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LAMB感想

率直な感想は面白くない。
お金を払っているのだから考えて観ないといけないのかなぁという義務感について考えさせられる映画だった。
以下はこねくり回した結果の感想。
産まれたのはタブーでもなんでもない、ただの生き物だった。
ただの羊はトラウマもあって怖いが、アダはわりと可愛かったと思う。

大まかな感想


他人が育てた子どもを勝手に奪って育てる映画。おばあちゃんがお母さんの子どもを攫ってお母さんを殺したりすることを考えると恐ろしい。自分達に何か事情があっても許されないだろう。最終的に相手からも同じだけの親ムーブで仕返しされる。どっちの気持ちもわからんでもない。自分が親になったりしたらわかるかどうか。お母さん羊だしなぁ。

1章


ただひたすらに雰囲気映像。
雄大な自然と何か起こりそうな怖い雰囲気。
正直怖い映像がいつ来るのかとビクビクしていたので、あまりここを掘り下げることができない。本編の考察よりも自分の中で膨らませた恐怖が勝つ。
あとここでも広告の記憶が鬱陶しい。産まれた羊の子どもにハッとした表情の2人だが、お披露目はまだ先なのに、もう知っている。そういうことを映画館で考えたくないけど、最近はいつも考えている。現実から離れて、没頭できない。
後のシーンでお尻が出て、おーそういうことかとなる。
お父さんがトラクターで泣いていたのはつらかった。なんかわかる気がするけどわかるはずもなく、ただただつらい。

2章



なんか夫婦の仲が改善されてる気がする。叔父さんも登場し、家族の物語といった風情。それぞれの葛藤、アダを受け入れ、自分の生活を受け入れる作業。ここはわりとハートフル。心温まるシーンも多かったが、何か違和感がある。何歳なのかはわからないが、アダを放っておく様なシーンがたまにあった。本当にその子の親ならそんなことをするだろうか。田舎で他に誰も入って来ようがない家だからそういうことができるのだろうか。とにかく本当の子どもへの対応ではないと感じた。結局奪って育ててる他人の子どもだからかもしれない。

3章



叔父さんも追い返して、いよいよ邪魔者が居なくなったと思ったがまさかの展開。
もともと黒魔術の様なものが関わっていなければアダの様な生き物が生まれることは無いだろうと思っていたのでその様な伏線がないか確認していたが、無かったのでおかしいなぁと思っていた。単純に親も同じだったのでそういう種類らしい。銃も使える。
最終的にアダをもぎ取って去っていくのだが、どこへ。素っ裸だし、家は洞穴とかだろうか。服も着ていて家でぬくぬくと生活していたアダは耐えられるだろうか。心配。


全体を通して



もともと自分の中でアダの知能がどの程度なのか気になっていた。でもそれが自分よりも高くないんじゃないかと羊の頭なので思ってしまった。猫を抱きしめて椅子に座ったり、お皿を持ってきたりするところを見ると、かなり優れていそうなものだが、それでも子どもだとたかを括っていた気がする。
3章で今までの1、2章は茶番で、本当の親からしたら不気味で恐ろしいし、腹も立つのでとっとと息子を返せという具合だろう。母親まで殺されている。この犯罪者たち許せん。


映画を見る

それでもこの映画を見るにあたって、考察をするかどうか決められるのは自分であり、自分がそういう目で見なければ深い作品とも思わず大した感動もないだろう。
今後映画を観る際の姿勢について考えさせられた。
お金も払っていることだし、時間も使っているので、手放しで楽しむばかりではなくたまには考えたりもしようと思う。選ぶけど。

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