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「ボランティアと社員」

囲炉裏の薪が赤々と燃える中
ボランティアのマシンガントークが
炸裂していた

飛騨白川郷にあったこの邸宅
茅葺き屋根の合掌造り
この煙を絶やしては家がもたないらしい

保存のために毎日薪をくべる
そんな仕事は社員だけ
ボランティアは火をさわれない

勢いよく火の粉舞い散る
黒光りの床にカスが赤く燃える
ボランティアはワイパーを使い消していく

ここは管理が大変そうだ
火を扱うとは
生半可ではいかない

社員を呼んだ
カワイイ女の子なのに
どこかさわるとヤケドしそうな雰囲気

状況を説明されて
社員はただ黙々と薪をくべ直す
彼女の芯の怒りを鎮めるかのように

ボランティアのフリの問いかけにも
ギリギリ答えになるかならないか
そうか彼女たちはうまくいっていないのか

囲炉裏には火を絶やせない
そこでは燃えきらない彼女たちの不和
火を扱うのは難しいな

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