見出し画像

『伝統』の暗黒面

 ダウンタウンの浜田さんがMCで、一流のアスリートがゲストで出演したりする人気TVプログラムがある。スポーツ選手がプライベートの生活を告白したり、激戦のウラ側のことを暴露したりしてそれはそれで『へぇ!』と感心したり笑ったりできる楽しい番組だ。浜田さんのツッコミや回し方も上手い。

 でもそんな楽しい番組なんだけど、時々『ん?』となってしまうことがある。何かというと『学生時代に受けたパワハラや常識を超えた仕打ち』を笑いのネタにしていることだ。中には自分がされたことを下級生に伝統として行っていたことを、嬉々として笑いの中で公表したりするのである。
 そんな時にも他のアスリートたちは基本的に笑っている。『わかるわかる!』みたいな同調さえある。上の者からひどいことをされ、下の者にひどいことをするあの文化は一体何なんだろう。それをしてきた自慢めいた思考が厨二だし恐ろしいとさえ思う。

 思えばスポーツの世界は昔から根性論が支配している。『巨人の星』のオープニングなど、その象徴ともいえるのではないか。少年時代の星飛雄馬の顔にノックの球(どう見たって硬球だ)がガンガンぶつかっている映像を子供が見るのだ。乾いたスポンジのような少年の脳は、やがて根性論・精神論が支配していくのは自明の理であろう。伝統的に名門校と呼ばれる学校にはそんな理不尽が横行しているような勝手な印象を私は持っている。

 つい先日歌舞伎の有名俳優一家の心中のニュースで騒然としたばかりだが、ここ最近でも同じくJKT(ジャニーズ、歌舞伎、タカラヅカ)の一角であるジャニーズ創業者による鬼畜な性加害のニュースがミーハー界隈を席巻している。国に補償してほしい!などといったトンデモ救済案が飛び出したとも聞いたが、一企業のスキャンダルを税金で保証できるわけがないではないか。俺が払った税金を使われるのはヤダよ。アホ言うな。

 そんなことに思いを馳せると スポーツの世界や芸能界の他にも、日本には『界』や『道』(花柳界や角界、華道や茶道など)が下に付いた業界はいうに及ばず、伝統的な職人気質に支えられている非日常ともいえる業界では、伝統や風習を守ことが当たり前になっており、昔からの価値観が令和の今も厳然と生き残っている。だからウミを出そう、改革しようといっても 伝統や文化を肯定し また目指す人がいる限り、古くからのしきたりは受け継がれていくし、ドンによる権力構造は今後も成立し続けたりするのだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?