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【まーる図書館便り】今月の新刊を紹介(2023年9月)

まーる図書館チャレンジ分館で新刊!

今月はこんな本がリリースされています!是非、借りに来てくださいね。

❶52ヘルツのクジラたち/町田そのこ(著)

2020年に刊行され、2021年の本屋大賞の大賞を受賞した本作は、様々愛の形と愛の歪みを描いたハートフルな作品になっている。孤独を求める主人公の新たな出会い。新たな人間関係の中で向き合わなければならない過去の苦悩。それらを通して明らかになる衝撃的な過去。なぜタイトルが「52ヘルツのクジラたち」なのかは、物語の後半で語られます。

❷人生の教科書 よのなかのルール/藤原 和博 (著), 宮台 真司 (著)

なぜ人を殺してはいけないのか?という普遍的な問いから序章が始まる本作は、現代の社会のルールを非常に理解しやすく説明している。中学生くらいの子供がいるならぜひ読ませたい一冊。特に終章の「意味なき世界をどう生きるか」はおすすめ。物語よりも体験が重要で、反社会的な要素もバランスを保ちつつ許容する考え方を提案しています。

❸奴隷のしつけ方/マルクス シドニウス ファルクス (著), ジェリー トナー (著), 橘 明美 (翻訳)

著者のマルクス・シドニウス・ファルクスは、何代にもわたって奴隷を使い続けてきたローマ貴族の家に生まれた、とされる。が、これは架空の人物である。著者はケンブリッジ大学の古典研究者であり、この本の執筆にあたって、ローマ時代の貴族が自らの知見を語るという体を取っている。ここからも分かる通り、かなりユーモアがあり、切り口が面白い。例えば第3章では自分の奴隷を情婦にしてもいいのか、というような「奴隷と性」についても語られます。

❹モーターサイクルダイアリーズ/エルネスト・チェ・ゲバラ

若き日のチェ・ゲバラが旅を通して、南米の貧困を目の当たりにしていく冒険譚。いかにしてゲバラが革命家となっていくのか、その原点が垣間見れる一冊。ジョン・レノンが「1960年頃、世界で一番かっこいい男がチェ・ゲバラだった」と語っているが、この本を読むと確かにそう思います。

❺最後の冒険家/石川直樹(著)

この本を開くまで、冒険家の神田道夫さんという人を、「風船おじさん」と呼ばれた方だと勘違いしていた。読後、非常に申し訳なくなった。神田道夫さんは紛れもなく正真正銘の冒険家であり、風船おじさんと呼ばれた人物とは、エベレストと裏山くらいの差がある。本作は、第6回開高健ノンフィクション賞を受賞しています。

❻博士と狂人/サイモン ウィンチェスター (著), 鈴木 主税 (翻訳)

41万語が収録された世界最大の英語辞典『オックスフォード英語大辞典』がいかにして作られたのか。世界最大、最高の辞書を作ろうとする言語学者マレー博士には、書簡で極めて質の高い辞書原稿の材料を送ってくる協力者がいた。彼は自分の身元を隠しており、どこから手紙が届くのかも全く不明であったが、天才的な能力を持った言語学者であることは間違いなかった。マレー博士は辞書の発売に向けて、この謎の人物を探し始める。そしてこの人物が実は、施設に収監された殺人犯であるという驚きの事実に辿り着く。彼は一体何者なのか?なぜ、天才言語学者が殺人犯になってしまったのか?そして、辞書編纂の中心人物であったマレー博士と殺人犯の天才言語学者の生涯を追いかけたノンフィクション。ちょっと読みにくいところもありますが、知的好奇心がくすぐられる作品です。

(了)



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