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てめぇにゃ似合わねぇよ

 この世にはどうしてもマッチしないものがある。誰に迷惑をかけるわけではないんだろうが、今回は個人的に解消できない違和感を感じてしまうものを並べてみた。

《ファッション編》

⚫︎ライダースを着る小僧
 世に革ジャンという上着がある。保温性が高く、何よりカッコいいから大好きなのだが、着る人というより着る年代を選んでしまうアイテムだと思っている。なんとも味わい深いコイツを、私などはネクタイをしたスタイルの時にも羽織ってしまう。また最近は街中でダブルライダースを身につけた若い人を見るといつも同じことを思う。「子供には似合わないな』と。無骨なライダースを着こなすのに必要な条件の第一は『年齢』であると個人的には思うのである。

⚫︎振袖を着るヤンキー
 福岡や沖縄の成人式が毎年取り沙汰されるが、振袖は未婚女性における最も格式の高い礼装である。どんな人が着ても構わなかろうが、合う・合わないで言えば盛り髪でキラキラした3cmの爪の女性に似合うはずがない。私は古いタイプの人間ではないつもりだが、守るべき日本の伝統は守らねばならないと思っているので、毎年TVに映し出される、あの素顔がわからなくなっているようなメイクを施している女性たちが着ているものは、もはや礼装ではないのだと認識している。礼装であるなら礼を尽くしているだろうからだ。

⚫︎ダメージものを着る中年
 デザイン理論の中に、似たものが同調し合うという理屈がある。我々美容師にとっては髪の印象と顔の各パーツが同調し合うというのは基本中の基本ともいえる。簡単にいえば、髪がシャープなものならばその人の顔の中でシャープなパーツが強調される。それと同様、例えばとれかけのパーマにウィービングでブリーチしているヘアスタイルの女性は、顔の中のくたびれたパーツが同調されるせいで、もうそれだけでみすぼらしい雰囲気になるのである。シワやショボついた目などがより目立ってしまうからだ。同じくダメージのデニムや裾がほつれたようなパンツなんかも、ある年齢以降はダメだ。くたびれた自分を余計にアピールしてどうすんだよ。歳を取ったらキレイな色のパリッとしたものを着て、髪型もキレイ系がグッドです。

⚫︎着流しを着る若造
 女の人は着物を着ても、みんななんとなくサマになる気がする。若い人は若いなりに、ご年配の方もそれなりに。細かいことを言えば色無地や付け下げ、また訪問着などは、一気に女性を老けさせるように見えるから私の中ではあまりお勧めではないけれど。それでも女性は着物が違和感なく着られる。しかし若い男に着物は無理だ。百歩譲って割腹の良いタイプならなんとかなるが、痩せた若造が着てマッチする着物は浴衣から袴まで一切ないと断言する。

《その他の文化編》

⚫︎ビジュアル系のデブ
ビジュアル系に限らずロックミュージシャンは痩せていなければならない。彼らは非日常を体現しているのだから、日常の最たるものである『食』を感じさせてはダメだ。特にビジュアル系を歌うカテゴリーの人たちは別世界の住人なのである。にも関わらず太ってどうする! デブはロックではない。なのに時折ロッカーなのにふくよかなミュージシャンを見かけるのはどうしたことだ。
 少々でかい体型のミュージシャンが許されるのは、同じロックであっても 1.アメリカ人(特に西海岸) 2.白人 3.ドラマー 4.ストレートなハードロック 5.素肌に革ジャン 6.ハーレーに乗ってる 7.レイバンのティアドロップ   これくらい揃った時くらいのものだ。

⚫︎高級ホテルに泊まろうとするガキ
 バブルの頃、クリスマスやホワイトデーに子供同士のカップル(当時はアベックといった)がティファニーで3連リングなどを買い求め、フレンチで晩ごはんを食べた後、事前に予約していたのだろう、どう見てもまだそこに来るのは早いガキが、高いホテルのフロントにウロウロしていたものだ。『不慣れ感』たっぷりのガキに最高級の敬語を使うホテルマンは悲しかっただろうと今思う。

⚫︎ラーメンを食う白人
 白人にはラーメンが似合わない。まずカウンターに座る佇まいが良くない。次にラーメン丼が良くない。箸、口の持っていき方が良くない。すすらないからハグハグ食べる食べ方が良くない。一口入れた後の顔つきが良くない。大仰に何度も頷く『美味い!』の姿が良くない。きっとラーメンに向き合うには彼らはカッコ良すぎるのだろうと思う。きっとこれは『平たい顔族』のコンプレックスに違いない。となるとヒガミだな。私はいやな奴だなww






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