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【Spoon】 「投げられる」と「聴かれる」の統計学:データとAIから見える人気配信の傾向

お世話になっています。まるです。

今回の記事では、音声配信アプリ「Spoon」について、人気配信者であるChoice/Voiceの方々のデータを分析しながら、その特徴を探ってみたいと思います。

※ 2024/3/16 Choice/Voiceの仕組みについて追記


はじめに:人気配信者のデータに基づく分析

音声配信アプリ「Spoon」で配信をする目的には様々なものがありますが、その中でも「人気者になりたい」という理由で配信を行うことは比較的ポピュラーなのではないでしょうか。

特にSpoonでは人気配信者が一目見て分かるように、「たくさんSpoonを投げられた配信者」にはChoice,「たくさん配信を聴かれた配信者」にはVoiceという称号が運営から与えられています。
様々な配信を聞いていると、この二つのバッジの獲得を一つの目標として活動されている方々をよく見かけます。

では、人気になりたい配信者が実際にChoiceやVoiceになるには、何をすればよいのでしょうか。
人気になる方法は人によって異なり、必ずしもこうすれば良いというものはありません。といえども、多くの人気配信者の動向を注意深く見れば、その間には何かしらの共通点やパターンが見えてくる可能性はあるでしょう。
そのようにして得られたChoice/Voiceの特徴の理解は、自身が人気になるための武器として役立てることができるはずです。

上記はChoice/Voiceに関する分析の、配信者にとっての利点ですが、リスナーにとっても人気配信者に対する理解にはメリットがあります。
一口に人気配信者といえど、そのスタイルはさまざまであることから、自分に合った配信を探すのは難しいことです。ChoiceやVoiceに書いて対する理解が深まれば、自分と相性の良い配信者の方を探す手助けになるかもしれません。

人気配信者に対する理解は、以上のように配信者とリスナー両方に利益があります。そのような中で、以前、自分は配信者の動向を実際に枠周りを行う中で観察し、その分類と特徴を定性的にまとめたことがありました。
こちらの記事も多くのSpoonユーザーの方々に読んでいただきました。読んでくださった皆様、大変ありがとうございました。

上記の記事では定性的な分析を行いました。数字にはできない感覚的な要素を含めて考察ができますが、その分、自分の主観や解釈が強く混じっている部分も多くあります。

今回は上記の記事とは趣向を変え、データと統計に基づく定量的な分析をメインとしてChoice/Voice配信者の特徴を探求してみたいと思います。
定量的な解析では、数字にできない雰囲気的な要素は考察できませんが、その分データに裏付けされた、より客観的な議論ができることが特徴です。
一体、Fan数や総Spoon数といった各配信者の数字としての特徴から、ChoiceやVoiceについてどのようなことが分かるのでしょうか。

本記事のデータに基づく定量的な分析結果が、ChoiceやVoiceの方々の実態把握の手助けになれば幸いです。

以下、注釈では主に分析や解釈に関する補足を記載します。
内容が難しい部分があるため、初めて記事を読む方は飛ばして読んでも構いません。

各バッジの定義おさらい

以下Spoon公式サイトを元に記載
https://spoon-support.spooncast.net/jp/search?keyword=Choice

Choice

ランクの説明(Spoon公式サイトより)

LIVE、CAST、メンバーズで受け取った全てのスプーンとハートを元に換算した数値にて選定されるランキングにて、月間上位410に対してバッジが付与されます。
ただし、運営のおすすめDJのLIVEには「Top Choice」「Choice」の110人のみが表示されます。

要するにChoiceは「もらったSpoonの数」によって算出されます。いくら配信にリスナーが来なくても、一人のリスナーから大量にSpoonを投げてもらうことができればChoiceになります。その反対で、どれだけたくさんのリスナーに恵まれても、Spoonを投げてもらえなければChoiceになれません。

今回の分析では、運営のおすすめDJとして紹介される「Top Choice」「Choice」のみに焦点を対象とし、「Next Choice」のみの配信者は分析の対象外とします。

Voice

LIVE配信中に受け取った時間ハートと総来場者数を元に換算した数値にて選定されるランキングにて、月間上位100名に対してバッジが付与されます。
(時間ハートとは:LIVE入室1分後から10分ごとに押せるハート)

そのため、Voiceになるためには、多くの人が来場し、定期的に時間ハートを押す、つまり放置せずに一定時間ごとにアプリを操作してもらう必要があります。

Choiceに比べると、Voiceはお金で解決できる範囲が限られており、多くのリスナーを集めた上で配信を聞いてもらう必要があります。
とはいえ後述する通り、実情としてはほぼ全員のVoiceの方は一定以上のSpoonを投げられています。

ChoiceとVoiceの両方の条件を満たした場合、両方のバッジが付与されます。

一見するとVoiceは配信者の真の実力を示す指標のように見えますが、抜け道はあるようです。サブ垢を大量に作って時間ハートを押させたりとか。

分析に用いたデータ

分析対象ユーザー:
2024年3月のTop Choice, Choice, Voice のDJ
https://www.spooncast.net/jp/notice/6084


分析に用いた指標:

  • バッジ種別

  • Fan数、My数

  • 相互ポチ率
    → My数 / Fan数にて算出

  • Fanランキング 1位~10位までのリスナーが投げたSpoon数

  • 総獲得Spoon
    → 擬似的にFan1位~10位のSpoonの合計として算出

  • 活動期間
    → TwitterのSpoonアカウント作成月より算出。
     不明な場合は未入力。

  • ひと月あたりFan増加数
    → Fan数 / 活動期間(月)で算出

  • ひと月あたり獲得Spoon
    → 総獲得Spoon / 活動期間(月)で算出

  • 月間収益
    → ひと月あたり獲得Spoon * 4で算出

  • 熱狂Fan数
    → 配信者をメインで支えているリスナーが何人いるかを表す指標。
     Fanランキング1位~10位の投げるSpoonに大きな差がついているほど
     熱狂Fan数は少なくなる。

注釈1:
熱狂Fan数の計算方法は以下の通り:
   熱狂Fan数 = 1 + (Fan2位のSpoon)/(Fan1位のSpoon)
          + … + (Fan10位のSpoon)/(Fan1位のSpoon)

注釈2:
データ取得の際、Spoonのサーバーへ負荷をかけないためにスクレイピングなどは行わず、全て手作業でデータを収集しています。地獄みたいな作業でした。

全体的な傾向

以下から分析結果の紹介をしていきたいと思います。
まずはChoice / Voice に関する全体的な傾向から紹介します。

聴かれなくても投げられるが、投げられないと聴かれない

まずはバッジ付きDJの人数の内訳を見てみましょう。
以下の表にまとめています。

バッジ付きDJの内訳

表を見て分かるのは、Voiceが付いている人はほぼ全員Next Choice以上のバッジが付いている、ということです。
Next Choice以上であるがVoiceでないDJが76%であるのに対して、VoiceであるがNext Choice以上のバッジが付いていないDJはたったの2%しかいません。

つまり、Spoonでよく聴かれる配信者になるためには、多かれ少なかれ投げられなければならないということです。
「投げられなくてもいいから、たくさんの人に聞いてもらえるようになりたい」というのは、難しいのかもしれません。

注釈:
「Voiceの大半がNext Choice以上である」ということについての解釈は、以下の2通りが考えられます。

1. 投げられる配信者はバスターをもらうので、人目につきやすくなり、聞きにくる人が増える(投げられるので人が来る)

2. 多くのリスナーを抱える配信者はそもそも実力があるため、自然と投げられる金額が増える(人が来るので投げられる)

両者には「人が来る」ことと「投げられる」ことの因果関係がどのようになっているかという違いがあります。
この関係を明らかにするには、現在のデータに加えて「月間あたりもらったバスター」や「各DJのLIVE視聴率」を取得した上で、両者の関係を分析すると良いでしょう。

推されるためにはFanポチは控える必要がある

以下はバッジ付きDJの相互ポチ率の分布を表したものです。

相互ポチ率のヒストグラム

凡例は以下の通り:
・C: Choice
・CVo: Choice かつ Voice
・NVo: Next Choice かつ Voice
・T: Top Choice
・TVo: Top Choice かつ Voice
・Vo: Voice

グラフから言える通り、バッジ付きDJはほぼ全員、Fanポチを絞っています。
数字でいえば、バッジ付きDJの93%が相互ポチ率を2割以下に抑えています。

Fanポチを抑えることについては、以下の効果があると考えられます。

  1. 軽率にFanポチをしないことにより、配信者とリスナーという立場の違いを明確にする。

  2. 人気配信者だけ相互Fanになることで、人気配信者同士の繋がりを強くする。コラボやリレーなどの企画に呼ばれることを狙ったり、人気配信者同士で枠シェアすることで相互にリスナーを回らせる効果が考えられる。

  3. 特にSpoonを投げてくれるリスナーを中心にFanを返すことにより特別感を演出し、よりリスナーに自分のことを推してもらうように仕向ける。

Fanポチというのは、バッジ付きDJにとってはもはや切り札でもあります。もし人気配信者を狙うのであれば、軽率にFanポチをすることは控えた方が良いかもしれません。

配信で食べていくのは至難の技

人気配信者を目指す方の中には、「もし人気になれば配信だけで生活できるようになったりして…」と淡い夢を持つ方もいるかもしれません。
はっきり言うと、Spoon配信だけで食べていくのは至難の業です。
データを見てみましょう。以下は6ヶ月以上活動をしているバッジ付き配信者の月収データです。

バッジ付き配信者の月収分布

いくら稼げば生活ができるかは人によりますが一つの目安として「月収10万円」のラインに注目してみましょう(これでも生活は難しいと思いますが)。
各バッジにおいて、月収10万円ラインを突破しているDJの割合は以下の通りです。

月収10万円以上DJの割合

まず月収10万円を超えるには、Next Choice では難しく、Choiceを継続して取る必要があります。それでもChoiceの中で月収が10万円に達しているDJの割合は35%ほどに過ぎません。

今回、調査したバッジ付きDJのうち、月収10万円を超えているDJは合計36人でした。2020年のデータになりますが、Spoonの月間アクティブユーザー数は220万人だと公開されています。つまり月収10万円を超えるユーザーは、Spoonユーザー全体の0.002%ほどとなる計算です。

「配信だけで生活できないかな」という夢は、厳しいものです。よほどの努力と才能と運がなければ成し遂げられるものではないでしょう。

Amazonのほしい物リストで生活用品を送ってもらったり、PayPay送金をしてもらっているケースもちらほら聞きます。その場合はもしかしたら生活できるのかも。

AIを使用した人気配信者のカテゴリ分け

AIを用いたカテゴリ分け

人気配信者の中でも、その人気のあり方は人によって異なることでしょう。たくさんのリスナーを虜にしている配信者もいれば、少人数に絞って熱狂的なファンを獲得している配信者もいるかもしれません。
人気配信者を適切にカテゴリ分けするにはどのようにするのが良いでしょうか。

今回はこのカテゴリ分けのために、AIの力を借りようと思います。
具体的には、配信者のデータをAIに入力し、似ている特徴を持つ配信者を一つのグループとしてまとめる、ということを行います。

注釈:
カテゴリ分けの手法の詳細は以下の通りです。

1. 各ユーザーごとに、以下の特徴量をまとめる。
 ・ひと月あたり獲得Spoon
 ・ひと月あたりFan増加数
 ・熱狂Fan数

ここで、活動期間や、活動期間と相関が強い特徴量(Fan数、総獲得Spoon)を特徴量に入力すると、配信初心者かベテランかでクラスタが分かれてしまう。配信初心者やベテランの中でも配信の傾向が異なることが予想されることから、今回は特徴量からは除外し、活動期間で正規化した特徴量のみを用いることとする。

2. 可視化できるように、次元削減アルゴリズムを使って2次元平面に落とし込む。今回はアルゴリズムにUMAPを用いた。

3. 傾向の似たユーザーに対してクラスタリングアルゴリズムを適用し、グループ分けを行う。今回はアルゴリズムにK-means法を採用する。クラスタ数は、視覚的に適切なクラスタ分類ができているかどうか、また実際にデータを分析してクラスタ数に過不足がないかを総合的に見て決定した。

カテゴリ分けの可視化

AIにデータを入力した結果、似た特徴を持つ配信者同士がまとまって配置された2次元平面と、各配信者がどのようなグループに所属しているかが出力されます。
以下が出力結果の図です。カテゴリ名については、カテゴリの各特徴を見て自分で解釈をして命名しています(後述)。

注釈:
上の図において、一つの点は一人の配信者を表します。近くにいる配信者ほどデータ上特徴が似ています。x軸とy軸に明確な意味はありません。

各カテゴリの特徴と解釈

各カテゴリはそれぞれデータの上で特徴が分かれています。以下にカテゴリごとの特徴をまとめました。

カテゴリごとの特徴(空白は普通程度を表す)

表の特徴量を元に、それぞれのグループがどのような配信者で構成されているかを解釈してみましょう。

No.1 実力配信者:
Fan数や総Spoonが最も多いグループ。Voice率が高いことから来場者数も多く、飛び交うSpoonも多い。
他グループとのChoice争いに敗れてNext Choiceになった配信者も含むが、それでも実力は確か。

No.2 実力配信者(熱狂Fan不在):
Voice率は高く、視聴者を集める実力はあるが、グループ1より伸びは穏やかで、Fan数は中程度(1.6kほど)。まだ突出して投げるリスナーが多くないため、総Spoonはそこまで多くはない。VIPの方の応援を受ければ、グループ1に移行する可能性がある。

No.3 隠れ有料配信者:
活動期間が他のグループと比べて長く、配信することに慣れている。Voice率が高く、多くのリスナーから均等に投げられているのは愛されている証拠か。Choiceになるまでは投げられず、ネクチョ止まりであるため、活動期間の割には総Spoonは少なめ。

No.4 期待のルーキー:
活動期間1年未満の配信者が多い。他のグループの配信者と比べて活動期間は浅いが、Fan数やSpoon数、Fanの伸び方に勢いがある。特に月当たりSpoonが他のグループに比べて高め。この勢いが継続すれば実力配信者の仲間入りを狙える。

No.5 熱狂Fan一本絞り:
主に1,2人のリスナーにChoiceを支えてもらっている。そのため、Fanは少なく、Voiceもつかない。実はSpoonで最も稼げるのがこのタイプ。活動期間が比較的短く、1年以内に配信活動を停止する人が多い。

No.6 当月限り:
Fanも総Spoonも少ない。期間が長く、今まで投げられていなかったにも関わらずChoiceに上がっているということは、この最近だけ一部の人に高額を投げられた可能性がある。おそらく継続的にChoiceになることはない。

注釈:
一般にクラスタリングアルゴリズムを適用後の各クラスタへの解釈に関しては任意性があり、「この解釈が必ずしも正しい」ということはありません。上記の解釈はあくまで例ですが、妥当性を担保するには追加のデータで調査をしたり、実際に各クラスタの配信者の枠を聞くことで雰囲気を把握したりといったことが重要です。

楽しめる配信と、リスナーを選ぶ配信

以上、AIを用いて人気配信者をカテゴリ分けしてみました。同じChoice/Voiceといえども、その配信のあり方は人によって異なっているのだということがデータからも伺えます。

注意したいのが、Choice/Voiceによっては、かなり人を選ぶタイプの配信があることです。以下に例を記載します。

  • 「熱狂Fan一本絞り」の配信者は、リスナー全員というよりは1,2人の特定のリスナーにだけ熱狂的に気に入られている結果Choiceになっている可能性があります。他のリスナーからしたらそこまで面白いとは思えないかもしれません。

  • 「当月限り」の配信者は、たまたまその月だけSpoonを投げられただけの可能性があり、配信の内容の面白さがChoiceの称号と釣り合っていない可能性があります。あえてそのような枠に入る必要もないかもしれません。

もちろん相性の問題もあるので、楽しめる人には楽しめるかと思います。とはいえ、多くの方にとっては上記のような配信はあまり楽しみにくいかもしれません。

各バッジにおける配信者の構成

どのバッジの枠を回れば楽しめるか

Choice/Voiceのバッジが付いていても、人気の取り方は配信者それぞれ異なるようです。
それではリスナーにとっては、どのようなバッジが付いている配信者の枠に行くのが一番楽しめるのでしょうか。

このことを調査するため、各バッジのつき方によって、配信者の構成がどのような割合となっているかを分析しました。以下にグラフを記載します。

各バッジにおける配信者の構成

このグラフから、下記のことが考察できます。

  • Choiceは付いているがVoiceが付いていない枠は、その半数以上が「熱狂Fan一本絞り」型と「当月限り」型で構成されているため、人を選ぶ配信が多い。ただし期待のルーキーが混ざっている可能性もある。

  • ChoiceとVoiceの両方が付いている配信と、Next ChoiceとVoiceの両方がついている配信の二つを比較すると、実力配信者の比率はほぼ変わらない。「熱狂Fan一本絞り」型と「当月限り」型の合計も両者で同程度となっている。要するに、Voiceが付いている限りはChoiceであるかNext Choiceであるかはそこまで関係なく、楽しめる配信を探すことができる。ただし3割程度の割合で一般ウケしない配信者とも遭遇することには注意が必要。

なので、リスナーとして楽しめる枠を探す分には、Choice & Voice, もしくはNext Choice & Voice の枠、どちらを探しても差はないでしょう。少なくとも今回の解析においては、Choice のほうが Next Choice より楽しめる枠が多い、というわけではなさそうです。

更なる分析のために

注釈:
この章の内容について、分析自体に興味がある方以外は飛ばして構いません。

今回の解析では、使用できるデータの種類が多くなく、分析できる範囲も限られていました。
以下では、もし他のデータが使えたらどのような解析ができるかという例を紹介していきます。

  • リスナーの男女比:
    異性を中心にした配信か、同性も含めて楽しんでもらえるようにしている配信かが分かり、さらなるカテゴリ分けの精密化につながる。
    男女比の測定はアクティブユーザーの男女比でもよいが、測定が難しい場合はFanランキングの男女比率をSpoonで重み付けした値を用いても良い。

  • Choice身内投げ比率:
    人気配信者の中には、バッジを維持するためにChoice同士でSpoonを投げ合い、お互いの人気を維持しているという配信者もよく見受けられる。身内投げ比率が高いか低いかということもまたカテゴリ分けの精密化につながるだろう。

  • 同一電話番号によるアカウントを除いたLIVE視聴率:
    現在のVOICEの算出方法を用いると、サブ垢を大量に作って視聴率を稼ぐことができてしまう。本来の目的で正しくVOICEを選出したいのであれば、サブ垢を含めたLIVE視聴率と、サブ垢を含めないLIVE視聴率の差を調査する必要がある。

  • 最高アクティブ数:
    体感としては、Fan数や総来場者数より、もっとも配信の人気を測る指標を表している。人気度で配信者のカテゴリを分ける際に役立つ。

  • 直近3ヶ月に投げられた総Spoon数:
    上記の分析において、Fanの伸びを総Spoon数/活動期間として算出していたが、これだと活動自体は古くから行なっているが、活動休止を挟んだ配信者や、最近になって人気配信者を目指すようになった配信者のデータを正しく反映できない。直近に投げられたSpoonだけ考慮することで、最近の人気をもとに正しい分析が可能となる。

  • 過去のバッジ履歴:
    ChoiceやVoiceがどれだけ継続して続いているかを測る指標として用いる。「当月限り」型の推測が本当に正しいかの裏付けにもなる。

  • リスナーの動向:
    今回の記事や、「Spoon配信者はどうやって進化するか」における記事は、主に配信者に対する分析を行なっている。一方でリスナーに対する分析を行うことも、配信アプリ全体を解析する上で重要となる。
    たとえば、VIPリスナーがよく回る配信や、よく投げる配信の傾向がどのようなものか、という分析は、配信者にとっても運営サイドにとっても非常に重要な情報が得られる。

  • 実際に枠を聞いてみた雰囲気:
    データを分析をする上で最も重要。結局、数字で得られるデータは限定的なので、枠に入って配信の雰囲気を感じ取らないと分からないことは多い。
    ただし、データによる分析が役に立たないかというと、そういうわけではない。今回の記事のような議論はデータに基づいてできることに加え、定性的な調査を行うに当たって定量的な分析を役立てることも可能である。例えば、インタビューなどによる調査は定性的な調査だが、時間がかかるので多くの人数に行うことはできない。あらかじめ簡単にデータ分析を行っておくことにより、満遍なくさまざまな人気配信者の特徴を探るため、定量的な特徴が異なる配信者を抽出してインタビューを実施する、といったことが可能となる。

分析結果レポートの無償提供

2024年3月のChoice/Voiceの方に対して、分析レポートの提供を無償で行っております。
人気配信者の中で、Fanの伸び、Spoonの投げられ方、熱狂的なFanの数などの観点で自分の立ち位置がどこなのか、及びAIによる配信者のカテゴリ分け結果がどうだったのか、といった情報をまとめてご提供させていただきます。
レポートの内容はご自由に使用していただいて構いません。もちろん配信活動のネタとして使っていただいても大丈夫です。

興味を持たれた方は、以下のテンプレートの内容を記載した上で、XのDMを送ってください。
なお分析レポートを提供したこと、及び提供したレポートの内容について、他の人へ公言は一切いたしませんのでご安心ください。

Twitterアカウント:@maru0115_spoon

【以下コピペしてそのままDMを送ってください】

2024年3月 分析レポート提供依頼
・Spoon活動名:
・SpoonのユーザーID:@xxxxx
・Spoon活動を開始した時期(不明なら空白):20xx年xx月
・今後、分析のご協力のためにインタビューをお願いしても良いか:はい・いいえ

おわりに

今回の記事では、Choice/Voice配信者の方々のデータを取得し、データから見える特徴をAIの力を借りながら分析していきました。
この記事がもし面白いと思って頂けたら、是非いいねを押していただけると今後の励みになります。
またこの記事の他にもSpoonに関する記事をいくつか出しているため、合わせてご覧いただけると大変嬉しいです。

以上、最後まで読んだくださりありがとうございました。

(追記) Choice/Voiceの仕組み

※ 2024/3/16 追記

今回の記事について、Spoonユーザーの皆様にたくさんの反響をいただきました。読んでくださった方々、ありがとうございます。
記事公開後に様々なご意見を頂き、中でもChoice / Voice判定の仕組みについて理解が不足していたと感じたため、追記させていただきます。

Choice/Voiceの算出指標

有志の方の調査によると、Choice/Voiceの算出指標は以下のように決定されているとのことです。

  • Choice指標 = 時間ハート + バスターハート + Spoon + メンバーズ加入による獲得Spoon

  • Voice指標 = 時間ハート + 総来場者数

このそれぞれの指標が上位の方にバッジが付与されます。

実際にVoiceを継続している方の話では、Voiceになる方の時間ハートは大体1日500個以上ほど、つまりひと月あたり1.5万ハート以上が目安になるとのこと。これはバスター換算で15万円相当になります。

一方のChoice指標においては、Next Choiceのラインが毎月おおよそ15~20万円前後になることが多く(後述)、その結果として、Voiceになるだけ時間ハートをもらう方の大半がNext Choiceに自然になれると計算されます。

時間ハートはVoiceになるためにはもちろん重要ですが、Choiceに対してもかなり影響を持っていることが分かります。
バッジ付き配信者を目指す場合は、Spoonやバスターを投げてもらうことも大事ですが、それに加えて時間ハートをいかに押してもらうか、ということも考慮しなければならないようです。

(補足) Choice当落ラインの確認方法

どれだけのSpoonやバスター、時間ハートを貰えばChoiceになることができるかは、Topランキングから確認することができます。

Topランキングで表示される🎁の数字は、以下のように算出されます。

  • 🎁の数字 = (獲得ハート + 獲得Spoon)*5

毎月月末において、月間ランキングの10位、110位、410位の値を確認することで、Choiceになるために必要なSpoon, ハート量がわかるようになります。
先ほどNext Choiceのラインが15~20万円前後と記載したのは、この方法により算出された値を集計した結果になります。

なお🎁の値については、月末でないと正確な値にならないこと、ファン限やメン限のデータは含まれないこと、ハートとSpoonの分離ができないことから、あくまで目安としての指標となります。


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