PEARL IV From KONISHIROKUをちょっと使ってみて
知る人ぞ知る、中判フィルム蛇腹レンジファインダーの最高峰の一角
KONNISHIROKU PEARL IVです。
生まれたタイミングが悪かったばかりに不遇な扱い(生産期間:半年で5000台弱)を受けますが、KONISHIROKUの当時の技術を結集して作られた名機です。
現代のカメラ、特に中判蛇腹の最終機に近いFUJICA GS645と比べると発展途上な感じがしますが、先代のPEARL IIIと比較すると非常に扱いやすいカメラです。
PERAL IIIと比べるとどのあたりが使いやすいかみていきましょう。
まずは軽く作例
使いやすい部分
大きいファインダー
PEARL IIIのファインダーは小さいです。メガネかけながら使うと見える範囲がかなり狭くなります。PEARL IVはファインダー自体が大きくなったためにこの不満は解消されました。
ブライトフレーム
ブライトフレームがあるとどこが写るのかがわかるので構図決めがやりやすくなります。PEARL IIIにはブライトフレームはありませんでした。
ボディ右側に配置されたシャッター
左側にシャッターが配置されているPEARL I-IIIと異なり、今では一般的な右側に配置されています。これだけで操作感が大きく変わります。使いやすいです。
オマケ感のないコールドシュー
PEARL I-IIIではなぜか右肩上部に配置されていたコールドシュー。ボディと干渉するおかげで使用できないアクセサリーが多かったです。これが中央に配置されて便利になりました。
右肩に配置された巻上げノブ
PEARL I-IIは赤窓方式、IIIは自動巻き止めと進化はしていますが、巻き上げ装置の場所がボディ右下でした。特別使いにくい訳でもないのですが、通常のカメラと統一されたことでカメラを持ち替えても違和感がなくなりました。
自動巻き止め
自動巻き止めだけならIIIにもありましたが、巻きやすさが大きく変わりました。ダイアルが指一本で回せる程度の力で回るののありがたいです。
フィルム装填がポップアップ式で装填しやすい
I-IIIはボディのフィルム装填部に設置された鉄板を押し上げてフィルムを装填するのですが、この場所が狭く難儀します。IVでは、フィルムを装填する部分のボディ下部が飛び出て装填しやすいものとなりました。
多重防止機構
IVから登場した新機構です。巻き上げた後にシャッターを切ってシャッターチャージしても、新たに巻き上げをしない限りはシャッターが切れないという仕様です。多重撮影が好きな方にはウケの悪い機能かもしれないですが、私にとっては歓迎すべき機能です。
三脚の固定位置が中央
三脚穴が中央に配置されています。そのおかげかバランスの良いボディとなりました。
作例2
微妙な点
視差補正がないブライトフレーム
視差補正機構はないのでブライトフレームは可動しません。
代わりに無限遠と近接域でどの範囲が写るのかの指標がついています。
癖のあるグリップ感
ボディを持つのではなく、展開した前蓋とボディを挟み込むような形でホールドします。手の小さい方には使いにくいかもしれません。
巻上げとシャッターチャージが非連動
記載の通りなのですが連動しないためそれぞれ操作を行う必要があります。私はこの機構を不便と思ったことはありません。GS645を見る限り、この部分は別で問題ないとさえ思います。
連動式シャッタースピードダイアル・絞り環の操作
LV方式のためか、シャッタースピードと絞りとLVの値を示すインジケータが連動しています。個別に操作もできますが、やや癖ありです。
ストラップホールがない
こればっかりはどうしようもないですが、不便です。
三脚穴にストラップホールを装着して使用しています。
その他良い点
作りが意外とシンプル
シャッター、蛇腹部分、前蓋のシャッターとレンズの連動機構が意外とシンプルです。レンズシャッターの取り付けも難しくなく、裏蓋側からネジを緩めれば外すことができます。妙な仕組みがないという印象です。
剛性感のある頑丈な作り
適度に重量もあり、トッププレートも大きくがっしりしています。デザインは先代のPEARLたちとは似ていません。どちらかというとGS645に似ている印象です。
なかなか数は少ないかもしれませんが、GS645よりは壊れにくそうで長く使えそうなところが個人的に非常に気に入っています。
今後の活躍が楽しみです。
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