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ドラッグクイーン

ル・ポールのドラッグレースという番組をご存じだろうか?

Netflixの番組の一つでアメリカでは結構人気があるらしい。

ル・ポールという伝説のドラッグクイーンの冠番組だ。



↓↓↓ルポールさんbefore /after

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ドラッグ界ではゴットマザー的存在で、歌手であり、トップモデルでもある。
自分の影響力で若い時からLGBTQの人たちのためにいろんな道を開いてきたすごい人。

この番組はシーズン13までNetflixで見ることができるのだけど、サイドストーリー的に「アンタックド/素顔のレースクイーンたち」というのがある。

これが更に面白い。

クイーンたちの戦いの舞台の裏側に密着していて、彼女たちの内面をよく知れてハラハラするし、時には泣ける。

彼女たちは「私こそ一番!」って王冠を勝ち取るためにレースに参加している。

レースの内容はファッションセンス、演技、ダンス、歌、ユーモアセンス、デザイン、裁縫、チームワーク、見た目だけではなく、色んな視点から審査される。

トータルで審査員の評価を得ていかなければならない。


毎週、ひとつの課題に取り組み、審査をされ、その出来栄えでWinnerとボトム2が決まる。

ボトム2になると、リップシンクと言うカラオケに合わせて口パクで歌の演技をするドラッグクイーンならではの戦いが行われ、勝者はまた戦いに戻り、敗者はそこで脱落となる。

ルポールさんの決めゼリフ

「シャンテ you stay」→ 勝ち残りのボトム2

「サシェ away」→ 脱落のボトル2


参加しているクイーン達は都会で名の知れたクイーンもいれば、田舎の小さな町から出てきたまだ若いクイーンもいる。

ゲイだけではなくトランスジェンダーだったりもする。

彼女たちはホテルで合宿のような生活をし、携帯電話を持つことは許されておらず、恋人や家族、仲間から完全に遮断されて他のクイーンたちと友情を育みつつ、戦って成長していく。

初めはドラッグクイーンのメイクの技術を学びたくて見始めたのだけど、次第にそのファッション性の高さや、アイデアの豊富さ、いつもユーモアに溢れた彼女たちの、「波乱万丈の生き延び方」「心の持ち方」に魅了されている。

全てのクイーンたちに、それぞれのストーリーがあり、皆、初めてクイーンになった時は喜びに満ちたと言う。

この世界中に、偽らずに自分らしく生きている人はどれほどいるのだろう。
時には偽る方が簡単だったり傷つかずに済む。

でも、自分に正直に生きる事を選んだ勇気のある彼女たちをとても尊敬するし、羨ましいと思う。


忘れられないクイーン

アリッサ・エドワーズ
シーズン5

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彼女の振る舞いはエレガント。
賢そうで実は天然かな?と思う可愛らしさがある。
ミッションでみせた表情と体の動きは迫真に迫っていて息を飲むほど美しかった。

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ジンクス・モンスーン
シーズン5

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彼女はとにかく優しい心の持ち主。
唯一無二のハートを持っていて、他のクイーンと激しく衝突したこともあるけど結果、持ち前のユニークさと愛嬌で優勝した。

タイラ・サンチェス

シーズン2

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まだドラッグ始めたばかりのタイラはとにかく性格は良くないけど、圧倒的に美しかった。笑
情緒に問題あるタイプだけど、ドラッグに対してのメイク技術もドレスのセンスも群を抜いていて結果、優勝。

レイブン
シーズン2

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レイブンは素顔の状態でもかなりのイケメン。
それからメイクのテクニック1番上手いなと思っていたら、なんと、現在、ルポールさんの専属メイクさんなのだそうで。納得〜と思った。
ハッキリものを言うタイプで、小細工をあまりせず、自らに厳しいし、ほかにも厳しい。
冷たい女のドラッグと裏腹に時折心の綺麗さが滲み出てる人。


2つの精神

ドラッグクイーンをみていると、ドラッグしていない時でも女性らしくて可愛らしい。

だけど、「男気」もちゃんとあるなぁと感じる。

以前、よく気晴らしに東南アジアを旅していた。

タイでは、高級デパートの化粧品売り場に女装した綺麗なお兄様が働いていたり、コンビニでも、夜の繁華街でも当たり前のようにそのままで働いていた。

「ありのままで生きられていてこの国は素敵な国だ」と思った。

と言うのも、私にはゲイのお友達がいて、その人はカミングアウトできず、イケメン美容師として女性の顧客に告白を受けたり、色々と生きづらいようだった。

ここ数年で、「お姉系」と親しまれてきたタレントさんも増えた。

私自身は完全にストレートなのだけど、心の問題やコンプレックスに悩んで生きているし、それは誰しもがそうだと思う。

LGBTQについて詳しくもないし、語るのも烏滸がましいけれど、彼ら彼女らが、好きなように生きることは人として当然の権利であると思っている。

その人たちは、2つの精神を授かり、どちらも生かすため生きている。

私は1つの精神でさえ、授かりそれに従い生きることですら大変だ。

それを、2つも授かり、どちらも機能させる事は並大抵の人にはできないと思う。

でも、ここまで書いてもう1つ思ったのは、どちらも合わせてひとつの新しい精神で、ガンダム風に言えば「ニュータイプ」なのかもしれない。








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