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リストカットのあれこれ

自分の体を自分で傷つける行為、
はたから見たら「なんでそんなことするの!?」ってすごくビックリすると思います。
私も今まで3回ほど本気でドン引きされ、リストカットなんて漫画の世界の話だと思っている人からは本気でどこで転んだらそうなるんだと心配されました。

ちなみに、私の傷跡は太ももとお腹にあります。
腕にはないので、だから尚更チラッと見えた傷跡に驚かれたんだと思います。

リストカット、しなくてもいいならやらないに越したことはありません。
でもすごくわかるんです。自傷行為に走りたくなる気持ちが。
そうしないとどうにもならない時があるのもすごくすごくわかります。

だから、リストカットすることは否定しません。
それであなたの命が繋ぎ止められるのなら、その選択で間違いないと思います。

でも何時間後・何日後・何年後に後悔しないように、
後悔してもその時の自分を否定せずに受け入れられるように、
自傷が最低限で済むように、
リストカットってこんな感じだからね~っていう私の経験をお伝えします!


リスカ跡は消えません!


リストカットが私の日常生活に一番影響していることです。
本当に消えません…。
3年前の傷跡もしっかりくっきり残っています。

ひっかき傷程度の浅いものならほとんどわからなくなりますが、
出血するほどの傷は残ると思っておいたほうがいいです。

どんな傷かというと、切り傷に沿って皮膚が盛り上がる感じです。
傷が深いと盛り上がりも大きくなり、一部が赤く腫れた状態になります。
(ケロイド・肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)という状態です)

ケロイドになってしまった傷はパッと見てわかりますし、
そうでない傷もお酒を飲んだり体温があがっている時は赤くなって目立ちます。
また、傷跡が多ければ多いほど純粋に目立ちやすくなります。

一度リストカットをすると傷跡とは一生のお付き合いになるので、
傷跡を見られたら困るという人は自傷する場所を考えましょう。

私は考えた結果、お腹と太ももにしました。
(腕はすぐに見つけられそうなのと、暑がりなので半袖着れないのは嫌だな…と思ったからです)

でも銭湯行くときはすごく気を使いますし、ビキニは一生着れません。
ミニスカートやショートパンツも履けません。
脱毛や産婦人科の検診でズボンを脱がないといけない時はいつもヒヤヒヤします。
あと、いい感じの雰囲気になった男性とベッドイン…のハードルがめちゃくちゃ上がります。

ご自身の生活に合わせて、支障の少なそうな場所を選んでくださいね!

刃物は清潔で切れ味のいいものを!


清潔なほうが、傷跡から感染症を起こすリスクが減ります。
傷跡から菌が入ってしまうと化膿したり、全身症状がでたり、壊死したり…
ということがあるみたいです。
ただでさえメンタルがやられている時にこうなってしまうと大変めんどくさいので、刃物は清潔なものを使いましょう。

また、刃物は切れ味がいいものを使うほうが治りが早く綺麗です。
切れ味が悪いものは傷跡が残りやすいですし、なかなか切れなくて力を入れすぎてしまい傷が深くなりがちです。

傷が深いと出血が多くなり、感染症のリスクもあがります。
出血が多い傷はきちんとガーゼを当てて保護しないと、そこら中に血液や体液が付着して困ります。
保護用の滅菌ガーゼは薬局に売っていますが、そこそこいい値段がします。
あと、深い傷は切ってから3日くらいは痛いです。特にお風呂!
なるべく傷を最小限にするために、刃物は切れ味がいいものを選びましょう。

ついでに、私の個人的なおすすめを紹介します。
圧倒的に「ガード付きの顔そり用カミソリ」です。

ガード部分では切れないため、上部3mmほどの刃を使用します。
切れ味がよく、ガード付きなら傷跡も浅くて済みます。
強く当てると出血しますが、特別な処置が必要なほどではなかったです。
満足感はありながら傷跡は目立たない程度に綺麗に治る、しかも安価でどこにでも売っている、元気な時は自分のお手入れにも使える!
本来の用途とは違いメーカーさんには大変申し訳ないのですが、私は何度もこのカミソリに救っていただきました。

ついでに、ついでに…おすすめしない刃物も紹介します。
圧倒的に「カッターナイフ」です。
思ったよりも切れないから刃を当てる力が強くなる、
また、長さのある刃物なので傷跡が自分の思っている3倍深くなります。
私がケロイドになった傷跡は全てこいつです。
最初はそっと刃を当てていても、どんどんエスカレートします。
後で1人で傷跡の処置をするのはけっこう悲しいです。
おすすめしません。

言い訳を考えておこう!


長くメンタルを壊しているとリストカットはあるあるだと思いがちなのですが、世間では全くそんなことはありません。

私の体感では、リストカットを知っている(傷跡をみてそうだとわかる)人が40%くらい。
その中でリストカットに理解がある人(大変やったね~って言ってくれる人)が5%くらい。
残りの95%の人はリストカットに対して嫌悪感を持っています。
する意味がわからない、気持ち悪い、関わりたくない…などなど。

まあ、まだリストカットとわかっていて、そのうえで嫌悪感があって向こうからそっと疎遠になってくれる人はいいんです。
何も言わずそっと身を引いてくれるのはお互いにとって大変助かります。

一番厄介なのは、心配や説教をしてくる人です。
「なにがあったの?」「話聞くよ」「そんなことしたらだめだよ!」
と、リストカットの背景や理由を聞き出そうとしてくる人です。

なんでリストカットに至ったかなんて、できる限り話したくないじゃないですか。
めちゃくちゃ嬉しいことがあってテンション上がりすぎてリストカットとか絶対ないんですよ。
心身ともに切羽詰まって、自殺か自傷かの2択しかない時、なんとか「生きる」選択をした結果なんですよ。

だから、リストカットの経緯なんてめちゃくちゃ重い話だし、いろいろ積み重なってそうなるのでめちゃくちゃ話も長くなるし、聞き手も話し手も負担が大きいので話したくないんです。

と、私は常々思っているので、同じくリストカットについて他人に触れられたくない方は話の逸らし方をいくつか考えておいたほうがいいです。

私がよく使うはぐらかし方は、

・リストカットだと思ってない人、断定できていない人
→ 酔っぱらって道端のトゲトゲの草に突っ込んで~(笑)
→ めちゃくちゃ狂暴な猫ちゃんがいて引っかかれて~(笑)

・リストカットだとわかって聞いてくる人
→ いろいろあってん(笑)気にせんといて(笑)

・心配、説教をしようとしてくる人
→ もう大丈夫やからほっといて(笑)

正直、なにを言い訳にしてもいいのですが最大のポイントは(笑)だと思っています。
悲しい顔や辛辣な態度をとると相手も引くに引けなくなるので、とにかく笑ってごまかします。

時々執拗にいじろうとしてくる人がいるので、そういう方には本気のトーンで怒ったりします。
はっきりと意思表示するのも大事なことです。

世間は思っている以上にリストカットに対して理解がない、むしろ嫌悪感を抱いておりネタにしようとする奴も多数いる。
それを念頭に置いた上で、あなたが思わぬところで傷つかないように心の準備をしておくことは自分を守るために必要なことです。

リストカットは最終手段


ここまで偉そうにリストカットの極意みたいなことを書いてきましたが、最後に少しだけお伝えしたいことを書きます。

私はリストカット当事者です。
本当は自殺したかったけど、最後の一歩が怖くてどうしても踏み出せず、現状をなにも変えられない自分に絶望して刃物を手に取りました。
死ぬ覚悟がないのなら、生きるしかない。
生きるには、今自分の中にいる、自分自身を追い込んでいる黒くて邪悪でモヤモヤしているものをこの手で殺すしかない。

そう考えながら、自分vs自分のタイマンのような、そんな感じで刃を当てていました。

誰がどう見てもしんどい時間と記憶です。
この経験はハイリスクの割にほとんどリターンがないのでするべきではないです。

初めにも書きましたが、リストカットを否定するわけではありません。
でも、決しておすすめするわけでもありません。

あなたがリストカットの選択をすることで命を繋ぎとめることができるのなら、それでもいいんじゃないかな。
でも、いろいろリスクもあるから自分を切る前にちょっとだけ、最近見たnoteにこんなこと書いてたな…って思い出してくれたらうれしいな。
清潔そうな刃物はこれかな…どこを切ろうかな…ここは跡が残ったら困る…
他人にバレないところは…お尻…?いや切りにくすぎるやろ…
もうめんどくさい!やめた!アイス食べてタバコ吸って寝よ!!
ってなってくれたら一番うれしいな…。

と思いながら書いていたら今回はとても長い記事になりました!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

リストカットってこんな感じなんだ、って少しでもお伝えできていたら幸いです。
私のような思いをする人が1人でも減ればもっと幸いです!

みなさん、疲れた時はとりあえずお高いアイス(私はセブンイレブンの200円のワッフルコーンアイスが大好きです)を食べましょう。




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