ホイラーの法則
ホイラーの法則とは
1.ステーキを売るな、シズルを売れ!
2.手紙を書くな、電報を打て!
3.花を添えて言え!
4.もしもと聞くな!どちらと聞け!
5.吠え声に気をつけろ!
1.ステーキを売るな、シズルを売れ!
「シズル」とは、ステーキをジュージューと焼く音のこと。
人はステーキそれ自体ではなく、それを焼いた時のジュージューという音に欲求が生まれ、ついついヨダレが出てしまう。
つまり、シズルとは「顧客が欲しくなるセールスポイント」の比喩表現のことをいう。
つまり、シズルとは「顧客が欲しくなるセールスポイント」の比喩表現。
例)
【電気掃除機のメリット(特徴)】
・絡まないコード
・扱いやすいハンドル
・抜群の吸引力
・軽快な走行性
【電気掃除機のシズル(利益)】
・手間がかからない
・早く掃除ができる
・よりキレイになる
・より健康になる
※「メリット(特徴)」と「シズル(利益)」がそれぞれ対応
このように、構造・仕組み・値段も大切だが、それよりも顧客が得られる未来を得ることの方が何百倍も大切。
コツ:相手の欲するシズルを売る
→シズルだからといって、
全てのシズルが顧客に刺さるわけではない。
「顧客が求めているシズルは一体どれなのか?」
をしっかり探り当てる必要がある。
商談前のリサーチや商談中のヒアリングがものすごく大切。
2.手紙を書くな、電報を打て!
【手紙と電報とは】
手紙=だらだらと長い文章をしたためたもの
電報=大切なメッセージが単刀直入に書いてあるもの
たとえば、商品・サービスの特徴などを、ただダラダラ話している営業マンに魅力は感じない。
つまり、「電報のように、伝えたいことを端的に伝える営業をしましょう!」ということ。
コツ①:アプローチは短い言葉で
人々は営業マンの評価をものの数秒で決めてしまう。
だから、顧客の心を一瞬で掴まなければならない。
例)ダラダラ営業マンは売れない
たとえば、商品の特徴などをだらだらと話している営業がいたらどうか
おそらくイライラしたりつまらない。
そうならないためにも、手紙形式ではなく、
電報形式で言葉を届ける必要がある。
では、先ほどの電気掃除機を売るときはどうするのか?
【電報営業】
ワイヤレスなので、もう掃除にストレスを抱えることもありません!
抜群の吸引力で、目に見えないホコリも完全に吸い取ります!
走行性が増したことで、もう腰を悪くすることもありません!
※ポイント※
たとえば、上記で説明するのであれば、「ワイヤレスなので!」「抜群の吸引力で!」など。
電報の冒頭であえてキャッチーな謳い文句を持っていくことで、インパクトを与えることができるようになる。
コツ②:セールスは3分以内で
たとえば、電報形成のアプローチにより、
顧客は興味を持ち立ち止まってくれたとする。
しかし、ここからが営業マンの勝負。
ここから約3分で、
契約を取り付けるまでにいかなければならない。
ポイント
なるべく10語以内にシズルを伝えるようにする
※10語では長いくらいだが
例)
「ワイヤレスなので!」「抜群の吸引力で!」
3.花を添えて言え!
→言葉だけではなく、動作や表情を使って言葉を強化
【花とは】
たとえば、ただ言葉だけで「誕生日おめでとう!」と伝えるより
も、花束と一緒にその言葉を伝えた方が、より一層伝わる。
→つまり、ここで言う「花」とは、言葉以外の動作や表情のことを指す。
※動作・表情=非言語情報
コツ①:五感を刺激する
たとえば、電気掃除機を売るのであれば、
・ワイヤレスなので、掃除にストレスを抱えることはない
・走行性が増したので、もう腰を悪くすることはない
と伝えるだけではなく、実際に使わせること。
そして、最後に「どうですか?使いやすいでしょ!?」
と顧客のYESをとっていく。
このように、商品を売る際は、顧客に「見せる!触らせる!つかませる!嗅がせる!味あわせる!」ということが大切。
コツ②:態度を意識せよ
商品のシズルを理解し、キャッチーなフレーズで顧客にメッセージ
を届けたとしても、態度という名の花がネガティブなものでは販売
は成立し得ない。
例)態度が悪い営業マン
下記のような営業マンから商品を購入しようと思うか?
・動作がノロノロとしている
・カウンターにもたれかかっている
・顧客の前で平気であくびをする
・顧客からの質問にイライラとした表情をする
・服装や靴が汚れている
・高圧的な態度で話す
よっぽどのことがない限り買わないと思う。
それだけ言葉に添える花は大切。
補足:メラビアンの法則
→話し手が聞き手に与える影響を3つに分け数値化した概念
メラビアンの法則は、「花を添えて言え!」を科学的に説明した概
念と言える。この法則を簡単に説明すると、
“人は言語情報ではなく、非言語情報に支配されやすい”
ということ。
※言語情報:7% 視覚情報:55% 聴覚情報:38%
たとえば、眉間にシワを寄せて(視覚)、大きな声で(聴覚)「よく
やったな!」(言語)と言われても、褒められていると感じない。
つまり、花を添えて情報を伝えないと、それを肯定的に受け取っても
らえない。
なので、営業やコミュニケーションを行う際は、非言語情報に気をつ
けるようにする。
4.もしもと聞くな!どちらと聞け!
これは、クロージング時に「買うか?買わないか?」を迫るのではなく「どちらにするか?」で迫ろう!ということ。
【誤前提暗示】
二者択一の質問により、「YES」に導くテクニック
人はもっともらしい「前提」「選択肢」が与えられると、その選択肢の中から判断をしやすいという性質がある。
なので、商品を販売する際は、「AとBのどちらにいたしますか?」と質問をするとよい。すると、顧客は無意識のうちにその中から選択しようとするので、契約率を高めることができるようになる。
コツ①:「!」型の営業→「?」型の営業
売れない営業は、ビックリマーク型の営業をしていることが多い。
例)
・絶対に大丈夫です!
・私は信じています!
・〇〇さんは〜すべきです!
こんな感じで、断定的な物言いをする営業であることがほとんど。
【ブーメラン効果】
→説得をされればされるほど、逆の思考・行動を取りたくなる心理傾向。
つまり、断定的な物言いをしてしまうと、逆に購入意欲が低下してしまう。
例)お母さんに「勉強しなさい!」と言われれば言われるほど、勉強したく
なくなることは?
これは、営業でも全く一緒で、商品・サービスを勧められれば勧められ
るほど、購入したくなくなる。
コツ②:欲しい答えが返ってくる質問をする
クロージング時で大切なことは、「いつ」「何を」「どこで」
「どんな方法で」お求めいただけますか?と聞くこと。
(ダメなパターン)
まずは、欲しい答えが返ってこない質問
・この掃除機はお気に召しましたか
・実演してみましょうか?
・いかがでしょうか?
→これらの質問は、全て「NO」という選択肢を与えることになってしまう。
(良いパターン)
次は欲しい答えが返ってくる質問
・きっとお気に召すと思いますが?
・AとBのどちらにいたしますか?
・いつ頃、お届けいたしましょうか?
・お支払い方法はいかがいたしますか?
現金でしょうか?クレジット払いでしょうか?
→これらの質問は、どれをとっても「YES」に導く質問となる。
コツ③:「なぜ」の質問を繰り返す
クロージング時に顧客が反論(商品を買わない理由を伝えること)
をしてきたら、その反論に対して「なぜ」と問い続けるようにす
る。
この手法は、契約率を高める上で非常に効果的。
なぜならば、反論に「なぜ」を繰り返し投げかけることで、徐々に顧客が本当に購入しない真の理由を明確にすることができるため。
例)
「なぜ高額だと思うのですか?」「なぜ検討されるのですか?」「なぜ他社と比べる必要があるのででしょうか?」という感じ。
止めの一言を!
そして、もしも本当の答えを見つけ出せたと思ったら「それが購入されない 唯一の理由でしょうか?」と質問をする。
その質問に顧客が「はい、そうです」と答えたらもうこちらのもの。
なぜなら、その反論さえ処理してしまえば購入確定となるから。
処理し終えたら、「これで〇〇さんがおっしゃっていた唯一の理由はなくなりましたので、ご購入いただけるということですね?」と畳み掛ける。
※注意
理屈のみの高圧的な営業になってしまい限界もある。
→たとえ購入になったとしても、クーリングオフやキャンセルの対象とな
る可能性が高い。
5.吠え声に気をつけろ!
→声を意識しようということ(※花を添えて言え!に被る部分も有)
【犬の気持ち】
吠え声とは、犬の「ワン!」という泣き声のこと。
彼らは泣き声と尻尾の振り方で様々なことを表現している。
【人間も一緒】
実はこれは人間も全く一緒。
伝えるメッセージは同じでも、声のトーン、大きさ、リズム、速さなどによって、全ての印象が変わってくる。
例)
「僕と付き合ってください!」と自信満々に伝えるのと、
「ぼぼぼ僕と…付き合ってください…」と自身なさげに伝えるのと、
どちらの方がOKをもらえる可能性が高いか?
他にも、「1〜4」のことをコンプリートしていたとしても、営業マンの声が小さく自身なさげだったら、それだけで契約を取り付けるのが難しくなるのは想像できる。
このように、伝えているメッセージは一緒でも、声によってその印象は全く違ったものとなる。
なので、話す時は「吠え方」に気をつける。
そして言葉の「振り方」にも気をつける。
コツ:話し方を操る
機械的で単調な喋り方にならないようにする。
※これは訓練すればどうにでもなる。
【話し方を訓練する】
もしも、「この人の喋り方はうまいなぁ〜」と感動する人がいたら、まずはその人の真似をしてみることがオススメ。
なぜなら、「〇〇な時は声のトーンを高くして〜、××の時は声を小さくして〜、△△の時はテンポを速くして〜」などと言われても習得が難しい。
たとえば、話が上手なYouTuberさんがいるのであれば、その人の動画をチェックして似せるようにする。
まとめ
ホイラーの法則を徹底することで、確実に契約率を高めることができるといわれて言える。なので、今意識できていない法則があるのであれば、徹底するようにしてみるといいかもしれない。
※参考著書等抜粋
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