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英語を始めて挫折して…を繰り返してしまう人へ

とある方のお話で、

筋トレをはじめるなら、腹筋なら腹筋だけ、一点集中でやるのがいい。
なぜなら、筋肉がついてくるのをすぐに実感できるので、「筋トレってすごい!楽しい!」と思えることで、「もっともっと」となり、自然と筋トレが習慣化していくから。

と言っていて、なるほど!と膝を打ちました。

私もこれまで、フィットネスジム通いや筋トレを、もう何度もやり始めては挫折しての繰り返し。そうなんだよ、すぐに効果が見えないから嫌になっちゃうんだよね〜と、むちゃくちゃ納得。


これ、英語学習にも通じると思うんですね。

最初は「よし、がんばろう!」と思うんだけど、しばらくすると、「今日はいっかな……」「明日やろう」「いや来週はちゃんと」となり、ずるずるとフェードアウトしてしまう。

なぜフェードアウトしてしまうかというと、やっぱり

上達した実感がなくて、気持ちを持続できない

ということかと。
英語が上手くなってきたなと感じる前に、勉強そのものがつらく感じてしまったり、興味が持続できなくて飽きてしまうんだと思います。私自身がこのタイプなので、よーくわかるのですが、やり始めてすぐに上手くならないと、一気につまらなく感じちゃうんですよねぇ……。つまりは、飽きっぽくて、コツコツ継続するのが苦手なんです。


「英語はコツコツやらないとダメ」が私を苦しめる


よく英会話や英語力の上達には、

・継続してコツコツ学習を続けること
・基礎をしっかり習得すること

が大事だと言われますよね。
これ、その通りだと思うのですが、でも基礎からコツコツと積み上げて、継続して学習を続けていくのって、かなりつらくないですか? 私みたいな根性なしのタイプには、もう絶対無理だと思えてきちゃいます。考えるだけでつらい……。

ただ、筋トレもそうですが、英語もとにかく続けないことには、身につきません。どうしてもこれだけは変えられない真実。

だとしたら、「一点集中で腹筋だけ鍛える」みたいな方法が、英語学習にも必要だと思うんですね。

英語学習の世界では、「基礎が大事」とか「ブロークンはだめ、文法大事」「ちゃんと伝わる発音」と、とにかくきっちりしっかり、正しい英語を身につけることを唱えることがほとんどですが、その考えをいったん外して、まずは「一点集中で腹筋」的なチートを導入して、英語の上達感や楽しさを味わうのが先だと思うのです。基礎はその後、英語学習が習慣化してからやればよいので。


こういう人の場合、目標を立てても意味がない


思うに、進学や仕事で英語が必要な場合は、しのごの言わずに頑張れる人が多いんじゃないでしょうか。私はそれです。お尻に火がついていれば、できる。

たぶん、「なんとなく英語を身に着けたい」「英語ができると将来的に有利」といった、目的がぼんやりしている場合って、なかなか習慣化させづらいですよね。なので、「3ヶ月後にTOEIC800点目指す」といった具体的な目標を掲げることも、ひとつの手だと思います。

ただ、「3ヶ月後にTOEIC800点」は、あくまで自分の中だけの目標なので、自分都合で簡単に流してしまえるんですよね……。

こういう、自分内目標を平気で流してしまうタイプの人って、へたに目標を立ててしまうと、かえって「できてない」というストレスを生んでしまうと思うんですよ。TOEIC800点のために「毎日1時間シャドーイング」とか「英単語30個覚える」といったノルマを課したとして、そのノルマがどんどん心の重荷になっていく。立てた目標は自分都合で流すくせに、「できなかった自分はダメ人間」という情けなさは感じてしまうわけです。ええ、私のことです。

これ、実はとっても危険だと思うんですね。

「目標を立てる→挫折」を繰り返すと、薄い敗北感がどんどん溜まっていき、英語だけでなく勉強そのものを遠ざけるようになってしまう気がします。

で、よく心理学的なものでは「小さな成功体験を積みましょう」といって、「今日1個でも英単語を覚えた自分を褒める」的なことが言われたりしますが、飽き性で怠けグセがある私のようなタイプには、これもあまり通用しません。「英単語1個だけ覚えても意味ないじゃん」って思ってしまう。たったそんだけ?と、むしろゴールが遠く感じます。

そう、こういうタイプの人が求めているものって、「このジュースだけ1週間飲み続けたら10キロ痩せる」みたいなものなんですよ。短期間だけガーッと頑張れば、劇的な効果があるもの。

でも、大変残念ながら、英語学習に関してはそういった魔法はないです。腹筋に一点集中すれば短期間でお腹は割れるかもしれませんが、英語に関しては、腹筋だけ割らせるようなことができないんですよねぇ……。

じゃあ、どうしたらよいのか?


英語を「勉強しない」。断固として。


私の経験則でいうと、英語を上手に使いこなしている人の特徴は、

・継続して英語をやってきた人

なんですね。これはもう、何をおいても絶対条件だと思います。

と、ここでコツコツが苦手な人は「なんだよ無理じゃん」と思うかもしれませんが、ちょっとまって。私がここで「勉強してきた」ではなく、あえて「やってきた」と書いているのには理由があるのです。

英語が上手な人というのは、おしなべて、むちゃくちゃ努力して勉強を続けてきた人なわけですが、当の本人は「勉強した」という意識があまりないパターンもあるんです。例えば海外アーティストが好きで、英語の歌を聴きまくったりインタビューを聞き読みしまくったとか、映画やドラマが好きでセリフを覚えるほど観まくったとか。そこから英語に抵抗がなくなり、少しだけ意識して勉強するようになったらそれも楽しくて……というパターン。

これ、日本語を習得した外国人についても似たような話がありますよね。日本のアニメが好きで、観まくっているうちに日本語を覚えて、さらに日本にも興味が湧いてきていろいろ勉強しているうちに日本人の友達も増えて……という流れ。韓流スターやK-Popが好きで韓国語を身に着けてしまう人がいるのと同じですよね。

つまり、最初に言った「継続して英語をやってきた人」というのは、コツコツと勉強を続けてきた真面目な人だけではなく、自分が好きなものを通して英語に触れてきた人も含まれるのです。


コツコツが苦手な人は、とにかく勉強しちゃダメです。そうじゃなくて、自分が好きなもので、毎日何分でも何時間でも触れてしまうものは何か?を考えてみてください。それに英語をひもづける。これなら、無理なく毎日英語に触れ続けることができます。



私の場合、「フレンズ」が苦痛でした。


ちなみに私の場合は、コメディがそれでした。

私はお笑いが好きなのですが、アメリカやイギリスのコメディ番組やスタンドアップショーにハマってから、1日の中で英語にふれる時間が劇的に増え、結果的に英語の習熟度がぐっと上がりました。

英語に触れているにもかかわらず、勉強しているとか、コツコツ頑張っている感はゼロ。1日10単語といったノルマもゼロ。シャドーイングはしないけれど、面白いフレーズは自然と口に出して言ってしまうし、覚える気がなくてもスッと脳みそに入ってくる。ので、気づけば語彙も増えている。

コメディって、文化的背景がわからないと理解できないので、最初はそこがネックになってなかなか楽しめないと思うのですが、そこを突破した後はもう、めちゃくちゃおもしろい。そして同時にカルチャーや政治の風刺なんかもわかってくるので、知識も増える。いいことづくめです。

ちょっと話がそれますが、効果的な英語学習法としてドラマを見ると良いというのはよく言われますが、なかでも優良教材としてよく名前が挙がるのが、アメリカのドラマ「フレンズ」ですよね。じつは私も以前、英語のためにこのドラマを見てみたのですが、もうね、1話たりとも見終われなかった……(笑)。私には合わなかったんですね。英語うんぬんの前に、話自体がまったく面白く感じられなくて、見るのが苦痛でした。

それでしばらくは、「英語学習のためにドラマを観る」という方法自体にアレルギーがあったのですが、たまたま暇つぶしに見始めたコメディドラマが面白くてハマってしまい、結果としてそれも英語力アップにつながりました。かなり。ちなみに「The Office」というシリーズなのですが。


なので、「英語がうまくなるために」からスタートすると、いろいろと無理があるなと思うんですね。特に私のようなタイプの人は。好きなこと、楽しいことしかできないんですよ、基本的に。であれば、好きなことや楽しいことに寄せていくのが、一番てっとり早く、かつ確実な方法だと思います。


巷には英語学習に関するいろんな情報があふれていますが、どの方法も結局は自分に合っていないと継続できないし、意味がないんですよね。あんまりそういったものに振り回されず、シンプルに「自分が好きなことだけやる」というのが正解なんじゃないかと思います。


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