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「あるがままをアルガママに」

李禹煥(リ・ウファン)
彫刻家だと思ってた
国立新美術館へ行って初めて知った
彼は技法の枠を超えている

入ってすぐの作品を見て思った
アタリ
あるがままをアルガママに
彼の表現はまさにそのとおり

作品には大きな自然石がある
そのカタチがいい
置かれた場所がいい
ガラスの上に置かれているのがまたいい

作品は美術館で再構成されて
新しく作られているものもある
これこそこだわり
齢八十を超えてなおも攻める

自然石の作品が好きだ
それだけでストーリーがある
手を加えないまでもその石には
長い月日が刻まれている

石を空間に置く
ガラスの上に置く
そしてガラスを割る
その自然の美しさ

サイレンス
そう名付けられた二つの作品の石の背景には
鉄の大きな板
白塗りのキャンパス

自然物と人工物
元は同じもの
併さると石の持つ静寂感が
きわだつ

石の作品は全て
シリーズ「関係項」という題名
鉄ガラスなどの仲間の素材を組み合せる
見せるのは自然と私たちの関係項

作品には言葉が聞こえる
その言語を読み解くのは楽しい
美しく魅せてくれる
彼の思想哲学を

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