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霊能者が語る 妻とのあの世日記 第160回 「この世のニュースに興味はあるのか?」

「羽生くん離婚したよ」
「え、離婚したの?」
「生前は写真集にDVDも買うくらいファンだったのに死んだらそういうこと気にならんの?」
「死んだ人間が「生前ファンでした!」って枕元とか薄暗がりに出てきたら怖いでしょ」
「どうなんかね、嬉しいと思う人もいるんじゃないの?」
「あなたの前に、夜中いきなりそういう人出てきたらどう思う?」
「めちゃくちゃビビる」
「いきなりだとそんなものでしょう」
「まぁ夜道でいきなり声かけられると生きてる人間の方が怖いけどね」
「それより、相手はどんな人?」
「そういう情報は、あの世で得られるのでは?」
「あなたが教えてくれるか、知り合いが私を思って意図してくれると伝わるけど。一般女性としかわからないし」
「僕も興味ないからね、幸せに一般の方と結婚されたならええやん、くらいにしか思ってないし。
あの世の人は全てを知ることが可能、とかではないの?」
「ご縁がないもの」
「ご縁が繋がってると全能感あるけど繋がってないと無能ってことか」
「無能じゃないわ。そんな好奇心で人のプライベート覗こうとかそんな気持ちがないだけよ」
「死後はプライベートないやん」
「死んだ人が生きてる人を覗くのはプライベート違反でしょ」
「それできるん?今までの情報ではこちらからアクセスしないと無理って言ってたじゃん」
「だから、こっちからなんかして無理やり覗くのはいかんってこと」
「そもそも、有名人の趨勢とか死後に興味あるん?」
「肉体があるから何かに惹かれるというのがあると思うのよ。だから肉体がなくなると別に、って感じね」
「じゃあ、すでにファンではないと?」
「いいや、羽生くんが死んだら会えるとか思うと今の状況とか知らなくてもいいじゃない。死んだ後に全部わかるんだし」
「ああそういう視点か。あの世ではこっちの10年20年は何もないのと同じだよね。今やってるアニメの葬送のフリーレンに出てくるエルフ的な認識になるわけか」
「だから、思い切り楽しく生きてもらって。その話を死後は聞かされたいわね。聞いてて辛い話を死後に聞かされるのは嫌だわ」
「ということは、残された人間が悲嘆に打ちひしがれて、その中で亡くなって「やっとあの世にいる身内に会える」と思ったら、あの世で身内にダメ出しされるわけかいな」
「ダメ出しはしないと思うけど、冷たい対応になるかもね」
「僕がこの後悲嘆に暮れてやけ酒に走って肝臓壊して早々に死んだ場合とかは、どういう感じで死後会ってくれるんかね?」
「猫の世話もせず酒浸りとかしてたら、あなたが死ぬ前にこっちから生活指導するわよ」
「それはできるん?」
「やけ酒は私のこと思い出しながらするもんでしょ」
「まぁ、生前の思い出を思い出しながら今後に悲嘆する感じかね?」
「そうなると、私と繋がるからこっちから繋がれると、小言が言えると」
「じゃあ妻のことじゃなくて経済的に困窮してヤケに走ったら?」
「私は何にもしないわね」
「それで猫もみんな路頭に迷って悲嘆のまま僕がやけ酒で猫の世話もせず先に死んだ場合は、妻の介入なしで死後にめっちり搾られるってわけかいな」
「逆さ吊りで水責めと火攻めの刑ね」
「地獄やん」
「だから、生きてる人はできるだけ楽しんで、死後に色々話をして欲しいのよ」
「じゃあ今僕が大型バイク乗ってんのも問題なしか」
「その分いい思い出作りをして欲しいものね」
「猫がいると外出できんがな」
「猫の世話ができる範囲でね」

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