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役者としての2018年

早かったです2018年。疾風怒濤。シュトゥルム・ウント・ドラングってやつですね。意味はあっているのか。
早すぎて、これを書いている今はもう2019年になってしまいました。あけましておめでとうございます。

まぁ備忘録的なことですので、いいんです。

2018年は「色々あった」としか表現出来ないのではないかと思うほどに、てんやわんな(自分、世間含め)な一年でございました。
え?それ本気ですか?な事件だとか、あー、そんな事あったわ、なゴシップなんかには今は触れず、つとめて極私的、しかも出演した舞台のみを振り返るという、極々私的な感じで書こうと思います。

余談ですが、一年の計は元旦にあり、って諺、あれなんなんですかね。元日にわかるわけないよそんなこと。

余談でした。では振り返ってまいります。

1月 美貴ヲの劇「アベサダ:リローデッド」

以前より知り合いだった美貴ヲさん主宰の、美貴ヲの劇に初出演。妻が居ながら定と浮気をする石田吉蔵を演じました。
史実と同じく、劇中でアベサダ(演・あべあゆみさん)に絞殺の後、局部を切り取られる役でした。
思えば舞台で演じる中で、初めてちゃんと殺される役だったのではないでしょうか。(雑に死ぬやつは多数)
ラブシーンもゴリゴリやりましたし、眼鏡も4つ使いました。
しかしまぁ、ミザンス(舞台中、ここでこんな風に動くと決められた動き)と台詞が有る中でのラブシーンで、人はかくも冷静になるものなのだなと思いましたね、その面持ちは、まるで必殺仕事人のようだったはずです。
全公演中何度か"緊縛回"という、緊縛師の有末先生を招いてシーン中で緊縛を行うという回もあったのですが、吉蔵を殺した直後の定を緊縛するというシーンもございまして。その際に死体(もちろん動けない死んでるから)のままで姿勢をキープしなくちゃいけなかったのが、めちゃめちゃしんどかったです。我が尾てい骨よくぞ耐えた。
アフターイベントのサザエさんが印象深く残るほど楽しかったです。しょうもなくて(誉めてます)良かった。

2月 Ammo「ノスタルギア」

3回目のAmmo、あかりちゃん、津田くん、浅倉さん、宍戸さん、坂井さん、加順さん、実優ちゃん、海田くん等、また共演したいと思っていたメンバーとも一緒で、感慨深い公演となりました。
崩壊していくユーゴスラビアを背景にしており、私が演じたアランはクロアチア人の過激な民族主義者。ちょっと近寄り難い奴です。では風貌をどんな風にするか?と悩んだわけですが、一応自分なりの答えを見つけ出しまして、美容室で「すみません、鳥肌実みたいにしてください」とオーダーしたのは良い思い出です。
美容師さんは「誰ですか?」と仰ってました。グーグル検索を頼りに鳥肌実ヘアに辿り着いた、そんな冬のある日の出来事でした。
あと!今年のワールドカップでクロアチアが準優勝しましたけど、勝ち進むクロアチアを無意識に推している自分がいたのも、この作品のおかげですね。

5月 山口ちはるプロデュース「健康への第一歩」

はじめて携わることになった山口ちはるプロデュース、演出は東京ジャンクZの畑田くん。彼の演出はこれで三度目。
近未来、あらゆる分野で人の生活に深く介入しているインフラ企業、未曾有の感染症パンデミック、理由を知らされず集められた社員、等、SF色の濃い舞台でした。
会話劇、あくまでも会話劇だった、はずだったんですけども、稽古も終盤に差し掛かった辺りで、物語の最後に「その場で全力疾走する」という演出が加わりまして、それはそれは体力を要するお芝居となったのでした。
そこで私は学びました。『一番嬉しい差し入れは、プロテインとアミノバイタル』
男性バージョン女性バージョン、同じ台本でもこんなに違うか~というのも面白かったです。

7月 ベホザキさんの大久保遊戯だよ!

高橋ベホイミヒロキンスキー(凄い字面ですよね)と池崎浩士と私、山崎丸光が趣味色濃くやっておりますネットラジオ「ベホザキさんの車内放談だよ!」がネットを飛び出して実際にイベントをやりました。
ゲストとしてコントを披露して下さった桃と忍者、ベホイミの歌、池崎くんの立体映画館、私の一人芝居、三人合同で上演した準ドキュメンタリー芝居「池崎浩士物語」の5本、お客様のあたたかい眼差しと、素敵なアクシデントの元、楽しい楽しい時間となりました。この場を借りて御礼申し上げます。半年経っても感謝しておりますよ!
個人的な感想。桃と忍者のコントの切れ味は凄まじかった。桃と忍者の桃ことクレイジーコント女優・畔上千春さんは、年々ジャンクナイフの度を増している気がする。なんて面白い人なんだ。最近は浪曲に注力しているらしい。孤高だ。
ベホザキの三人で繰り広げた「池崎浩士物語」は池崎くんの高校~21歳くらいの話を私が聞いて書き起こしたので、私は準ドキュメンタリーを標榜しているのですが、それはそれは壮絶な人生を歩んでいましたよ池崎くんは。仕事を3つ掛け持って、平均睡眠時間は3時間だったとか、親にそのお金を毎月巻き上げられてただとか、滋賀から自転車で上京しただとか、情報の質と量がエグかった。
いつかちゃんと戯曲化したい。


11月 Ammo試演会「彼のカルト・燈」「私のイスラム・兄は原理主義者になった」
4回目のAmmo。2作×2作の4作品の中の「燈」に出演。坂井さん演じる囚人番号13シエト・ツォンと共に、クメール・ルージュ政権下のカンボジアを駆け抜けました。津田くん演じる刑務官(と彼が投げ掛ける問い)から逃げるために。
ざっくり言えば"思想問答を繰り広げつつ弱虫ペダルやる"ってな感じでした。
抑圧と恐怖から逃げに逃げた末に捕まってしまった際の、劇中最後に放った長台詞、気持ち良かったなぁ。「気持ち良くやってたね!」って言われちゃいそうだけど、それでもあれは気持ち良かったなぁ、ガナるから身体は苦しいんですけども。
舞台の背景となった1975年のカンボジア。この頃国家により100万単位の国民が(結果的にも含めて)殺されました。僅か44年前のアジアでです。この20年後にはWindowsが発売してるって考えると、手の届かない絵空での出来事じゃないんですよね。本当に。知る事とはかくも大切だ。

他の三作も観客として観られて大変面白かったです。中でも「兄は原理主義者になった」は2年前の初演で"兄"たるジェームス・ダートを演じていたので感慨は一際深かったしですし、今回ジェームスを演じた北区 ACT STAGEの伊澤玲さんと、ジェームスを演じる時の「コイツ(ジェームス)面倒な野郎だねぇ....」を共有できたのが嬉しかった....。面倒な男なんだよジェームスは....憎みきれないですけどもね。
とても良い座組でした。なんて....良い..役者!!..と思える役者に囲まれていました。

以上5本に出演した2018年でした。

共演者の皆様、スタッフの皆様、演出家の皆様、劇場関係者の皆様

そして何より観に来て下さったお客様の皆様。本当にお世話になりました。心のより御礼申し上げます。

そして長々と書いたこれを最後まで読んで下さった読者の方にも感謝を!

2019年、今年もマイペース且つジリジリとやっていこうと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。

今年の最初は江古田のガールズ!「遺作」!!
1月の9日~13日です!
めっちゃ来て下さい。良いですよ。世の「劇団員」に見てほしい気持ちです。
ご予約はコチラからも
http://ticket.corich.jp/apply/95771/016/
お待ちしております。

江古田のガールズ

「遺作」

あらすじ
劇団の作家が、台本が書けずに行方不明。
さあ、残された人々はどうする?
本番まで、あと1週間。

脚本そして演出
山崎洋平

出演
熊野利哉
カトウクリス
小川千尋
織田圭祐
山田瑞紀
<以上、江古田のガールズ>

真心
塚原直彦 <劇団モンキーチョップ>
まちだまちこ
大西一希 <劇するふわふわ中毒>
斉藤結女 <(株)オフィスマイティー>
鈴木真之介 <PAPALUWA/さいたまネクスト・シアター>
髙橋初香
鐵祐貴 <東京ジャンクZ>
山崎丸光


会場
下北沢「劇」小劇場
小田急線・井の頭線「下北沢駅」から徒歩5分
東京都世田谷区北沢2-6-6
TEL:03-3466-0020

日程
2019年1月9日(水)→ 1月13日(日)

1月 9日(水)       19:00
1月10日(木) 14:00/19:00
1月11日(金)      19:00
1月12日(土) 14:00/19:00
1月13日(日) 13:00/17:00

受付時間は、開演時間の45分前からで御座います。
開場時間は、開演時間の30分前からで御座います。

入場料金
●前売:¥3,500 ●前売天井桟敷(2階席):¥2,500

●当日:¥3,800 ●当日天井桟敷(2階席):¥2,800

チケットご予約はコチラから!

http://ticket.corich.jp/apply/95771/016/

※開演時間の5分前になりますと、チケットのご予約をキャンセルとさせていただく場合が御座います。予め、ご了承下さい。

スタッフ

脚本そして演出:山崎洋平
振付:椎田香王子
演出補:熊野利哉 演出助手:鈴木美波(PAPALUWA)
照明:Nope 音響:橘かおり 舞台監督:織田圭祐
宣伝美術:山崎洋平 宣伝写真:大石隼土 制作:中宮智彩

協力
大沢事務所 (株)オフィスマイティー 劇するふわふわ中毒 劇団モンキーチョップ さいたまネクスト・シアター スターダス・21 東京ジャンクZ PAPALUWA

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