『マルクス解体』メモ7

今日は第一部第一章の第三節「物質代謝の亀裂の3つの次元」。
これまでのところのなかで一番わかりやすかった。「亀裂」は、そのサイクルがうまくまわらなくなる、ぐらいの意味なのかな。
繰り返し言葉が出てくれば、なんとなくその言葉の意味がわかってくる気がしてきた。

メモ7(p.40~p.50)

  • メサーロシュ、フォスター、バーケットらによる「物質代謝の亀裂」論。

  • 物質代謝の亀裂・・・資本主義が人間と生態系の相互作用に亀裂をつくり、人間とそれ以外の生物の双方を脅かす。

  • マルクスが「修復不可能な亀裂」について触れたのは一節のみ。

  • 「言い換えれば・・・」がわかりやすい。資本は、労働力を搾取し、自然を切り出し、破壊する。

  • 「物質代謝の亀裂」は、①自然の物質代謝における循環的過程の攪乱、②空間、③時間、の3つの次元で起こる。

    • ①・・・例えば、リービッヒの議論を参照した土壌疲弊。植物を採る速度と、再生する速度の違い? 資本主義的経営は、土壌が回復する前に植物を採っていき、土地が瘦せていく。

    • ②・・・農村と都市の敵対的関係性。排泄物を土地に還元することで代謝していたものが、農作物が都市で消費されることで排泄物が浪費される。資本主義により、人が都市に集まり、農業生産が大規模化、工業化、長距離輸送などの変化が起こるなど、農村が困窮する。都市部でも悪臭や疫病が流行する。一国にとどまらず地球規模。化石燃料は、周縁部の危険な労働と都市の環境汚染に繋がってる例。

    • ③・・・資本の循環速度が、自然の形成速度を上回る。資本の加速が自然を食いつぶす(①との違いは?)。ピークオイルの問題。

  • 社会的物質代謝と自然的物質代謝の間の亀裂・・・社会構造的な循環と自然科学の循環のバランスが崩れる、ということか。

  • マルクスはこれらを指摘するのみならず、どう具体化し、どう分配?されるかも分析していた。

今日のまとめ

資本主義が自然科学的な循環のバランスも崩すし、社会構造的な循環のバランスも崩す、ということを説明してる、という理解。

考えてみたら、小説ではなくて論文だから、一つの結論を証明・補強していく作業なのか。つまり、この本は「マルクスは環境問題も考えてた」ていうことについて、「ほらここにも、ほらあそこにも」ていう論証を挙げているのかな。

これまでよりはまだ読めた気がするな。気がするだけかな。
次は「転嫁」・・・わかるかな。

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