じゃあ結局のところ何をすれば良いんですか?【カーボンニュートラルのハナシ】
いままで国際的なカーボンニュートラルの枠組だったり、CO2にまつわるお金の話をしてきました。
「で、結局何すれば地球にも良いし、懐にも優しいんですか?」
最近の方はすぐに結論を求めると聞きますが、
これ最近の方限定の話ではなくて、どんな人もさっさと結論を欲しがるもんです。
なのでさっさと結論を言いますね。
結論
「あらゆるものを電化せよ。」
これです。これがカーボンニュートラル(脱炭素)への最短距離です。
そしてこの電化と同時並行で
「その電源を再エネ、原子力に切り替えろ。」
以上です。
その中で、自分にとって一番懐に優しい手段を選択する。これがカーボンニュートラルへの着実で最短の道程です。
どうして電化と電源切り替えなのか
現状これしか方法がないし、それ以外の方法は省エネという方法しか見いだせないからです。
想像してみましょう。
みなさん、脱炭素と聞いてどういった方法論が思いつきますか?
輸送手段をBEVやHEVに切り替える
太陽光パネルを会社の敷地に設置して電力を賄う
照明をLEDにして省電力化を図る
省エネ設備に更新する
こまめに電気を切る(無駄をなくす)
正直こんなもんです。
これらに共通することはなんでしょうか?
そうですね。電気をどうするかに集約されています。
こうやってぱっと思いつくものが一番大事なんです。
なぜかというと、この方法は市場に最も認知されているからです。
市場に認知されていると言うことは、それなりに簡単に手に入る。
そして市場があると言うことは価格もこなれている。
人間の勘を舐めてはいけません。
よくよく考えたらここに最大のポイントがあった!
なんてドラマチックなことは基本ありません。
化石燃料由来のエネルギーを電気に置き換えて、その元である電源のチョイスをCO2排出量が低いものにする。
結局のところこれしかないのです。
二酸化炭素を吸着するとか、蓄電池とか素敵なことをおっしゃいますが、そもそも高いし、実用性の面で…というのが現実。
我々のような中小零細企業にはそんなものに手を出すほど余裕はありません。
地球が壊れる前に自分の会社が壊れてしまう…。
そういう先進的でリスキーなことはそれこそ懐事情が良い会社サンが、人柱としてやってくれれば良いんです。
我々、中小企業はそれに乗っかる。
乗っかるには早いですよ。だって機動力の中小企業ですから。
なので「カーボンニュートラルだ!」と気分が上がってきたら、この限られた方法をとっととやるのがベターとなるのです。
対応の速さが差別化を生むということですね。
GHG(温室効果ガス)についてあらためて考える
さて、電化の先にGHG削減があるわけですが、ここでGHGについておさらいをしてみましょう。(ネタ切れのためここで余談投下)
このGHGは地球表面から放出された熱(赤外線)の一部を吸収することにより熱が逃げにくくさせる効用をもっています。
つまりGHGが地球を蓋するわけですね。
ただこの蓋自体が悪いわけではありません。もしも蓋としての温室効果ガスがないと、地表は−19℃になってしまうとも言われています。
GHGは地球にとって必要です。
しかしそれがいよいよ多すぎるのではないかという段階に入ってきている。
GHGで一番多いのは水蒸気
地球上で一番多いGHGは水蒸気です。
二酸化炭素ばかりフォーカスされて忘れてしまいそうですが、大事なことなのでここで抑えておきましょう。
蒸気の量は気温によって増減します。
気温が上がると空気はより多くの水蒸気を保持するようになります。
二酸化炭素をはじめとするGHGが大気中に増え、温室効果を高めるとすると、地球の平均気温を上昇させますね。
そうすると大気中の水蒸気の量も増加します。
これは「正のフィードバック」と呼ばれるものです。
CO2が増える→
気温が高くなる→
GHGの中で一番割合が高い水蒸気が増える→
温室効果が高まる→
気温上昇を促進する
こんな感じです。
だからといって突然制御が効かなくなった巨神兵のような状態が起こるのかと言えば、そうとも言えません。
正のフィードバックがあれば負のフィードバックもありますので。
このあたりの詳しい説明は以下のリンクが助けになります。興味がある方はご覧ください。
FAQ 8.1 | 水蒸気は気候変動にどのように重要なのか?
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/ipcc_ar5_wg1_faq8.1_jpn.pdf
ただ、昨今の台風の巨大化とかはこの水蒸気が影響しているんじゃないかと思えてくるのは私だけでは無いと思います。(ド文系の勘)
まぁこんな訳で、気候変動対策はやっておいたほうがいいと思います。
そしてやるには早いほうが良い。
今回も長文最後までお読みいいただきありがとうございました。