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意味は自己と他者との形態、その接触によって生起する

端的に意味を内包する存在はない。
諸存在は形態を有する。
形態は他の存在(以下「他者」)との繋がり方を既定する。
他者もまた形態を有する。
形態と形態の接触によって他者が成立し、自己が成立する。
他者が成立と自己の成立はほとんど同時に生じる。
おそらく自己に先行して他者がひと足早く成立し、他者によって自己が成立する。
成立するとはそれとして存在し始め、またこれが持続する状態をいう。
持続とは成立した状態が経時的に持ち越され、かつ成立した偶像へと還元し続ける運動をいう。
自己の形態は常態として可視的でない。
他者の形態は接触によって可視化される。
可視化された他者によってその類似と差異として自己が成立する。
ただし、この他者も自己も相互の接触によって相手の形態を知るのであり、それは自己の形態に依存しているのであって、よって観念的に限界をもった像を成立させる。
意味はこのなかに生まれ、つまり相互の存在のあいだに成立する。
他者のない、また自己のない意味は成立し得ない。
意味とはつねに何かとの意味として成立するゆえに、存在に内包されるのではない。

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