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浮気について語ってみるぜ

『男というものは浮気する生き物』と、利いた風な口をきく女性(少女から老女に至るまで)は多いが、はっきり言う。それは間違いである。

 ただし。
 単純に生物のオスとしての話なら、種の保存のために数多くのメスに自分の遺伝子をバラ撒こうとするのは自然の摂理である。ヒトの体を乗っ取っている本能という名の暴君は、種(遺伝子)を絶やさないよう、周到な計画と緻密な作戦で 我々に様々な攻撃を仕掛けてくる。その中でも時限装置を駆使した内分泌の仕組みは、男も女も 心(すなわち行動)まで操縦してくるのだ。知らぬ間に波状攻撃を仕掛けられている我々オスは、防戦一方になってしまう(もちろんメスにもメス用の攻撃メニューがある)。
 ハニートラップという言葉があるが、実は仕掛けているのは相手の女ではなく、それに引っかかる(引っかかるように仕向けられている)オスの細胞内にあるDNAの仕業なのだ。

 しかし私たちは目には見えないそんな魔の手に打ち勝たねばならない。多くの場合防衛戦の指揮をとるのは理性と呼ばれるものだ。人(この場合は男)は理性という指揮官を頂いた守備隊を(強い弱いはあれど)心に宿している。理性軍は、まずは上陸してこようとする敵(相手は誰でもいいから『お前の遺伝子をバラ撒け!』と叫ぶ厄介なヤツら)に対する水際作戦を戦うのだが、そこが破られると次にゲリラ的にやってくる斬り込み隊を阻止するために スナイパーによる個別撃滅作戦が発令される。しかしそれらの防衛線までもが突破されて本陣に迫ってきた敵の精鋭に対しては、総力を費やして討ち死に覚悟の白兵戦を繰り広げるしかない。
 もちろん自陣深く攻め入られることになると、こちらの痛手も少なくなく、精神的にも経済的にもダメージを被る。さらにその戦いに負けてしまうと、生活に(勤め先や家庭など)影響を及ぼす可能性も出てくる。中丸君や 今回の玉木さんみたいに社会的に影響ある立場の人であっても、この攻撃の前に内部から崩れ、戦いに敗れ去った訳だ。

 しかし攻撃力が高く 勝つ見込みが立ちにくいこんな難敵であっても、仮に戦いにならなければ何も起きない。もちろん理性の力(信念や精神力)で敵をやっつけるということではなく、戦いそのものをはじめから起こさないのが理想である。力を力でねじ伏せるには我々はあまりに無力で危うい存在だからだ。

 ・・・なぁんて理屈っぽいことを並べてみたが、戦わないというのはどういうことかといえば、結局浮気というものは するのを我慢する類いのものではない ということを世の人々(特に若い世代)に主張したい。浮気しない人は、相手が悲しむからとか、関係を壊したくないからとか、この生活を守りたいからといった理由で実行を思いとどまるのではなく、浮気することなどハナから頭にないのだ。単純に『したくないからしない』だけだ。俎上にも挙がっていない。だから理性で抑えている訳ではないのである。相手を悲しませたくないからとか約束だからというのが浮気しない理由であるなら『本当は浮気したいんだけど君のために俺は我慢するよ』という理屈になってしまうではないか。

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 職場が学校である関係で、恋人同士で約束事を決めたりしているような、『オママゴトの恋愛』をやってるような若者の生態を、生徒たちを通じて知ることがある。

  ●自分以外の女性とは2人で会わない
  ●男女混合の集まりに参加する時は要報告
  ●LINEの返事は〇分以内に返す  

みたいなヤツだ。

 面白いことに彼氏の浮気を未然に防ごうとする女性側の束縛が強いことがアダになり、男の方が窮屈に感じて関係が破綻するってことも多いのが若い世代の現実である。束縛がキツい女子は、自分の彼氏が自分以外の女と楽しそうに話をするだけでイライラして彼氏を責め、涙を流す。
 ・・・束縛がキツい女性が好きなのは、彼氏じゃなく自分自身だ。しかし多くの女子はそこには全く気づいていない。
 思うに恋愛というものは相手の自由を認め尊重するものだから、行動に縛りをつけるような約束事などがあっては、自由な恋愛ではなくなる。自分以外の誰かを好きになる自由だって相手にはある訳だから。  

 青春を謳歌し 青春のぬかるみに足を取られている生徒たちを見ながら、昼に何を食べるかを考える 2024年の秋である・・・。


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