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読書メモ “考え方“を構造化してみよう

「どうやったらうまく考えられるようになるんですかね?」そう後輩に質問されたら、あなたはどうやって答えますか?

「実験室にこもって何かしらの実験を毎日やることだ。失敗しても気にするな、失敗は成功の母だからな。」
「最後に、何よりも大事なのは、コーヒーだ!カフェインが脳を活性化させるからな。だから、毎日3杯は飲むようにしろ。」
「おお、考える力か?それはな、まずは筋トレだ!頭も筋肉だから鍛えれば強くなるんだよ。毎日100回の腕立て伏せと腹筋を欠かさずにやるんだ。そうすれば、自然と考える力もついてくるさ。あとは、プロテインを忘れずに飲むことだな。頭も栄養が必要だからな!」

こんな感じでしょうか?そんな答えを受けた新入社員はきっとこんな心持ちだと思いますよ。

新入社員の表情は、まるで期待していた答えが全く違う方向に飛んでいったかのように、目が少し見開かれ、口が半開きになっている。心の中では、「え、これが先輩のアドバイス?本当にこれでいいの?」と混乱しつつも、「まあ、先輩も一生懸命考えてくれたんだろうし、ありがたいと思わなきゃ」と自分を納得させようとしている。
頭の中では、「毎日100回の腕立て伏せって、それで本当に考える力がつくのかな?コーヒーで頭が良くなるなら苦労しないよ」と疑問が渦巻いているが、表情には出さずに「ありがとうございます、先輩!」と笑顔で答える。
心の奥底では、「やっぱり自分で考える力をつける方法を探さなきゃな…」と決意を新たにしていることでしょう。

ロジカルシンキングは思考のほんの一部

ここで新入社員がハマりやすい罠は、『ロジカルシンキングに走ること』です。論理的思考は王道中の王道で社内研修が充実している企業だと研修が用意されています。しかし何故、ロジカルシンキングに走ることがダメなのか。
それはロジカルシンキングは思考の“ごく一部”だからです。思考は本来もっと総合的なもの。例えて言うならば、サッカー少年がリフティングの練習だけをするようなものです。全体像を抑えずに一部の能力だけを鍛えても、うまくなると思わないでしょう。それと同じです。

思考は『認知』→『行動』の真ん中に位置するもの

認知:思考のために正確に事象を捉える

思考:考えるための道筋をつける
   理路整然と考える
   考えを深める

行動:思考の行き詰まりを突破する

認知へ

思考のステップ

ロジカルシンキングは『理路整然と考える時』に使えるツールです。これが出来れば、自分の考えを順を追って説明できるようになります。なぜそう考えたのかを相手に伝えることが出来ます。
でも実はそれだけでは足りないです。『理路整然と考える』ためにはその手前で『考えるための道筋をつける』必要があるからです。さらに『考えを深める』作業も必要です。この3つがそろって初めて、思考の箱が完成します。

認知のステップ

思考するには材料が必要です。それを支えるのが認知です。事象や見聞きしたことを正確に捉えて思考のインプットにします。インプットが間違っていたらまともな思考は出来ません。だから的確な認知がいい思考の前提になります。

最後は行動のステップ

認知と思考のステップだけでも充分良くなるのは事実です。でも皆さんも経験がある通り、思考はすぐに行き詰まってしまいます。そのまま放置すると何時間もウンウンと唸っているだけで思考が全然前に進まない!という状態に陥ってしまう。
思考が煮詰まったら『すぐに行動”をするんだ。難しいことじゃなくて、例えば誰かに相談をするとか新しい情報を集めたりすることで、また試行できる状態に戻すことができる。

思考は流れのようなもの

思考は単発の活動ではなく、流れなんです。状況を認知し、思考し、そして止まる。それを行動で打破し、また認知に戻ってくる。こうやってテンポよく、考え方の循環サイクルを回していく必要がある。だから澱みなく考えている人が近くにいたら参考にすると良いよ。

結局ビジネスの世界では、一発で正解を導くことは出来ません。だからこそ、“認知、思考、行動”のサイクルをグルグルと回していって、段階的に思考のレベルを上げることが大切。

仮説を段階的に『確信』に変えていくことが正解のないビジネス世界での戦い方。サイクル全体をスムーズに回すことで思考力が発揮される。みんなもそうだけど、一箇所でも苦手なところがあるとサイクルが止まってしまう。だから強いところではなく、弱いところを自覚して鍛えていくことが思考力向上の秘訣ってワケです。

今日から取り組むならば認知から

ここまで読んでみて、自分の弱いところがイメージできたでしょうか?ピンと来てない人は、ひょっとすると全部が弱いところと感じたのかも知れませんね。
そんな人はまず先に『認知』を意識して鍛えていきましょう。比較的取り組みやすいですし、はじめのインプットが間違っていると次の思考以降がグダグダになってしまうからね。

こんな話しを詳しく知りたいと思ったら、この一冊を手に取ってみてください。
私は2023年7月30日にこの本と出逢いました。

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