行きたかった、行けなかった
ELLEGARDENとONE OK ROCK〜2組の英雄、3日限りの夢の共演〜
これは2018年8月に10年振りに復活ツアーを行ったELLEGARDENと、復活のキーマンとなり、ツアーの前座を務めたONE OK ROCKについて、2018年9月に『音楽文』へと寄稿したものです。
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音楽にしても、
人にしても、
何かを好きになる過程は
2パターンあると思う。
聴いた瞬間音がドッ!っと突き刺さる
まさに一目惚れみたいな
パターンがひとつと、
最初はそうではなくとも、気づいたら
口ずさんでしまっているような
友達をいつの間にか
気づいたら好きになっているような
パターンがもうひとつ。
色んなバンドを知るにつれて
好きなバンドはどんどん増えていった。
でも、前者のような、
運命なんて言葉は
大げさかもしれないけど
それぐらい、初めて出会った瞬間に
ビビッときたバンドは
後にも先にも
この2バンドだけだと思う。
ひとつは、ONE OK ROCK。
完全感覚Dreamerは
ただただ、衝撃でしかなかった。
そしてもうひとつが
ELLEGARDEN。
SalamanderのPVは
イントロも、サビも、映像も
全てがかっこよすぎて
一瞬で惹き込まれた。
私は、"エルレを知った頃には
活動停止していた世代"だ。
だからこそこの10年間
エルレに支えられてきましたなんて
とてもじゃないけど言えないし、
正直、活動休止しているからこその
付加価値のようなものもあったと思う。
ただ細美さんのブログを読んで
細美さんが大好きな友達と
「エルレ復活したら死んでも
チケット取っていく!!」
なんて、冗談交じりに言っていた。
復活を知ったのは仕事中。
夢みたいで、信じられなくて、
仕事帰りにやっと実感できて
電車で初めて泣いた。
エルレ復活祭とか言って
カラオケでエルレを歌いまくった。
「そんなに好きやったん?」
なんて、聞かれたりもした。
そりゃ、そんなにずっと
一緒の気持ちではいれないよ。
だって、知った頃には
活動してなかったんだから。
でも確かに高校生の時は
めちゃくちゃ聴いてた。
1度でも大好きな時間があったら、
今がどうであれ、それはもう
自分にとって大切なバンドだって
言っていいはずだ。
チケットなんて当たるはずない
と思いつつ応募して、
当然のように落選して。
そして、
私は途中から応募するのをやめた。
仕事上の都合もあったけれど、
やっぱり自分が行くのは違うな
と思ってしまったからだ。
10年前からずっと待ちわびていた人が
たくさん、たくさんいる。
そんな中で私が行ってもいいのか。
その人達が行った方が
エルレも嬉しいんじゃないか。
自分が行きたいという想いよりも
そっちの想いの方が強くなった。
なによりも、
あの頃ライブハウスにいた人達の
懐かしい笑顔が並ぶのを
彼らに見て欲しかった。
だからといって
私と同じ世代でLIVEに行った人を
責めるつもりもない。
あの激戦の中でチケットを
もぎ取った運も、
必死に探して手に入れた努力も
讃えられるべきものだと思う。
それは貴方の頑張りで、
そして、紛れもなく愛だ。
止まっていた時間が動き出した
新木場STUDIO COAST、
仙台PIT
そして、ZOZOマリンスタジアム。
特にZOZOマリンは
知り合いも多く行っていただけあって
なんだかんだいって
羨ましい気持ちが強かった。
誰かのInstagramの
ストーリーにあがっていた
音漏れの高架線を少し聴いただけでも
涙が溢れた。
その分、
今回のROCKIN'ON JAPANは
格段に楽しみにしていた。
買った瞬間、
何かに乗っ取られたかのように
かじりついて読んだ。
48ページなんてあっという間だった。
読み終えた後、
不思議と涙は出なかった。
細美さんの信念、まっすぐさ。
Takaのエルレへの純粋な愛。
楽しみにしていたライブレポは
二の次だった。
それぐらい2人の対談が素晴らしかった。
あと5年早く生まれたかったって
何度も思った。
けれども、今こうして
ELLEGARDENが復活して
再び音を鳴らしているその瞬間を
ONE OK ROCKが
世界に羽ばたいていく姿を
これから先、見ることができる。
それだけで十分じゃないか。
この素晴らしいミュージシャンたちと同じ
平成という時代に生まれた幸せを
改めて噛み締めさせられるような、
そんな対談だった。
山崎総編集長、ありがとう。
ROCKIN'ON JAPAN、ありがとう。
エルレが復活するために
尽力してくれたTaka、本当にありがとう。
ELLEGARDEN、おかえりなさい!
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過去の文章を引っ張り出してきました。
私が初めて音楽文に寄稿した文章。
TwitterでRTしたら、しばらく連絡をとっていなかった先輩や友達が「読んだよ!」って言ってくれて、初めて人に読んでもらえる喜びを知った文章。
実はこの続きとして、2019年に行われたナナイロエレクトリックツアーの模様を『音楽文』に寄稿したのだけれども載らなくて(泣)
それを載せたいということもあり、今回こっちに引っ張り出してきました。また載せます。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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