沖花マル

踏み込んだ読書感想文を書きたくなった時用に作成しました。 ネタバレしかないので、元にな…

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踏み込んだ読書感想文を書きたくなった時用に作成しました。 ネタバレしかないので、元になっている本を読んでいる方推奨です。 SNS初心者です。

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太宰治『きりぎりす』読書感想文 なぜコオロギがキリギリスになるのか

太宰治『きりぎりす』は1940年(昭和15年)に『新潮』に発表された短編です。 以前から、この作品では ・最終部分で、なぜコオロギがキリギリスになるのか について、曖昧にされてきた気がするのですが、今回はこの点に絞って書いてみます。 ネタバレ前提になりますのでご注意ください。 〇太宰治『きりぎりす』のあらすじ主人公は、清貧を愛する妻です。 彼女は裕福な家の出でありながら、19歳の時に「私でなければ、お嫁に行けないような人のところへ行きたい」と思い、その絵に感銘を受けて、売

    • 太宰治「葉桜と魔笛」 本文と矛盾するタイトルの意味

      はじめまして。 最近インスタグラムで読書記録をはじめたのですが、もっと書きたいものが出てきたときは、noteで書いてみることにしました。よろしくお願いします。 ------------------------------------------------------------------------------------ 葉桜と魔笛は、太宰治の初期の短編で若い二人の姉妹が主人公の作品です。 ただ、その内容は謎に感じる部分も多く、タイトルの「魔笛」についてもあまり語

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