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本は良い、とても良い。

私の趣味は〇〇です。
そう断言できるものがなくなった。

そもそも今の時代、プロフィール帳を交換することもないし、黒歴史製造機とも言える前略プロフィールを作成することもないので。
改めて自分の趣味はこれだ!と決める必要も、他人に公言することもないのだけど。

若い頃は好きなアーティストにのめり込み、これはもう趣味ではなく生活の一部です!と断言できる程の趣味があった。
でももう今はどんなものにもそこまでの情熱がない。
大人になり、世の中を知っていき、現実的な感情に支配されてしまったのだ私は…

何かをしたいと思っても、でも、いや、どうしようなどネガティブな言葉が付き、なかなか始められなかったり、
全ての行動に対して億劫さを感じてしまう。

何より私の感情の大半を占めるのが、めんどくさいという感情。
怠惰の擬人化役を募集している劇団があれば入りたいくらい怠惰だ、めんどくさいからやらないけど。

なので、新しい趣味を始めよう!と思い、【大人 女性 趣味】などを検索し、少し興味の湧いたジャンルの専門書を書店で見てみることに。

まずは料理
→レシピ読むのがめんどくさいので無理
次に編み物
→編み方を覚えるのがめんどくさいので無理
そして登山
→そもそも家から出るのがめんどくさいので無理

ー完ー

ということで、趣味を探すのは早々に諦め、そのまま書店をふらふら徘徊することに。
まぁ趣味とかなくても人生なんとかなるし、充実してるかどうかは自分次第だしな~なんて急にポジティブになる私。
そんなポジティブクソ野郎の私の目に、一冊の本が入ってきた。

それは、太宰治の【人間失格】

毎度何かしらのフェアが開催される度に面陳されているこの本。
まぁ名作なのでみなさん一度は読んだことがある本でしょう。
そんな本のタイトルを改めて見ていると、凄いタイトルだなぁと感心してきた。
まぁかく言う私も失格認定されてる側の人間なので、続編お書きしましょうか?って感じだけど。

いつもなら特に何も思わないのに、その時ポジティブクソ野郎だった私には「なんて挑戦的なタイトルなんだ!」と怒りを覚えた。
くそ、見てろよ、合格してやろうじゃないか!と。

そこで、本は私の感情次第で受け取り方が変わってくるのかもしれないという、新しい視点に気づく。
読む時の感情はもちろん、人生経験や取り巻く環境、いろんな変化が起きるのではないか?

面白い、本を読もう。
曲がり角で人とぶつかって、登校したらそいつが転校生で「あーーー!お前は!」みたいな感じで新しい趣味をゲットした私。

そんな感じで、2024年1月、本という存在に出会ってから今まで50冊ほど読んだ。
もちろん凝った読書記録などは書いてない、めんどくさいので。

毎日家に帰って、全ての用事を済ませたら、ベッドに座り、ハーブティーを飲みながら、間接照明の中で本を読む時間が幸せになった。
いやまじ、めちゃくちゃ人間合格してて困るんだが。

どうしても読むジャンルに偏りは出てしまうが、自分がその時手に取る本で、自分が今何を求めているのかがわかるようになった。
世界のいろんな小説家の方が、私の人生の手助けをしてくれて有難い。

これからも本を読みながら、自分を大切にする時間を増やしてあげたいと思う。

【本当に本が好きな人は絶対に紙の本で読む】とよく聞くが、
私はほぼ電子書籍で購入し、iPadで読んでいる。
邪道だと言われるかもしれないが、すぐ好きな本を読めるし、何冊も持ち歩ける。
そして書店に行かなくていいので、めんどくさくない。

サ終したら読めなくなる!と心配してる人も多いが、たぶん私の方が先にサ終するので問題ない。
私の希望を全て満たしてくれる電子書籍、これからも末永くよろしく。


ちなみに、【人間失格】は読んだことない。







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