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ひとり芝居「身内に不幸がありまして」観てきました

入口の黒板が郷愁を誘う……。

渡辺実希さんのひとり芝居を見てまいりました。緩急ついた演技と、小道具の使い方がとても面白いお芝居でした。見えないものを見えるようにする、というか、見立てというのは、演劇ではよくあることなのでしょうが(そういう舞台はラーメンズとか少年社中くらいしか履修してない歯がゆさよ)、今作は本当にそうやるかー! という見立てと所作の合体感があって良かったです。服を着たり脱いだり、本を並べたら閉じたり、そういう所作で、ことばだけ乗せているのではない、演技というものを見せつけられたものです。

原作は、私が大好きな作家米澤穂信作品なわけですが、これを題目として選んだのは膝を打った覚えがあります。読んでいて、この感情の渦のような独り言が、まさか目の前で立ち現れるなんて未来が来るとは思わず……。

メディアミックスとは、再解釈のアプローチの問題だと思うので、こうやって解釈が増えていくのを楽しむことができるのは、本当に良い世界だと思います。昨今は、原作を知らずにアニメや映画だけで分別してしまう人が多いですけど……。

なにはともあれ、気迫のこもった演技に感服いたしました。ありがとうございました。

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