見出し画像

KONISHIROKU Pearl IV フィルム7本分使ってみて

タイトルの通り、最近手元にやってきたPEARL IVをちょいちょい使ってみましたので読んでください!


挨拶

BRONICA GS-1、FUJICA GS645と中判カメラを使いましたが、どちらも早々に壊れたり訳アリの状態で使えるといったものでした。確かに中判カメラは写りが良いですが、重くて壊れやすいというイメージが染み付いてしまいました。

しかし、そんなときにコンパクトさと写りの良さでPEARL IIIに惹かれ、その使いにくさを克服した後継機であり最終形態であるPEARL IVを手に入れることができました。

1958年製で5000台以下のレア物です。そんな70年近くも前のカメラですが気に入って使っていて、最近ではどこに行くにも鞄に忍ばせています。

そんなPEARL IVの使い勝手について紹介させていただきます。写真の写りについては、まだお見せできるような作例は少ないので今回は割愛します。実際のところ7本撮影しましたが、現像できたのは2本程度です。


この記事がPEARL IVに興味を持つ、手にするきっかけになれば幸いです。


PEARL IVのいいところ

軽量小型

カバーの開き方と持ち方に多少のクセはありますが、慣れてしまえばカバーをグリップのように扱えてホールド感も良く、しっかり握ることが可能です。

アクセサリーシューの位置の改善

このカメラは完全機械式で、セレンの露出計も搭載していません。そのために測光するためには外部露出計が必要となります。
先代までのシリーズはなぜか右肩にアクセサリーシューがあり、配置も微妙なために外部露出計をつけることができませんでした。
このモデルではアクセサリーシューの位置が見直されて中央に配置されているので、問題なくセットすることができます。
露出計の壊れたGS645と、35mmカメラではライカM4がメインのため、撮影時の露出計操作には特段不満はありません。

レンジファインダーについて

ファインダーは大きく見やすいです。GS645と同じく紫がかったレンズとなっていて、ピント合わせ部分は黄色となっています。

私の機種のみなのかはわかりませんが、被写体に対して水平ではなく角度があるものを撮影しようとすると縦ズレが発生する傾向があります。なぜでしょうか。

クローズアップファインダー

このカメラ、というかレンジファインダーは共通して接写が苦手です。
ですが、このカメラにはオプションでオートアップというものがあり、それをつけることで最大63CMまで寄って撮影することが可能となります。ちなみに普段の最短教典距離は1.2Mです。

このオプションはPEARL IV専用のものも用意されているのですが、レア物中のレア品なので中古市場に流れることはほぼないでしょう。そこにこだわりがなければPEARL I―III用のオートアップを使用することはかろうじて可能です。

本当に近接域の63CM付近と限定されますが近接撮影もできる中判レンジファインダーの数は多くないのでおすすめであります。


大きいファインダー

先ほども言及した通り、大きくなったことで視認性が向上していることは言うまでもありませんが、それに加えてブライトフレームが搭載されています。
この機能といえばどの範囲が写るのかを明示してくれる機能であり、ライカ等だと視差調整機構が組み込まれていて自動で補正されます。
本機種もブライトフレームは備えていますが、残念なことに視差調整機構は備えていません。しかし、代わりに最短焦点距離時と無限遠時にどの範囲が写るのかを示したフレームが表示されています。

目安ではありますが、PEARL IIIまで搭載されていなかった機構であり、視差を恐れることなく撮影に集中できるようになるこの機能の存在は大きいと評価せざるを得ません。


巻き上げとシャッターチャージについて

これらがリンクしておらず個別に動いているために、巻き上げとチャージは個別に行う必要があります。これが進化すると巻き上げを行うだけで同時に動くようになります。確かに同期している方が操作の手数が少なく扱いやすいでしょうが、私はこの別々の機構で文句や苛立ちを感じたことは一度もありません。

別れている方が、機構が単純で故障に強そうだとさえ感じています。長く使うことを前提とするのなら、むしろ歓迎すべき機構であると言えるでしょう。

フィルム装填について

Pearl IIIと比較してずいぶんと楽になりました。こちらはフィルムをボディ内の鉄板に押し込む形式ですが、サイズ感がシビアで入れるのにやや難儀します。

一方のPEARL IVはフィルムの留め具が飛び出すポップアップ式になっており非常に装填しやすくなりました。


ちょっとイマイチなところ

深めのシャッターストローク

シャッターはストロークが深めです。このストロークの2/3くらい押した段階で、シャッターが切られた判定がなされて巻き上げのロックが解除されます。

もし、2/3ほどシャッターを押して巻き上げロックが解除された後にシャッターを押し切らずに手を離した場合、巻き上げはできますがシャッターが切れない状態に陥るので注意が必要です。

そうなってしまった場合は、シャッターリンクの代わりに自身の爪などでレバーを押してやれば切ることはできますが、中途半端に押すことはおすすめしません。


クセのあるシャッタースピードと絞り操作

この機種はライトバリュー方式が採用されていて、シャッタースピードと絞りの値からLV値を算出します。その関係なのかシャッタースピードと絞りの動きが連動していて、どちらかを動かすとどちらも動いてしまいます。

どちらかのみを操作したい場合は操作ピンを押し込むことで同時操作のロックが解除されます。この状態でなら独立した操作が可能となります。

私の使い方としては、まずシャッタースピードを合わせて、その後にピンを解除し絞りを操作しています。

この操作体型は正直不便ですが、それでもPearl IIIと比べると扱いやすいものとなっています。


ストラップ環のないボディ

見た目は精悍で無骨、潔さを感じる無駄のないデザインです。
見ていて飽きずにどこにでも持ち出したくなるのはこのカメラの魅力かもしれません。ただ、ボディにストラップを取り付ける部分がないことだけは解せません。

もし購入されるのならケース付きをおすすめしますが、自分の好みのストラップをつけるとなると多少の工夫は必要です。


その他

写真の写りについて

非常にシャープで立体感のある写りです。
コントラストはほどほどに強めでありボケはきれいな部類です。

Pearl IIIと実質的なレンズは変わらないはずなのですが、こちらの方がカラー撮影に向いているように感じました。

使えば使うほどGS645はこのカメラの弱点を解消したカメラであると評価せざるを得ません。

あれで金属外装(シルバー)で、蛇腹とシャッターが強ければ非常に良いカメラだったのですが、、、


私観

私としては、見た目が気に入っていて使っていて楽しいカメラなので何も文句がないといったところです。壊れても修理はしやすそうなカメラではありますし、実際に修理を受け付けてくれるお店も存在しています。それなので、できるだけ長く使っていきたいカメラの1つです。

現像から写真が帰ってきたら写真を見つつ実写レビューも行ってみたいと思います。



ありがとうございました。



ちょっと宣伝・・・

レンズ紹介本

私が持っているMマウントのレンズを撮り比べてそれについて見解をまとめた本です。

 →KINDLE Unlimitedに入会されている方なら無料で読めます
作例もめっちゃたくさん載せてますのでそれを眺めるだけでも楽しいかと思います!

よろしくお願いいたします✌️
本日もありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?