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二重生活、を観た!

制作:2015
監督:岸善幸
撮影:夏海光造
出演:門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー
■あらすじと感想
哲学科の大学院生の女性が「実存」を探しての論文テーマとして、「理由ない尾行」を行う。尾行の相手の行動様式に空っぽであった自分自身の存在を見つけたように「楽しみながら」執拗に「理由ない尾行」を続けた結果、変哲もない個人の生活にある「物語」を発見する。

この映画を支配する空気感は、物語ではなく「俺は見たい」と叫び続けている夏海カメラマンの好奇心。追いかけたり、覗いたり、怖かったり、ドキドキしたり…、全てはカメラマンの好奇心に支配されているような気がした。それぐらいに強い映像です。この物語が「哲学的な尾行」ではなく「青春のサーフィン」映画だったとしても、カメラマンの好奇心の空気を感じるのではないだろうか?

果たして主人公は門脇麦で良かったのだろうか?あまりにハマりすぎて予定調和が否めません。「哲学」「尾行」が似合わない人に演じてほしかった気がする。そうするとカメラマンの好奇心に負けなかった気がする。「じゃあ、誰がいいのだ!」と言われても答えに苦しむが、例えば、尾行しても絶対にも見つからないと思われる「安藤サクラ」。立派な論文を書いてくれそう。例えば、計画的に尾行して欲しい!と思ってしまう「前田敦子」かな?両名とも映画の内容が変わってしまいますが…。でも、そのくらいのドキュメンタリー性があると夏海カメラマンの映像に対抗できるのではないだろうか?

印象に残った映像は、尾行から朝帰り後、ベッドで眠る門脇の横顔。いつも何かを考えているように思われる門脇が素直に描かれた数少ないカット。本当はどんな人なのだろう?
カメラマンならずとも好奇心をくすぐられるカットでした。
ではでは。

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