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子どもという荒くれ者のいる公園


ブランコの前方と後方にそれぞれが立ち、誰も座っていない硬い板部分を手で押し出し、迎え入れた方がまた押し返す。
交互に揺らし合う遊び。

一目で怪我が連想される光景。

いつかどちらかの頭に当たってしまうであろうことを予期できない、子どもたちの未発達な頭脳。


案の定、予想していた通りのことが起こる。

一人はおでこを激しく痛めて大泣きしているし、一人はぶつけた気まずさとプライドで空元気に走り回っている。
カオスとはこのことだ。


傍らに立つお母さんたちの「謝ろうね」の言葉と、素直になれない少年たちの、未熟さにじむもじもじとした焦ったい態度。


君たちはお母さん方の心拍数を数えたことはあるかい。

ある訳がないが、他所者の立場からでも感じた、

「自身の子どもが怪我をする怖さに、他人を傷つけるかもしれないという怖さ」

を日常的に見せつけられる親の心情を子どもたちに伝えたくなった。


ひとつの生物を、
世間一般で言うところの正解のない、普遍的な道理・倫理性を持った人間として育ててあげていく母親や父親の器量の大きさは計り知れない。


わたしに覚悟できるのは来世だろうか…。




そんな思いを巡らせている傍らで、

先ほどの事件をすべて記憶から取り払ったかのように、
少年たちは今度は滑り台のてっぺんに備え付けられた鉄格子の外側を渡る危険行為を侵しはじめている。

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