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詩 : ファスナーな恋人(2)

※↑前話

向かって右にいるのがオレ
左側にいるあいつは、そう、オレのいいなづけ


もの心ついた時にはもう決まってた
あいつとオレは一緒になるんだって
それしかないってことだから
そうなるべきだと思ってた

オレはある朝、思ったんだ
「ほんとにこれでいいんだろうか?」
なんだか嫌な予感がするんだ
しんどい思いをしそうだなって

その日は突然やってきた
スライダーがジジジジと
少しづつ、でも確実に
あいつとオレを絡め合う
握りあった手と手はきっと
ちょっとやそっとじゃ離れそうにない



あいつと一つのRainy Days
いつまで続く It’s so Bad
離れたくても 離れられない
離れたいって 言えそうにもない





その日は突然やってきたんだ
スライダーがジジジジと
2人の手と手を離しだした
止めようとするやつは
きっとあいつ1人だけだろ


こんなにまでもすんなりと
離れてしまうとは思わなかった
この状態がEndlessだと
ずっとずっと諦めていた

いったい何が起こったんだ?
今まで我慢してきたご褒美か?
いやいや、きっと違うだろう
単なるスライダーの気まぐれさ



まだまだ油断はできそうにない
こんなことなど想像したかないが
またスライダーが気まぐれに
2人を一つにする日がくる

だってあのスライダーには
YKKってロゴが入ってる
あそこのはなかなか壊れないらしいんだ
いい仕事するって、知り合いに聞いたんだ

いつまたあいつが上がってくるのか
寒い時期だって聞いたけど
暖冬になることを願いつつ
怯える日々が続きそうだ





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