見出し画像

発音がわるくて伝わらない……の問題について、克服の方法など。


がんばって英会話に取り組んでいる人が、ぶつかる壁のひとつに、「発音」の問題があるかと思います。

英語ネイティブと話すとき、発音が悪くて何度も聞き返される。
何度も聞き返されすぎて、心が折れる…。

私も、これまで何度も、何度も、聞き返される経験を経ていまに至りますが、そのうえで体得した攻略法は、

「大きな声で、ゆっくり、はっきり話す」

です。
え、そこなの?って思いますよね。でもこれ、騙されたと思って、やってみてほしい。激烈に、効果てきめんなので。信じてもらえないかもしれないけど、本当なんです。

かっこいい発音でしゃべりたい。ネイティブみたいに、かっこよく。

その気持ち、よ〜くわかるのですが、相手に伝わることを第一に考えると、発音の良し悪しは、それほど問題じゃないことが多い。ですが、「発音が悪いのはダメ」「カタカナ英語の発音はネイティブには伝わらない」という思い込みが、日本では根強く蔓延していますよね。Youtubeなんかでも「英語のうまい芸能人」なんていう投稿がたくさんあって、だいたいがその方の発音の良し悪しを指していたりします。

スクールでも発音にフォーカスしたカリキュラムがあったり、教材なんかでも発音はひとつのジャンルになっていますが、「そこにパワーを割くのって非効率なんですけど…」と個人的には思っていて。英会話ビジネスって、コンプレックスをうまくついているな〜と、つくづく思います。

伝わらないのは、発音のせいじゃないことが、9割!(私の経験では)
なぜそう思うのかについて、説明させてください。

私の夫はアメリカ東海岸出身のアメリカ人。現在わたしたち夫婦はハワイで暮らしていますが、夫はハワイに移り住むまで、英語ネイティブ以外の人と接したことはほぼ皆無。英会話スクールで講師をしているネイティブと違って、こちらの言いたいことを汲み取る力はありません。そういう意味では、英語ネイティブのサンプル的存在です。

で、日本に行くと、私の親戚や友だちが、がんばって英語で夫に話しかけてくれるのですが、やっぱり聞き取れないことがあって、「え?」っていう風になる時が、あるんですね。その原因のほとんどが

・声が小さい
・早口すぎる
・ごにょごにょしてる

この3つのうちどれかか、いくつかのコンビネーション、なんです。

なのですが、目の前のアメリカ人に「え?」って顔されたら、

「わたしの発音じゃ伝わらない!もうイヤ恥ずかしい!!横のあんた(私)通訳して!!!」

って、なってしまうんですよね。

とくに小さい子供だと、このパターンになることが多いです。
学校で習った英語の挨拶とかを、うちの夫に披露してくれるのだけど(まあ、親が言わせるのですが)、もう、蚊の鳴くような声なんですよね〜。がんばって、大きな声でもう一度、さんはいっ!って感じです。

この心が折れる感じ、私も何百回と経験しているので、よ〜くわかるんですよ。でも、ネイティブの側に立ってみると、「声が小さいから聞こえなかったんだけど、どうして突然この人は心を閉ざしているんだろう?」って思うんじゃないでしょうか。


この状況に対し、強いのは、やっぱり「おばさん」です。
(おばさんって、ポリコレ的に好ましくない表現かもしれませんが、わかりやすいので、あえて使わせていただきます!)

よい例が、うちの母。
カタカナ発音でもまったく臆さずに話すので、ちゃんと伝わります。
たとえば、「お腹すいてる? なんか食べる? それともなんか飲みたい?」と聞きたいとき、「ハングリー? イート? ドリンク?」。これで、ばっちり伝わります。

大事なポイントは、恥ずかしがらないことなんじゃないかなーと、思うわけです。

じゃあ本当にカタカナ発音でもちゃんと伝わるのか?というと、やっぱり中には正確に発音しないとわかってもらえない言葉はあるので、私もいまだに聞き返されることは多々ある。あるけれど、おそらく発音コンプレックスを抱えている人のほとんどが、「自信がないために早口で声小さい」に陥っているので、それはすごく、もったいないと思うんですよね。

ちなみに私は、聞き返されたら、むちゃくちゃゆーーーっくり、大げさに話します。日本人的感覚だと嫌味っぽく感じるほどに。それぐらい大げさにしたほうが、わかりやすいし、相手もがんばって聞いてくれる。これも、騙されたと思って実践してほしいパート2です。イメージとしては、0.5倍速再生。

先日は、オーガニックスーパーで、「エキナセア」という植物のエッセンスを探していたのですが、エキナセアという単語が伝わらず、店員さんに10回ぐらい言いました。正解は「エキネイジア」みたいな発音だったのですが、やっと伝わった時にはお互いにハグしそうなぐらい盛り上がりました(笑)。

発音が間違っていて伝わらない場合って、この「エキナセア」=「エキネイジア」みたいに、いくつかのパターンがあるんですよね。全パターンを言えば、必ず伝わる。その法則がわかってからというもの、私は「じゃあ全パターン言えばいい」と開き直り、心が折れることはなくなりました。

発音パターンの法則については、書き文字で表現するのが難しいので、いつか、別の機会に……。


あと、別の角度の話ですが、英語の発音って、正解が必ずしも一つとは限らないじゃないですか。

たとえば、「Can」はアメリカでは「キャン」、イギリスでは「カン」と発音することはよく知られていますが、同じ北米の中であっても、地域によって発音が違うことって、よくあります。

また、英語はグローバルな言語でもあるので、フィリピン、シンガポール、オーストラリア、インド、ハワイ、そして第二言語として英語を使う各国の人々のクセまで考慮すると、それはもう、多種多様な発音が入り乱れるのは当然なわけで。

そんな英語のダイナミズムの中で、いかに相手に伝わりやすいかを第一に考えた時、アメリカのネイティブ的な発音を基準にしてしまうのは、偏りがあるんじゃないかな、とも思うんです。そもそも、日本でいう「標準語」というものがアメリカには存在しないという気もする。アメリカの中心ってどこ? ニューヨーク? ロサンゼルス? どっちもけっこう訛りが強い地域だけど??と、思考が迷宮入りしてきます。


とにかく私が言いたいのは、「発音コンプレックス」は、保持していて良いことはひとつもないので、素早く手放すことこそが「伝わる英語」への近道だということ。発音コンプレックスに精神的パワーを使ったり、お金を引っ張られたりするのは、本当にもったいないので、もう、発音をとやかく言ったり気にしたりするの、みんなで今日からやめませんか?

お読みいただき(ラジオの場合はお聴きいただき)どうもありがとうございます!それだけでも十分うれしいのですが、サポートいただけると大変励みになります。オレゴンで小躍りして喜びます。