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スラマッパギ!まるです。

梅雨後半の豪雨も、ようやく抜けていったんでしょうか。
少しずつ暑くなってきましたね。

さてさて、引き続き「着物の決まりごと」のお話です。

一般的によく聞く「着物の決まりごと」の一つに、

『「袷(あわせ)、単(ひとえ)、薄物(うすもの)」を着る時期』

と言うのがあると思います。

一般的には

10月〜5月までが「袷(あわせ)」
6月、9月は「単(ひとえ)」
7,8月は「薄物(うすもの)」


と言うふうに決まっています。

ちなみに

「袷」とは、裏地がついたもの
「単」とは、裏地がつかないもの
「薄物」とは、透け感があるもの


と覚えていると、だいたい大丈夫。

今でも6月1日と10月1日が「衣更(ころもがえ)」とされていて、学生さんの制服が変わる日にもなっていますね。
この日を境に、着物が袷から単に、単が袷に替わっていたんですね。

はっきりした四季があり、季節感を大切にする日本ならではの風習かと思います。
空気の変化に敏感に、四季の移り変わりとともに衣服を替えていくなんて、とっても素敵!

「源氏物語」なんか読んでいると、屋敷に閉じこもっている姫たちが、庭の草花や空の色などから感じ取れる季節の移り変わりにしたがって、衣の色を替えたり、着物の生地を替えていったりを楽しんでいた様子が垣間見られて、「ああ、素敵だなあ〜」と思います。
(ちなみに、大和和紀の「あさきゆめみし」で源氏物語の世界を学びました。フランス革命は池田理代子の「ベルサイユのばら」がバイブル。)

でもさ。

根本的なこと言うと、
昔は「太陰暦(旧暦)」、明治以降は「太陽暦」を使っている関係で、今と昔じゃ、まるっきり季節がずれてるから!

ざっくり言うと、今と昔ではだいたい季節が1ヶ月、ずれている感じ。(正確にはちゃんと換算しないと出てきませんが)

暦の関係でも今と状況が違うんだけど、もっともっと現実的なことを言うと、

今は昔の日本と、気候がぜんっぜん違うから!

アスファルトの照り返しも、ヒートアイランド現象もエアコンの室外機からでる熱風もなかったから!

今は、9月っていっても猛暑日連発の暑い日が続くし、5月のゴールデンウイークあたりでも、真夏のような暑さの日がある。

どんどん、私たちを取り巻く環境は変わってきているんだから、「衣替えの決まり」を無理に守る必要はないと思います。(下手すると命に関わるかも)

ただ繰り返しになるけれど、お相手がある改まった席では、決まりを守っておいたほうが無難でしょう。

と言うか、今や逆に、式に着るような着物を、季節に合わせて「袷、単、薄物」と三種類用意している人の方が少なくて、全て「袷」の着物一枚で使いまわす人だって多いと思います。

私は今のところ、訪問着や色無地は「袷」のものしか持っていないので、基本的に「袷」の時期以外に改まった席に出席する場合は、洋服で出席するようにしています。

要は、使い分けですよね。

普段に着るような着物では、ガチガチに決まりを守る必要はなくて、洋服と同じように「自分が心地よい」と感じる着物を選べばいい

でも改まった席に着物で出席したかったら、ちゃんと決まりは守った方がいい。

ただ、「絶対着物を着なきゃ!」と肩に力を入れる必要はなくて、決まりを知った上で、今回はルール通りできないな、と思ったら、その時は洋服で失礼のない格好をすればいいと思います。

「決まりは絶対守らなきゃ!」とガチガチに考えすぎないで、「守るべき時、ところ」「自由で構わない時、ところ」をしっかり把握しておけば大丈夫。

洋服と同じように考えればいいですよね。

目上の方と会う、改まった席、お茶会など
フォーマル、ブラックフォーマルを着るべき場所


は、着物も着るものを気をつける必要があります。

しかし、それ以外は自由!自由!好きにしていい!

そう考えると、着物の決まりを守るべき場所って、ほんの氷山の一角、ですよね。

その氷山の一角の決まりごとのために、「着物って決まりが厳しい〜!」なんて思う必要は全然ないんですよ!

だからね、もっと気楽に!
最初だけ、ちょっと勇気がいるかもしれないけど、
ぜひ、着物着てみてね!

では、また次の記事で!

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