見出し画像

【同性カップルのマイホーム実例②】 二人の好きが詰まった北欧モダン注文住宅

こんにちは。まるもちです。

同性のパートナーハリコと二人暮らしをしています。二人ともLGBTQでいうとL、レズビアンカップルです。

前回の記事(私たちのマイホーム購入体験談)で書いた通り、「これからパートナーと家を買おう・建てよう」と考えている方に向けて、同性カップルの住まい実例を伝えたいということで、今回はSNSつながりで仲良くさせてもらっているTさん&Hさんカップルの住まいを紹介します。

2023年1月にお邪魔したのですが、もうね、めちゃくちゃめちゃくちゃ素敵で居心地のいいおうちでした…!!
(※以下の内容は、事前にお二人に見ていただき掲載OKをいただいています◎)

---------------------------------

■お二人の基本情報

家族構成:Tさん、Hさん、ねこちゃん、わんちゃん
居住地:千葉県
物件:注文住宅
仕事:お二人とも都内にお勤めの会社員
趣味:注文住宅を機にインテリア沼へ、最近はキャンプ沼へ
お付き合い歴:約7年

■北欧モダンな注文住宅

お二人が暮らすのは千葉県郊外、"住みやすい街"としてよく知られるエリアです。駅前には便利な大型商業施設がそろっていて、少し歩けば閑静な住宅地が広がります。
お二人の家も綺麗に整った分譲住宅地の中にあり、防犯上外観は載せませんが、彼女とわくわくしながらおうちに上がらせてもらいました。

外観も素敵ですし、玄関を一歩入ると、もうそのままドラマに出てきそうなセンス溢れるおしゃれ空間でした…!

自然光がほどよく差し込み、木のあたたかみを感じるLDK。インテリアのコンセプトは北欧モダンだそう。ブルーのアクセントクロスが印象的です

お二人が選んだハウスメーカーは、デザイン性と、高気密・高断熱などの住宅性能の高さが特徴のS社。家で過ごす時間を快適に自分たちらしく楽しみたい方が選ぶイメージがあるハウスメーカーです。

椅子はデンマークの巨匠ハンス・J・ウェグナーの名作、Yチェアですね…! 掛け時計、絵画、ペンダントライトも、一つ一つに個性がありながらお部屋全体の統一感があってとにかく素敵っ(テンション↑ )

北欧モダンの基本は、木などの自然素材を生かすこと、シンプルで飽きのこない機能美、遊び心のあるやさしい色使い、などでしょうか。日本でもずっと人気のあるインテリアテイストです。

写真を撮りそびれてしまいましたが、キッチンはWOOD ONEの木製システムキッチンで、デザインも性能もお値段もハイクラス…! 無機質になりがちな水周りも木の質感でやわらかい印象になりますね。個人的に好きなキッチンメーカーなので惚れ惚れしてしまいました。

■どんな間取り?

2階建ての注文住宅。大まかな間取りを教えてもらいました。S社の家は断熱性能が高いので、部屋の仕切りが少なく開放的な雰囲気です。

1階 平面図:玄関を入ってすぐの広々とした土間スペース(テラススペース)、とても使い勝手がよさそうです。内と外をゆるやかにつないでいます

ゆったりした土間スペースは自転車やアウトドア用品を置けたり、わんちゃんの大きなゲージスペースになったり、フレキシブルに使える空間です。2階からの自然光が入るよう天井は吹き抜けになっています。

撮影後はゲージから出て元気に遊んでくれたわんちゃん。土間スペースの壁の材料は木質で、木の節を絶妙に残した塗装仕上げになっています
2階 平面図:コロナ禍以降の設計だったこともあり、2階にはお二人のテレワーク用スペースがあります
趣味やテレワークにも使えるワークスペース。背後の書棚にはTさんが学ばれていたという美術関連の書籍が並び、モデルルームのようなおしゃれ空間…!

2階にはまるで図書館のようなライブラリーコーナーもあり、お二人の本が並んでいました。時々おこもりスペースになるんだとか。
お二人の「こんな暮らしがしたい」というイメージがきちんと設計に反映されているんだろうなと感じました。

リビングに出ていたアウトドアボックスがえらく気に入ったらしいねこちゃん。お二人にとってねこちゃんとわんちゃんは「子どもみたいな存在」だそう(ハリコ撮影)

■ハウスメーカーには二人の関係をどう伝えた?

住宅展示場でたくさんのハウスメーカーを回ったというお二人。不動産会社やハウスメーカーに「同性カップルです」と伝えて相談するのは結構ハードルが高いものですが、お二人はどのようにされたのでしょうか?

Tさん「私は普段、職場などではクローゼットですが、お話しした各ハウスメーカーの担当さんには、はじめから全員にカミングアウトしました。家のことを相談する以上その方が話が早いし、LGBTに対する反応も分かるので」

あからさまな偏見や差別といった反応はなかったものの、ある営業の方には他のお客様にも聞こえそうなくらいの大きな声で「全然大丈夫ですよ!僕の知り合いにもゲイの人がいてーー」と返されたこともあったそうで。悪意はないのでしょうけど、対応は全然大丈夫じゃないよお兄さんーーっ。

■担当さんとの相性はとても大事

そんな検討期間をへて、お二人とも口をそろえて「いい担当さんに出会えた」といいます。

S社の女性の営業担当さんと設計士さんのコンビが最強だったそうで、過去に社内で同性カップルの相談事例もあり、二人の要望を汲み取ったプランをきっちり提案してくれたとのこと。

Hさん「彼女(Tさん)の方がインテリアに詳しいこともあって、夢がどんどん膨らみがちで、財務大臣の私は大変でした(笑)」

予算が厳しいときは、担当さんが「どうやったらやりたいことを予算内で実現できるか」を一緒にあれこれ頭を悩ませてくれたそう。
注文住宅はとかく思っていたよりも費用がかかる…!となりやすいので、担当さんが同じ目線で考えてくれるのはありがたいですね。

注文住宅の検討を始めたのが夏頃。毎週末打ち合わせを重ね、8ヶ月ほどたった春頃にお二人のマイホームは完成しました。

■注文住宅、二人はどのように住宅ローンを組んだの?

同性カップルが家を買う場合、一人でローンを組むパターンと二人で組むパターンがありますが、お二人はペアローンを選んだそうです。
ペアローンにした理由は、二人分の収入を合算できるため融資枠が広がるため。また「二人の家」なので半々で出そう、という気持ちもあったそうです。
ちゃんと返済していけるのか、片方に何かあったときはどうするのか、不安もあったといいますが、がん団信付きのローンを選び、家づくりと並行してFPさんと相談しながら無理のない資金計画を固めていきました。

■近所の人にはどう伝えてる?

わんちゃんの散歩でご近所さんと顔を合わせることは多いものの、二人の関係は伝えていないそうです。
それでも日常的にわんちゃんやお庭の植栽の話をしたり、特別オープンにしなくてもいい関係は築けている様子が伝わってきました。

■家を建てたこと、会社にはどう伝えてる?

Hさんは職場では彼女との関係をオープンにしているので、家を建てたことも伝えたといいます。一方、Tさんは会社ではクローゼット。ただ、家を建てたことはそれとなく知られているそう。

Tさん「独身で注文住宅? もしくは親御さんと一緒に建てたのかしら? などと思われてるかもしれないですね」

職場によって風土も違いますし、どう伝えるかは皆さん悩ましいところのようですね…!

■もう一度建てたくなる注文住宅

かまってちゃんのわんちゃんも(かわいい)、自由気ままなねこちゃんも(かわいい)、集まった大人たちも、みんながくつろげる心地いい空間でした

一生の中でも特に大きな買い物である注文住宅。決めることもたくさんあり、ハウスメーカーとのトラブルも勃発しやすかったり、「疲れた」という感想を持つ人も多い中で、お二人が口をそろえて語っていたことが印象的でした。

Tさん「今の家にとても満足してるけど、できることならもう一回建てたいかも。家を作る過程が、彼女と担当さんとあれこれ打ち合わせするのが本当に楽しかったから」

Hさん「あと5回くらい建てたいよね、予算さえあれば(笑)」

お二人とも家づくりが本当に楽しかったんだなと伝わってきました。

さらにいい話だと思ったのが、つながりのあるLカップルさんからS社に興味があると連絡がきて、お二人が絶大な信頼を寄せる営業担当さんと設計士さんを紹介し、注文住宅を無事に建てられたというエピソード。
Lの家のことは身近に相談できる人が少なかったりするので、同じハウスメーカーのオーナー同士で情報交換できるのはありがたい存在ですよね。

S社の営業担当さんも「Lカップルさんの家をあと10件くらい担当したい」と仰っていたのだとか。我が家もいつかこの担当さんにお願いしたい(笑)。


本当にどのお部屋も素敵で、インテリアも小物雑貨もお二人の"好き"が詰まっている空間でした。

Tさん&Hさん、リアルな実体験をありがとうございました!

トップ画像:Tさん・Hさん撮影

---------------------------------

参考までに:
▽同性カップルの住宅購入、全体の流れや注意点をまとめたブログはこちら(パートナーのハリコが書いています)
https://lgbt-note.com/category/house/

▽同性カップルの住宅購入を中立的な立場でサポートする窓口。企画に私も関わったので載せておきます
【住まいの窓口  LGBTQマイホーム講座 】


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?