/3?

上の印をつけた所がなぜ1/3になるのか証明してみましょう:

この手順で右上直角三角形の縦辺をx、斜辺をyとします。上辺は1/2です。x+y=1から、

です。ここから三平方の定理より、

xの長さが具体的に分かります。

 次に左上直角三角形に注目すると、これは右上直角三角形と相似なので、縦辺の長さをtとすると相似比より、

先のxを代入すると、

tが2/3である事がわかりました。ここから青印を付けた所が1/3である事もわかりました。

 ちなみに、左右の直角三角形の辺の比は3:4:5です。お馴染みの直角三角形がこんな所に出て来るんですね。

 今回のルールの下で折り紙を折って出来る折れ線で他にどんな図形ができるか調べてみるのも面白いかもしれませんね。またそこにどんな数学(幾何学)が潜んでいるか研究してみるのも楽しいと思います。実際折り紙は数学の研究対象にもなっている奥深い物です。たかが折り紙、されど折り紙です。

ではまた(^-^)/

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