他人を助けている『こと』が、実は自分が助けられている『事実』とわかった『エピソード』
「2021年○月○日」と書くことに慣れてきた今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか?私は相変わらずの日々を過ごしています。
つい先日『愛するということ』という書籍をやっと読み終えた。
「素晴らし過ぎて、無知な私には、『贅沢な年代物の赤ワイン』にしか感じれなかった」というのが、正直な感想です。
友人の困りごとを手伝った話
私の友人は『双極性障害』と真摯に向き合っている。
最初は、少々振り回されたが、書籍、WEB、Youtubuなどで調べれば大抵のことは理解できた。
友人との出会いは高校生の時からなので…「かなり長い付き合い」。
そんな『精神疾患を患った彼』から連絡が入ったのは、昨年の今頃だった。
春の陽気な雰囲気の中で、コンビニで買った『ドリップコーヒー』を片手に
『ウチのインコちゃん』が私の肩の上でウトウトしていた時だった。
携帯電話が鳴り、『ウチのインコちゃん』は慌て飛び立った。
友人は「久しぶりなんやけど…話できる?」と携帯に出るやその一言だった。
理由よりも、「うつ病になった。どうしたらいいと思う?」と私のことはお構い無しな言葉が続く、「家族も離婚して、会社行けなくて」とネガティブな言葉が続く。
私は、『ネガティブな言葉』を遮るために
「ちょっと、待て!話を聞くから、お前の家に行ったほうがいい?」
「それか、うちにくる?布団とかはあるから…着替え持ってきて!」
と言葉を彼に投げつけた。
彼は、ホッとしたように
「タクシーでそっちに行くは!」と大きな決断をするように、尋常ではない雰囲気を纏った言い方だった。
私は「慌てんでいいよ!最悪、荷物は後で一緒に取りに行けば良いし!」
と胸騒ぎを抑えながら、彼に強く言っていた。
『うつ病』って怖い病気ではないが、環境が大きく関わると思う
彼からの連絡があって、2週間が経ち、『おっさん2人での同居』に慣れてきた。
私も数年ぶりに『他人と一緒に生活』している。
「独り暮らしを中止させられるとは思っていなかった」と正直に彼に言った。
彼も「丁度、寂しいと思ってたから良いやん?お前も奥さんおらんし!」と
『昔から変わらない彼らしさ』を感じる言葉が返ってきて、2人で笑った。
この2週間はとても大変だった。
タクシーで我が家に着いた彼は、『疲れ切っている』という言葉でしか現せないほどの様相だった。部屋に入り、「ベットで寝るか?」と彼に声をかけると
「うん」とうなずくとすぐにベットに横になり、熟睡してしまった。
そこから、ほぼ丸一日、トイレに目が覚めるだけで、その他は寝ていた。
彼の携帯のバイブが鳴っていたが、
私が落ち着かないので、勝手に『サイレントモード』に切り替えた。
その横で、私は『WEB検索』をしながら、『精神疾患について』勉強を始めた。
10年ほど前に強制的に受けさせられた『メンタルヘルスケア検定』が役に立つとは思わなかった。そこで、大まかな『基礎知識』を学んでいたこともあり、
『彼を受け止めること』『彼に必要なこと』『彼の助けになること』
を調べることができたと思う。
2日後、やっと目が覚めた。聞きたいことは山ほどあった。
しかし、私は「どう?『して欲しい事はある?』」と彼に告げた。
彼は、か細い声で、「会社」と発した。
私は言葉の発せない彼に
「会社に連絡して欲しいと? ま、そうやね!」
「会社に連絡して、代わりに話したほうが良さそうやね」
「話すこととメモすることやったらどっちが楽?」と言うと彼は、
「メモ、あと携帯どこにある?」と今にも寝落ちしそうな様相で、答えた。
私は、本棚にストックしていた『ノート』を彼に手渡した。
彼は、彼らしくない様相で、ノートに書き込んでいる。その様子を見ながら、
「ごめん、携帯鳴ってたからサイレントにしといた」と言いながら、
私はテーブルの彼の左側にそっと置いた。
『彼』と『彼の上司』と『彼の会社』
彼が『ノート』に書き出したことを一つ一つ確認していく。
何よりも『恐怖』『不安』『混乱』を『彼は強く感じている』と思った。
そして、何よりも『自分は弱い人間で、逃げ出すことが悪いこと』と決めつけている。
私は、『私の主観で彼を助けよう!』と考えることは、とても危険に感じた。
そう、『直感』という言葉がしっくりくる。理由を考えるよりも、
彼の『サポーター』を多く作ることが大切だと考えた。
まず、彼の『ノート』には、
『会社に連絡できないし、上司と会話ができない』
『無断欠勤が続いていて、ショートメールで上司に連絡しても、返信がない』
『お金がない、出張費の精算ができていない。15万円』
『薬を飲むと眠くなる』『会社に行きたいけど、電車に乗れない』
『親には心配かけたくない』
『自殺したいと思うけど、自殺したくもないと思う』
『子供にこんな姿を見せたくない』
『仕事したい』
『寒い、暗い、息ができない、心臓の音で目が覚める』
…etc
と書いてあった。
私は、まず、彼の代わりに『会社』へ連絡をした。今の彼の姿になった理由や原因については、まだ聞かないほうが良いと『直感』で判断した。
彼の携帯を使って、まずは『彼の上司』に連絡をとった。
そこでの会話については、かなり辛辣な気分になるので、今回は控えたい。
私が『彼の上司』に伝えた事は、
『疲労が溜まっており、休息が必要なこと』
『会社の産業医に連絡をして欲しい。もしくは私から連絡させて欲しい』
『彼の日頃の仕事内容や、日常どうだったか?を教えて欲しい』
『会社の人事や総務関係の方に繋いで欲しい』
『私が彼と会社の間に入って話をすること(代理)を認めてほしい』
今でも思い出すと『感情が沸騰する』が、『彼の上司』は
「そんなことも一人でできないんだったら、仕事もできないでしょ?」
「あなたが何者か知りませんが、会社に来れないんだったら、辞めるしかないでしょう?無断欠勤されて、仕事の引き継ぎも無く、こっちが困ってるんだよ!」
と全く取り合ってもらえなかった。
『制度』と『運用』と『窓口担当者』
『彼の代わり』に私ができたことは
『会社に休職を申し出たこと』→『3ヶ月間の休職』は就業規則にあった。
『彼の上司の上司と話し合いをした』→『彼と上司との相性が悪いことを知っり、今後、社内で検討する』(何を検討するかまでは教えてくれなかった)
『会社の就業規則をメールで送ってもらった』
『最初に診断を受けたクリニックから、相性の良いクリニックを探した』
→半年ほどかかったが、良い医師と巡り会えた。
『病気で休む際の補償手続きを一緒に行った』
『彼の元配偶者に連絡した』→『子供に会えた』
『彼との散歩が日課になった』→5kg痩せた。
まず、会社から3ヶ月間の休職をもらえたこと(その後、3ヶ月で復帰できずに退社)と『いい先生』に出会えたことが『彼』にとって、とても重要だった。
『彼』は「休職になったことで、自分の責任から逃げることができた」
「上司との相性は最悪だし、『自分が仕事ができていない人』と思い込んでいたけど、仕事のやり過ぎ、働き過ぎていてたから、上司の話をゆっくり聞いてあげれない状況だった」と今は話している。
『彼』をサポートしながら、実は、私は
『冷静に、他人事のように、他の人に彼を任せるにはどうしたらいいか?』
を考えていた。
こう言うと「え?」と思うし、「何様?」とか、「実は悪い奴?」と思われると思う。しかし、私の性格から『肩入れのし過ぎ』をしてしまうので、このくらいが実は丁度良い距離感を創れる。
その距離感を大事にしながら、
『自立支援医療』『傷病手当金』『障がい者手帳』『失業保険』『生活保護』
『障害年金』『労災保険』『借金返済』『生命保険の適用範囲』など
を調べた。
中でも、『役所』での手続きがクセがあり、普通に買い物や商談をするような感覚では行えなかった。大まかな『概要説明』は長々とあるが、
「このような場合は対象になりますか?貰えますか?」と尋ねると
「この場ではお答えできません。申請していただいてから、審査されてから、支給出来るかが決まります」と返答されることが多かった。
しかし、これは私たちの住んでいる自治体だけかも知れないが、
『申請の方法』を教えてくれない雰囲気があり過ぎた。
WEBから『申請書をダウンロード』して窓口に持っていっても
「(自治体の)申請用紙が違うため、だめです。こちらに『手書き』で書いてください」と差し返された。
私が『彼』の代わりに書いていると、
『窓口担当者』に「ご家族ですか?」と聞かれ、
私は「違います」と答えると、「家族か本人以外はだめです」と咎められた。
そんな場合、私は「彼は、病気が悪化していて、自分で書くことは出来るが、相当な労力を要するし、私が代筆すれば、30分で終わるが、彼だけだと1日以上かかってしまう。代筆している内容や受けた説明は十分に理解しているし、それでもだめな理由はどこですか?また、私は私自身を代理人欄に記入してもダメなんですか?」と答えている。
残念なことだが、それでもすぐにはOKをもらえない。大体が次に言われることは「『有資格者』かどうか?」を問われる。「資格がないからダメ」が意外と多かった。
そのあたりを調べてみた結果、「大まかに言うとお金をもらって仕事で行うことはできないが無償だったらダメではない」と理解した。
また、本人以外が行うと提出書類は増えるが、『受け付けない選択肢』は制度上なく、『運用する人の仕事が増える』だけだと感じた。
『彼』を手伝って得た『こと』 『彼』を通して見えた『真実』
今の『彼』はいろんなものに『ぶつかり、はみ出し、時には立ち止まり』
ながら、ゆっくり生きている。(彼にとってはいつも全力疾走!)
彼と過ごした時間が『自分にとって大切なこと』と言える『こと』に感謝したい
私は今でも『彼を助けた』とは思っていない。逆にこれまでの人生で
『誰も教えてくれないこと』や『日本の制度も素晴らしいこと』に気づくことができた。
確かに『夫婦別姓』や『障がい者雇用』や『年金』や『低所得者層の支援』
『学力格差』や『年収格差』など問題は多い。
しかし、トータルで比較して『発表してくれるマスコミ』がいない事で、
「どれだけ良くなっているかが伝わりにくい」と感じた。
(逆に明治時代から変わっていない法律や制度も伝わりにく)
そして、何よりも『悪意のある人間よりも善意のある人間が多い真実』に気づけたことが何よりも大切な出来事だった。
『真実』の大切さを『彼と一緒に』経験できたことが、何よりも変え難い財産。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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今日も、誰が見ても「綺麗な言葉」が溢れますように
それでは、また、・・・◯◯
誰が見ても「綺麗な言葉」を紡いでいきたいと、理想を、希望を胸に。 日々精進しています。 どこかの、だれかのために役立てれば幸いです。 そんな私に少しの勇気をください。 ・・・◯◯