学校でできる子どもの心のケア、大切なのは大人の連係と守られた静かな空間
学校はにぎやかで活気があります。
子どもたちのかわいい声を聞くと、ほっとしてにこやかになります。
教室や運動場や図書室で子どもたちは元気な姿をみせてくれます。
いいないいな!子どもは元気いっぱいでいいな、と思ってしまいます。
でも・・元気そうに見えても心が疲れていたり、教室へ向かう足取りが重そうだったり、お腹が痛くなったりする子も一定数いるのです。
今回は、勉強や行動や家庭のこと等で元気のない子の話です。
静かに心落ち着ける場所
ぶっちゃけた話、学校には静かに心を落ち着ける場所がありません。
教室は友達がいっぱいです。廊下も友達が行き交って賑やかです。
運動場も賑やかです。
図書室はどうでしょう。授業中、だれもいなければ静かですが、休み時間はたくさんの人が利用しています。
どこもかしこも子どもがいっぱいです。
空いている教室なら静かですが、安全上、一人では入れません。
相談室もありますが、使用するには先生の許可がいります。
学校は、安全の面から子ども1人を教室に残しておくことはできないので、少し休憩したい子は保健室や職員室で過ごすことがあります。
スクールカウンセラーが常駐できるようになった今の学校はどうですか?
心を静かに休めたい子どもたちの過ごす場所は増えたのでしょうか。
相談できる時間と場所
「困ったことがあったらいつでも先生に言いましょう」
と、言われているけれど
誰もいないところで、そっと相談するチャンスはなかなか見つかりません。
さらっと「先生、あのね」と切り出せる子はいいのですが、なかなか・・・
だから
家に帰ってから「今日ね・・・・」とお母さんに話すのです。
お母さんは心配して「実は・・」と、学校の先生に相談します。
先生は「わかりました。〇〇さんにお話をよく聞いて、ご連絡をさしあげます」と、お母さんに伝えます。
子どもの話を聞いた後
「それぐらいのことなら、学校で直接言ってくれたらすぐ解決できたのに・・」と、先生や親は思います。
そうなんです! そう思われるお気持ちわかります。
でもね、
傍に友達がいる中で相談するのは、勇気がいるのですよ。
家に帰って相談できたなら拍手です!
先生に相談しようと思ったのに「どうしよう、どうしよう」と思っているうちに帰る時間になってしまったなんてこともありますよ。
先生も全体の様子や目立つところは見えるけど、40人全員ひとり一人の細かい所は見るのは至難のわざです。私も家庭からのご連絡で解決したことが何度もありました。子どもの心に寄り添うためには、学校と家庭の協力は必須です。
相談は、学校でも家でもどこでしてもいいのです。
子どもたちは、何度も何度も話を聴いてもらえる体験をしながら場に応じた解決の糸口を少しずつ少しずつ掴んでいくのです。そこに、大人との信頼関係が生まれてきたら・・言うことなしですよね。
相談できる時間と場所を限定をせずに子どもたちの心をに受け止めていくことが、子どもの心の安定・安心・安全につながるのだと思います。
心に寄り添う連係プレー
9月21日「ふしぎに思っていたのは私だけかしら?支援学級について思っていたこと、」の記事の中で、学習室についてふれました。
今回は、その続き、心静かに過ごしたい子の居場所にもなっていった学習室と支援学級の話です。
支援学級は学習室の中にあります。入り口は、だれでも使える学習室、低いロッカーで間仕切りした奥は支援学級専用の学習室です。支援学級の子どもたちは、どちらも時と場に応じて使い分けることができます。
①保健室と学習室、隣同士で連係
「頭が痛い・お腹が痛い」と訴えて保健室に来る子は明らかに体調の悪い子もいますが、時に心因性の訴えが感じられることもあります。
Nさんは、運動が大好きな2年生でした。この頃、なぜか元気がありません。お腹がいつも痛くなるのです。担任の先生から、学習室で勉強させていただいてもいいかしらとのお話がありました。本人もそうしたいとのことでしたので、しばらくの間、体調が悪いときは学習室にプリントやドリルを持ってきて勉強をすることになりました。お腹が痛いときは、保健室の先生がお腹に当てる湯たんぽを用意してくれました。
支援学級のみんなと私maruko先生は奥の個別学習スペースで勉強をしています。Nさんは、その様子を耳にしながら学習室スペースでドリルやプリントを使って自習しました。時々、maruko先生が見に来てくれるので大丈夫です。保健室の先生もそっと覗いてくれました。支援学級のみんなもNさんの学習姿勢を参考にしてがんばりました。時には、課題が終わった後の10分間を読み聞かせやパズルを一緒にしました。
見守り寄り添う日が何日か続いたある日の学習室で、Nさんは隣に座った私にぽつりと話してくれました。漢字の書き取りをしながら・・・
😞この前ね、前のお母さんと会った。
👩🦰そうなんだー。前のお母さん会ったんだねー。
😞うん
―― 間 ――
👩🦰お母さん、元気だった?
😞うん
―― 間 ――
👩🦰一人で行ったの?
😞お父さんが送ってくれた
👩🦰お父さんが送ってくれたんだねー
😞うん
―― 間 ――
👩🦰うれしかった?
😞うん。
たったこれだけの短い会話の何日か後、
Nさんは生活科の課題を学習室に持ってきました。
課題は、幼いころの自分を振り返り、できるようになってきたことや自分の生活を支えてくれた身近な人への感謝の気持ちなどを写真と文でをまとめることでした。Nさんの家族は、ステップファミリー2年目でした。幼いころや幼稚園は前のお母さんと過ごしていた頃のことです。
Nさんは、幼いころから今までの間の「できるようになってきたこと」に焦点を当てて自分の成長をまとめることにしました。
課題をまとめた後、Nさんの足は次第に学習室から遠のいていきました。
外で元気に遊ぶ様子を見かけるようになりました。
Nさんは気持ちを切り替えて学級に戻っていきました。7歳のNさんは1つ階段を上りました。がんばれっ!
②図書室と学習室と教室の連携
教室を飛び出して校内を歩き回るTさんは2年生、図書室と学習室と教室で連携を取りました。
教室では暴れたり走り回ったり飛び出たりするTさんは、家では落ち着いていて何の問題もないとのことでした。ですから、お母さんは学校の指導に不信感を持っておられるようでした。
本が好き、家では静かということでしたので、ご家庭のご了解を得て図書室に居場所を作りました。図書室では司書の先生が見守ってくださいます。
約束は静かに本を読むことです。
床に座っていても寝転んで読んでいても、静かであればOKにしました。
よく見ると、学年よりも難しい本を読んでいることがわかりました。Tさんはほとんどの時間を図書室で過ごしました。教室に長くいることはいやなようです。
しばらく図書室で過ごすうちにお母さんは受診をすることを決心され、医師の診断を元にTさんへの言葉かけを工夫されていきました。学習室や保健室はお母さんや担任の先生が時々立ち寄ってくださり、家庭と学校の様子を連絡しあいました。
Tさんの図書室での過ごし方は、マナーという点から改善されていきました。大人が話し合い協力してNさんの様子を見守ってきたことが実を結び、チームで取り組んだことで担任の先生にも安心していただけました。
③スクールカウンセラー
私が取り組んでいた学習室には、さまざまな悩みを持った子どもたちが訪れました。静かな空間のある場所で、少し休憩をして、元気を取り戻し、学級に帰っていきました。
今はスクールカウンセラーがどこの学校にも常駐しています。先生方と協力して子どもたちを見守る体制ができている時代になりました。
私の個別学習の教室で学んだ何人かの生徒は、中学進学と同時にスクールカウンセラーの方のお世話になりました。小学校の先生にお願いをして利用の予約をしていただいていました。コミニケーションに悩みを抱えている子や学校への足が重い生徒の多感な思春期時期をカウンセラーの方に伴走していただけました。
marukoの独り言
今の目標は、noteの文章に写真をいれて読み易くすること。
みなさまには何でもないことでしょうが、marukoにとっては学習していかなければできないこと。
いつ頃からできるのか、まだ未知ですが・・そのうち・・きっと
私のスマホはカメラが4個ついているので「きれいに写せる」と息子は言っていた・・・後は私の腕次第ということですね。ゆるゆると行く!
次回は10月18日(水)
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