見出し画像

藤井聡太はAIのおかげで最強になったのか?(ChatGPTは人を賢くするか?)

AI、とくにChatGPTの登場により、人間が賢くなる可能性があると言われています。

その典型的な例として、将棋のプロ棋士・藤井聡太がAIを利用して実力を向上させたことがよくあげられます。私自身は将棋にくわしくないので、この話がほんとうなのか興味を持ち調べてみました。

結果として、藤井聡太自身がAIを活用し、自らの能力が向上したことを実感していることがわかりました。

約1年前のインタビューでは、彼がこの件についてくわしく語っていました。その記事は話題になり、私も読んだ記憶がありますが、そのことをすっかり忘れていました。

当時はまだChatGPTのようなAIが存在せず、読んでもAIについてあまりピンと来なかったのもあります。AIがすごいのはわかるけど、まだ自分に関係する時期ではないな…と感じていました。

「完全にAIの方が強い」

まず、そもそもAIの方が人間より将棋が強いかですが、藤井聡太はAIが将棋で人間よりも優れていることを認めています。「完全にAIの方が強い」と彼は述べています。

山中    じゃあ、将棋や囲碁で人間はもう絶対にAIに勝てない。あくまでも「人間がAIから学ぶ」みたいな段階になっているわけですね。

藤井    囲碁や将棋といった空間が限られた世界のボードゲームでは、競争という点では完全にAIのほうが強くなっています。だからこれからはコンピュータを活用することで、逆に人間がどんどん強くなっていくという段階に入っていく気がします。

藤井聡太が見る未来「AIを利用すれば人間はどんどん強くなれる」

将棋AIをはじめて使ったときの感想

AIをはじめて使ったころから、これまでにない気づきがあったそうです。特に、序盤からパフォーマンスが向上したのは、AIの効果だとみられています。

山中   初めてAIで研究した時の手応えはどんな感じだったんですか?

藤井    使ってみて最初に感じたのは、自分の序中盤の判断の甘さでした。それまで、とくに序中盤はあいまいというか、明確な判断指標を持たないまま指し進めていたところがあったんですけれども、AIを使うことで、それではいけないということに気づくことができました

藤井聡太が見る未来「AIを利用すれば人間はどんどん強くなれる」

AIを活用して人間は強く(賢く)なる

藤井聡太にとって、AIはもはや対戦相手ではなく、自身のスキル向上のために活用するツールの段階になっているようです。

山中    将棋の世界ではずいぶん前から、AIが名人に勝ったりするので、「人間対AI」という図式は、もう過去のものになっているということですね。

藤井    はい。人間とAIの対決というところから、また新たな段階に入ったというか、AIを活用して逆に人間がどう強くなるかに移っていると思います。棋士自体が強くなるとともに、評価値というかたちでファンの方に、よりわかりやすく将棋を楽しんでいただける。将棋は見ているだけではどちらが優勢なのかプロでもわからない対局が多いので。人間とAIが共存するかたちになってくると思います。

藤井聡太が見る未来「AIを利用すれば人間はどんどん強くなれる」

藤井 将棋においては今はAIがどんどん強くなっていて、人間がAIから学ぶことのほうがはるかに多いです。

藤井聡太が見る未来「AIを利用すれば人間はどんどん強くなれる」

ライバルの印象的なエピソード

藤井聡太のライバルの一人である豊島将之に関する印象的なエピソードを紹介します。結局、藤井聡太のライバルもAIを利用してトレーニングを行っているのです。

畠山鎮 八段:

「プロ棋士がどんどんコンピュータソフトに負けていくのは、プロ棋士的にはかなりショックでした。勝った棋士が数えるほどしかいない中、(それまで)将棋連盟の控え室に来て棋譜を並べプロ棋士の対戦を調べ、同世代のプロとぶつかり稽古をしていた豊島さんが、ぱたっと来なくなり、家でフリーソフトのコンピュータ将棋、AIと毎日毎日向き合うようになりました。

当時、AIとだけやって強くなるという確信があってやったわけではないと思います。おそるおそる使っていたと思います。私は(豊島さんという)プロ棋士が、この勉強法に棋士人生をも懸けたのではないかと思いました」

NHK 棋士たちはAIとさらなる高みへ 藤井聡太は「人間とは違うレベルに到達しつつある」

終わりに

ChatGPTやこれから登場するAIを活用して、さまざまな分野で同じようなことが起きる可能性は少なくないと思っています。


いつも読んでくださりありがとうございます!サポートは、お勉強代として活用させていただいております。