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「正義の申し子」を読んで|読書感想文

スコットランドから一時帰国のまると申します。

「正義の申し子」をアマゾンオーディブルで聴きました。
この作品はエンターティメント小説です。

●この小説をおすすめしたい人

遊園地に行ったら、ジェットコースターに真っ先に乗りたい人、スプライトみたいな炭酸飲料を飲んだあとのような爽快感がほしい人におすすめします

著者は染井為人さん。本作品を含め3作品読みました。全部おもしろいです。彼の全作品を制覇したいと思っています。

Amazonオーディブル
タイトル:正義の申し子
著者:染井為人
ナレーター:大久保多聞
再生時間:11時間13分

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あらすじ


学生時代はキモいとクラスメートに避けられ、いじめられていた純。彼は引きこもりになる。家族からも距離をおかれ、孤立してしまった純だが、実は人気者ユーチューバーだった。

コミュ障の純はタイガーマスクのマスクを被り、純からジョンというニックネームでユーチューバーの活動をしていた。
純はマスクを被ると人が変わったように饒舌になるのだった。

マスクを被ったジョン(純)は正義のユーチューバーと名乗り、世間を困らせている悪徳業者に電話をして懲らしめる活動の動画をながし人気を得ていた。

懲らしめた悪徳業者のひとりが関西からジョン(純)を捕まえようと動き始める。

感想


染井為人さんの作品をはじめて知ったのは「正体」でした。小説「正体」がふかく深く心にささる話なら、「正義の申し子」は登場人物にまた会いたいと思う作品なの。

おそらく著者はこの小説を映画化することを意識して書かれたのではないかと推測します。いや、ぜったいに映画化するべき!と思う作品。

コミュ障の純がマスクを被るとジョンに変身、別人に変わる。その様子がすっごく面白い。どう表現すればいいのだろう。
分かりやすく言えば仮面ライダー電王みたいな感じなのだ。ここで仮面ライダー電王を知らない人、忘れちゃった人に解説するね。

仮面ライダー電王
仮面ライダー良太郎役は佐藤健
いつもおろおろしてるコミュ障男の良太郎にイマジン(未来の異なる時間軸からやってきた精神エネルギー体)が良太郎の身体を借りて、悪者と戦うストーリー
イマジンが良太郎の身体にはいると、全く別人のキャラに変わる。

読み始めは純のキャラに寄り添うことができず、なんか危ない奴として話がすすんでいく。この著者のすごいところは読者に不快感を最初にあたえるキャラを登場させるけど、いつの間にか登場人物に愛着を持たせてしまう。

染井さんの作品は悪と善を描くのが上手。どの小説も読みすすめていくと、何が悪で何が善なのか分からなくなるの。そこがすっごく面白い。

この小説のユーチューバーのモデルは誰?


あとがきからユーチューバーと対談したことが、この小説を書くきっかけとなったと書いているよ。

対談まえにYoutubeで動画をいくつか観たあとに実際に会ったユーチューバーはまるで別人で驚いたそう。

そのユーチューバー本人もカメラの前に立つと人格が変わると認識していたそう。マスクを被った人気ユーチューバーってさ、あの人しか考えられないよね。

人格を変えることは誰でもできる

「正義の申し子」の純はマスクを被ると人格が変わる。この小説のもとになったユーチューバーはカメラの前に立つと人格が変わる。ジョーカーもメイクで変わる。

考えてみると、自分だってどこかで変えているかもしれない。いや変えてるよ。どこかで人格スイッチをカチリと回し、またもとに戻したり。人間なんてそんなもん。

おわり

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