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思いやりの矛盾

今日は平日だけど夫がお休み。

夕方から少し予定がある以外は
私も夫も何もない1日を予定していた。

昨日の私たちは
朝起きれたらどこかに散歩しようか
という会話をしていたが、
そもそも私が一睡もせず朝を迎えてしまった。

このまま起きておくかとも思ったけど、
寝ないとしんどくなるという夫の助言を受け
1時間だけ仮眠すると言った矢先
起きたら15時だった。

眠いだろうと思って起こさずにいてくれたらしい。

これは土日にもよくあるパターンで、
私が夜更かし午後まで寝ていても
夫は私を起こさない。

一人でゲームしたりテレビ見たりと過ごしている。

だけどいつも決まって思うことを今日も思ってしまった私がいた。

せっかくの2人でお休みの日に午後まで私が寝ていたことで、貴重な時間を奪ったのではないか。
今日もつまらない1日だったと思わせてしまったのではないか。
悲しんでいないか、怒っていないか。

夫に楽しんでもらえる時間を無駄にしたと思っていた。

起きて早々ごめんと何度も謝った。

だけど夫は何が?と言うだけで私を責めることはなかった。
というより今までこの件で一度も責められたことはない。

私がなんで謝ってるかを伝えても
ゲームできたし全然いいと言ってくれる。

夫は何も気にしていないようだが、
私は罪悪感に満ちていた。

でも逆の立場だったら私も特に何も思わない。

疲れてるんかなとか、別に予定ないしなと思う。

相手の気持ちを考えているようで考えていないのかな。

同じような状況が前にもあった。

1年目で接客業に携わっていた時、
お客様案内テストの最中私はお客様役の上司に『今のところ不安はないか』と度々聞いていた。

でもそれは気づかずではなく意図的にしていた。

私自身納得していないことやわからないことがあってもあまり聞くことができない。

後からここ聞いておけばよかったなどと後悔することもざらにある。

だからこそカフェやお店、友人でも
不安はあるか、困っていることはないかと
都度聞いてくれる人に感謝することが多く、
沢山助けられてきた。

だから私のように不安を聞けず後悔することをお客様にはさせたくなくてわざと何度も聞いていた。

だかテスト終わりに上司からは
『不安がないかと何度も聞くことで、こちらが何か間違ったことをしているか逆に不安になるから聞かなくていい』とアドバイスをもらった。

その時の私はその言葉をうまく受け止めきれなかった。

私は他人の気持ちを察することが得意だと思っていたから。

だって実際私は沢山聞いてもらうことで嬉しいと感じるんだもの。

きっと聞かなくていいと答える上司に接客をされると、私は不安を言えずモヤモヤしていたに違いないとさえ思っていた。

普通に友達と話している時も、
アルバイトで接客している時も、
外を歩いている時も、
こうした方が嬉しいかな?
悲しいのかな?
迷ってる?と言う風に
言葉に出さずとも相手の気持ちが見えるように
気づくことが多かった。

結果として
なんでわかったの?すごいね。と
褒めてもらうことも多かった。

だけど今となっては本当に察することができていたのかわからない。

だって相手の気持ちは相手にしかわからないことだから。

午後に起きた私のせいで夫は怒っているだろうなと私は思った。
不安はこちらから聞かないと言い出せないだろうなと私は思った。

全部主語が私になる。

相手の気持ちを察しているようで
本当はわたしが相手の立場だったらどう思うかという主観的な考えでしかない気がした。

だから
夫が何も思っていないと言っても、
お客様が不安はないと言っても、
本当は?と
自分の想像する相手の気持ちが
相手の本心だと思っていたのだろう。

相手の気持ちを察しているようで、
私は私ならこう思うだろうを押し付けていただけなのかもしれない。

そんな風にふと感じた。

私が得意と思っていたことはおそらく得意不得意という軸でわけられるものではない。

それが正解だったかどうかは相手にしかわからないことだから。

誰しもが思うことを察したと思っていただけかもしれないし、
私が不安を言い出せない時があるように、
わたしが想像した相手の気持ちを
相手がくんで演じてくれていただけかもしれない。

しいて言うなら私は観察することが得意だったのだろう。

相手のことを察する、
相手を思いやるってなんなんだろう。

きっと正解はなくて
人それぞれの思い方があるんだろうな。

どんな時でも笑顔でいる人、
自分の意見を聞いてくれる人、
自分の考えを伝えてくれる人、
きっと全部思いやりになるんだろうな。

思いやりの方法に正解はない。

あくまで自分ならという主観のもと
自分の考えで行動するしかない。

それが正解だったかどうかは
自分に分かりうるものではない。

他人の気持ちは他人にしかわからない。
正解だけを選ぶことはおそらくできない。

そう思うとなんだか外面仮面の重さという気持ちが少し軽くなった。

とりあえず私はそのことを胸におきつつ
目の前の相手をちゃんと観察しようという
気持ちだけもってみることにした。

夫にはこれから
ごめんと言う前に
怒ってる?と尋ねてみることにしよう。

夫よ、聞いてくれと話し出すと
そんなことで悩んでたん?と笑ってそうな気もするが。

あくまでこれは私の想像。

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