「あなたには価値がある」ということを伝えるだけ
世の中には、自分と合わない人なんて、いくらでもいる。
自分と合わない人とやりとりをすると、やっぱり傷つくことなんかがあったりして、落ち込んだりもする。
「あの人はなんでこんなことを言うんだろう」と考えたりすることもあるけれど、それは、その人のことで頭がいっぱいになってしまって落ち着かない自分が、ただ自分が落ちつくための理由を探しているだけであって、本当にその人に寄り添って、その人の背景を考えようとするようなムーブではない。
もし、本当にその人に寄り添うような気持ちで、「どういう気持ちなんだろう」ということを考えることができたら、争いが減ったり、こちらの気持ちも楽になったりするんだろうなあとは思うけれど、なかなかそのような心持ちにはなれない。
そんな時、一緒に愚痴を言い合える仲間というのは、本当に貴重な存在だなあと思う。
無条件で自分の味方になってくれて、「あなたは間違ってない」「あなたには価値がある」と言ってくれる存在の大きさ、それは何物にも変え難い。
「もっとこうすればいい」とか、「こんなふうに考えた方がいい」とか、そんなことは自分でもある程度はわかっていて、それができない自分にも腹が立つし、そんなどうしようもない自分に寄り添ってくれる人なんていないという孤立感にも苛まれる。
現状を見て、「こうすればいい」というアドバイスは、誰にでもできる。
完璧な人間なんていないのだから、どこかに穴はあるし、穴はなくてもつこうと思えばつつける。
ヤフコメなんかを見ていると、そんな気がする。
ヤフコメの中には、もっともらしいアドバイスをしてくれる人は山ほどいるけれど、ちゃんとその人個人を見て、行動の背景に寄り添って、無条件で味方になってくれる人は、ヤフコメの中には一人もいない。
精神的につらい時には、どんどん孤立の方に進んでいく。
「こんな考え方をする自分がおかしいんじゃないか」
「自分が悪いんじゃないか」
「自分はこの世界に生きていていいのだろうか」
なんてことを考えがちになる。
そんな時、
「あなただけじゃないよ」
「あなたはここにいていいんだよ」
「あなたには価値があるんだ」
と言ってくれる人の存在の大きさ。
自分はクライエントにとって、そういう存在になれているだろうか。
ただ、「あなたには価値がある」ということを伝えることだけに、全振りできているだろうか。
自分が他者から寄り添ってもらうたびに、「自分はまだまだだなあ」と感じる。
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