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二酸化炭素排出量の開示があまり進んでいないようです。(有報)

開示の話題が日経新聞に掲載されていました。

日本の上場企業における二酸化炭素(CO2)排出量の開示に関する現状と課題について述べています。

2020年の日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言によって突如として脚光を浴びた脱炭素。各企業の取り組み状況の開示が注目されていますが、有報における開示が進んでいないようです。

まとめると以下のような内容です。

2023年3月期の有価証券報告書において、自社が直接排出したCO2(スコープ1)の実績を報告した企業は14%、仕入れ先や製品使用まで含めた排出量(スコープ3)の報告をした企業はわずか4%にとどまっている。この遅れの背景には、データ収集や排出量の算定体制が未成熟であることが挙げられる。

温暖化ガス排出量は、直接排出(スコープ1)、購入した電力の使用(スコープ2)、原材料調達や製品の使用、廃棄に伴う排出(スコープ3)に分けられ、投資家の間でこれらのデータの開示要請が強まっている。特に、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、これら全スコープの開示を求める基準を設定しており、これを踏まえて各国が基準策定を進めている。

多くの企業では、関連部署や海外子会社、取引先からのデータ収集が困難で、排出量の算定体制も整っていないのが現状。また、社内での数値の精度や内部統制の成熟度にも課題がある。スコープ3の開示については、算定の複雑さと信頼性の問題から、開示をためらう企業もあるようだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21DAY0R21C23A2000000/

温室効果ガスの可視化については様々なSaaSがリリースされ、その環境は整ってきています。

皆さんの会社はこれらSaaSを利用していますか?

年間の燃料や電気の使用料を入力したらダッシュボードでそれが見事に可視化されます。Scope1とScope2の計算なんてこいつを使えばちゃちゃっとできます。

ですが…現状はこうなのですね…。

なぜでしょうか。

現在のところ、カーボンニュートラルに積極的に取り組んでらっしゃるのが、いわゆる大手企業。

記事にもありますように、彼らの拠点はたくさんあります。
日本国内のみならず、全世界です。とにかくデータが膨大です。これらを集約して算定するとなると相当の根性が必要です。

しかも公表するデータが信頼できるものでないといけない。
有報ですから。投資家向けの情報発信ですので尚更です。

そりゃあ慎重になりますわ。

でも世の中にはちゃちゃっと計算して開示できるツールがあるのも事実。しかもそのツールはSaaSということで安価で誰でも使うことができる。そしてそんなに難しいものじゃない。

大企業が二の足を踏んでいる分野にスルリと入り込むチャンスがあるような気がしませんか。

大企業よりも中小企業が優れていること。

それは機動力と意思決定の早さ。

この中小企業が持つ特性を活かせば、脱炭素といった分野で中小企業は実は大企業をリードできる可能性を持っているのではないかと私は思っています。

「いや、ウチは脱炭素そのものに貢献するような製品やサービスは取り扱っていないから他さんを見て考えます」

と言って尻込みしていては勿体ないと思います。

脱炭素をビジネス利用する場合、私は二つのアプローチがあると思います。

  1. 脱炭素に取り組んでいること自体を付加価値として市場に提供する

  2. 脱炭素そのものに貢献する製品・サービスを開発し、市場に投入する

先ほどの尻込みおじさんは2番だけを見てますね。
素直で良いことだと思いますが、もう一方のアプローチはとれないでしょうか。

ウチの会社は脱炭素に取り組んでいます。
こんな目標を立てて、できることから取り組んでいます。
現在のところ、年率○○%の二酸化炭素を削減出来れば、2030年には削減目標を達成できるだろうと見通しています。

どうでしょう。このストーリーを読んで、脱炭素に関する取り組みが不十分だと思いますか?

私のような世の中を斜めに見る性分の人間からしたら、時代はカーボンニュートラルだZE!的なチャラい感じじゃないから、ガチっぽくって好感が持てますけどね。

いきなり2番のアプローチを取れる企業なんてありません。

物事には順序というものがあります。1番のアプローチで自社の立ち位置を宣言し、2番にチャレンジしますというほうが誠実な感じがしませんか?

この1番のアプローチ。

中小企業といった機動力のある会社なら、今すぐはじめることができる環境が既にあります

後はやるかやらないか。

ただそれだけのことです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。