【次男、営業に転勤だってよ!】

次男が転勤になりました。
と、言っても家から歩いて通勤していた本社からまたまた歩いて別の方角に通勤しています。
入社して5年間、海外や地方への長期出張を繰り返し、東京に落ち着いた様です。
で、今までは現場で【何か】をする仕事だった様ですが(全く何の仕事かはわからない私)今度は営業、、
えー!!え、え、営業ーっ!?

おいおい、大丈夫か、営業?
母は心配なのだよ。

何故ならば遡ること12年前、
次男が高校2年の夏休み。
あまりに遊ぶお金を使うので、「バイトしろ!」となった訳です。
で、決めてきたのが近所のセブンイレブン。
当時は長男もバイトしていたコンビニでしたが、すれ違いで辞めた後でした。
「多分、仕事を頑張る長男の弟くんだから、大丈夫」くらいの採用だったと思います。

友達とは大声で話すくせに、反抗期的な意味で私とは蚊の鳴く様な返事しかしません。
そんな次男がサービス業の仕事が勤まる訳が無い、、と思っていたので、コンビニバイトを決めてきたのには驚きでした。

「どんなに大変でも、せめて1週間。一か月は嫌でも頑張りなさいよ。」と、母は伝え、願いました。

そして2日目。
「バイト辞めた」と。

もしもし?まだ2日目ですよ。
せめて、3日働いて「3日坊主」と言わせてくれよ!

母は気になり、次男に聞いたのは次の言葉です。
「何故辞めたのか?それともクビになったのか?」

で、矢継ぎ早に次男に聞くわけですよ。
「何か失敗したのか?」
「何かをして怒られてたのか?」

答えは全て「NO」
じゃあ何故辞めたの?

「店長にお客さんの前では、笑顔で、と言われた。」

「・・・・⁉︎」
「笑顔でと、、、言われた、、、」

「当たり前じゃないか!だって
客商売だろー、ろー、ろー、」と、山に向かって叫びたいところですが、落ち着いて聞いて聞いてみる。
「笑顔で、、と言われて、何故辞める事になったの?」。

すると、 
「知らない人に笑顔は振りまけないと言って、辞めた」と言ったのです。

ショーゲキ的過ぎる次男の発言に、親の顔が見たくなった。
(鏡、持ってこーい!^_^)

つまり、サービス業のバイトを選んでおきながら、思春期独特な仏頂面で、お客さんには笑顔は見せられない!
強いコダワリでR。

私は暫し、ボー然。
何故なら、実家もうちも代々商売家であり、お客様には笑顔で挨拶をし頭を下げてお見送りをするのが商人であり、「笑わない」選択を私はした事がないのだ。
むしろサラリーマンを選んだ家族が全く居ない中で、いや、サラリーマンであったとしても、「笑顔」は要るだろう。
一時は俳優の鈴木亮平さんにそっくりだった次男も、当時はゴリラに似ていて、
コンビニ行って、ゴリラっぽいのが笑顔も無く、レジしていたら、そりゃ怖いだろうー。

辞めてしまったのは仕方がないけど、母は次男の将来を案じ、
次なる行動をとるのです。
「ジュエリーデザイナー」と「犬の訓練士」になる為の専門学校のパンフレットを取り寄せる。

ちょっと説明します。
何故「ジュエリーデザイナー」なのか。
それは次男が描く絵が上手い訳ではないけど、何とも味わいがあり好きなんです。
宝石は母が好きで、きっと次男がデザインした宝石をプレゼントしたら喜ぶだろう、、と私の便乗親孝行も見え隠れ。

そして「ドッグトレーナー」。
うちで飼っている犬のマロちゃんが、私がどんなに散歩やご飯をあげていても、次男が帰った途端に裏切る様にすっ飛んで次男の所へ行き、側から離れないのです。
散歩も餌をあげることも全くしないのにですよ!
どちらも人間相手の仕事ではないと思い、知らない人間には笑顔を見せなくても、犬とは心が通じ合うんだろうと、、。

そんな訳で、
「ジュエリーデザイナー」と「ドッグトレーナー」なのです。
本当に安易などうでも良い、意味のわからない判断でした。

息子が息子ならば、親も親だと、思うでしょう。
全くその通りです。
今の私もそう思います。
でも当時の私は真剣でした。

そして夏休みも終わり、三者面談の時です。
当然、進路相談ですから大学受験についての話になります。
でも私は例のパンフレットを持参して、
「カクカクしかじか」と、夏休みのバイトについて話したのです。

そして担任の先生からの
ショーゲキな一言が!

「お母さん、学校はバイトは禁止なんですよ。」
「!!!😳」

親がチクッてどうする状態です。

でも先生は
「気持ちはわかります。
まぁ、いい経験をした、と言う事で、、」と、見逃してくれたのです。

どれだけ救われた状況だと言うのもソコソコに、
「大学ではなく、どちらかの専門学校に行かせたいと思います!」

全く次男本人の意思は汲み取らず。いや、むしろ、次男はこの時初めて、母の野望を知ったのです。

「まぁ、あと一年ありますから、ゆっくり考えましょう」と言う担任の救いの言葉に、次男はどれだけ救われた?かと思いきや、

【いつもの母の感じ】として、
然程も気にせずに笑っていました。

その1年後、次男の進路はどうなったのか、、
まだまだ母の野暮とドジは続くのでした。
終わり。

#次男
#バイト
#転勤