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とんかつ屋さんにいた洞察力が鋭い店員さん

先日、外出する用事があり、久々に外でランチを食べることにした。

外出先の近くにデパートがあったので、そこのレストラン街のどこかにしようと思った。何となくとんかつが食べたい気分で、探してみるとちょうどとんかつ屋さんがあった。

おそらくチェーン店と思われるその店に入ると、店員さんが愛想よく席に通してくれて、温かいお茶が入った湯呑を置いてくれた。

日替わり定食がヒレカツ、メンチカツ、野菜のフライだったのでそれにした。そこまで混んでもいなかったので、すぐにお膳が運ばれてきた。

ソースをかけようとテーブルを見ると柄杓(ひしゃく)ですくってかけるタイプだった。柄杓を手にしてとんかつにかけようとした所、少し手元がくるい、近くに置いていた湯呑にソースがかかってしまった。

すぐに紙ナキプンで拭こうとしたが、間に合わず、飲み口から滴り落ちたソースはお茶と融合をはたした。

自分のミスとは言え、店員さんに一言謝ってお茶を変えてもらえばいい事案ではある。しかし、筆者は言いたいことを言えない方だった。反町隆史がポイズンで憂いた前から言いたいことを言えない、こんな世の中でなくても。

喉の渇きを我慢すればいい、と思うも束の間、とんかつにつけすぎたカラシに思いは打ち砕かれることになった。

隠し味だと思えばいい、と光の速さで状況をポジティブに捉え直し、お茶を飲んだ。無理があった。

ソースの味は隠れていなかった。頭隠さず尻隠さず、全てが明るみに出ていた。

そんな時、先ほど席に案内してくれた店員さんがやってきて

「よろしければお茶を変えましょうか?」

と言われた。確かに筆者の湯呑みにはソースが滴っていた。しかし、そんな状況を普通想像できるだろうか。

柄杓のソースを誤って湯呑に入れてしまい、それを続行可と判断する客がいることなど。洞察力が鋭すぎる。

と書いてて気づいたのですが、単にお茶が減ってないかを気にしてたんだと思います。

何はともあれ、こうして筆者のお茶は無事新しいものに取り替えられることになり、平穏な昼食を取り戻しました。

普段行く地域ではなかったが、またとんかつを食べに行こうと思えるそんな素敵な店員さんがいるお店でした。(トップ画のとんかつは別の店です。)

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