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タイトルこれでいいのかな?って思った『アーニャは、きっと来る』

【基本情報】

 原題:Waiting for Anya
製作年:2019年
製作国:イギリス、ベルギー合作
 配給:ショウゲート

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:129/195
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

1942年、第二次世界大戦中のフランス。ピレネー山脈の麓に佇む小さな村に住む、13歳の少年・ジョー(ノア・シュナップ)は、平和な日常を送っていた。

しかし、ある日、ナチスの迫害から逃れてきたユダヤ人・ベンジャミン(フレデリック・シュミット)と知り合い、ユダヤ人の子供たちを山の向こうのスペインに逃す救出作戦に協力することになる。

そのような中、ついにのどかな村にもナチスがやって来た。村がナチスに占領される中、ジョーは自分の家族や友人、ユダヤ人、ドイツ兵らとの関わりの中で、彼らの境遇や人生を知る。

村人たちを巻き込んだ救出作戦の行方は。

【感想】

完全なる実話ベースではないようですが、実際にスペインにユダヤ人を逃がしたという話はあって、それに着想を得た同名小説の映画化です。

僕は小説は読んでいないのですが、映画を観る限りにおいては、実はアーニャのくだりはそこまで大きな比重を占めているわけではなく、どちらかと言えば、ベンジャミンをはじめとしたその他ユダヤ人の救出劇の側面が強かったです。だから、「タイトル、これでいいのか?」ってちょっと思ったりもしますが(笑)

また、戦争を舞台にした映画ではあるものの、えげつないシーンもなく、暗い雰囲気は少ないですね。こういう小さな村が制圧されたとなると、ナチスのやつらがブイブイ言わせて、遊びで人を殺すようなイメージが強いですが、本作ではジョーとナチス将校との交流も描かれており、彼らの中にも優しい人っていたんだなと意外に感じたほどです。

当然、ユダヤ人たちは常に身を潜めなくてはなりませんが、事あるごとにナチス将校たちが突発的な捜索を行ったりするので、見つかりやしないだろうかとハラハラするところもあり、当時のユダヤ人たちの生きた心地のしなさを垣間見ることもできます。

後半からラストにかけては、まさかの展開もあって、個人的にはそれなりに楽しめましたが、、、いかんせんタイトルと中身のギャップがあるのと、結局、誰の視点で観ればいいのかっていうのがわかりづらいので、ちょっと感情移入しづらいんですよね。ジョーがメインにはなっているんですが、ベンジャミンの気持ちも汲めるし、でもタイトルはアーニャだしな、、、っていう葛藤です(笑)

僕はどのような作品であれ、映画館で観ることにこだわる派ですが、一般的な感覚で言えば、この作品に関しては家で観るでも充分かもしれません。


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