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ムショ帰りでシングルマザーの母親ががむしゃらに夢を追いかけて栄光をつかんだ『ワイルド・ローズ』

【基本情報】

 原題:Wild Rose
製作年:2018年
製作国:イギリス
⠀ 配給:ショウゲート

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:15/76
夢と現実🤔:★★★★★
⠀ ⠀ 感動😭:★★★☆☆
⠀ ⠀ ⠀ 歌🎤:★★★★★

【ストーリー】

2人の子供のシングルマザーであるローズ=リン・ハーラン(ジェシー・バックリー)は歌手を夢見て地元のクラブでバンド活動に励んでいたものの、
クスリの密輸に加担したことで12ヶ月の間刑務所にいた。

しかし、晴れて出所できたはいいものの、クラブは解雇され、子供たちは祖母になつき、仕事も家庭もうまくいかない状態に陥ってしまう。

そんなとき、地元の資産家スザンナ(ソフィー・オコネドー)の家で家政婦として働くことになるが、ローズ=リンの歌に興味を持ったスザンナが、録音した歌を知人のラジオ・パーソナリティに送ったことで、一度会ってみないかと提案を受ける。

そこで、「自分で曲を作りなさい」とアドバイスされたローズ=リンはやる気を出し、さらにスザンナのパーティーで歌うことで出資者を募る計画も出ていたのだが、当日思わぬハプニングに見舞われることになる。

【感想】

これはオススメできる映画ですねー。正直、歌手を目指す女性が夢を叶えるって映画自体はめずらしくはないんですよね。最近だって、レディー・ガガの『アリー/スター誕生』や、エル・ファニングの『ティーンスピリット』なんかがありますからね。

でも、今回のこの映画は“2人の子供を抱えるシングルマザー”という時間の融通が利きづらい状況に加えて、“前科者”という社会的な制限もある中で夢に向かっていく物語なので、まあ後者はともかく、前者は自分のまわりにも“親”となる人が増えてきたことを考えると、割とリアルな話として捉えることができました(僕は親じゃないですけどねw)

特に、ローズ=リンは自分の夢ばかり優先するもんだから、子供たちと遊ぶ約束もすっぽかす始末で、母親のマリオン(ジュリー・ウォルターズ)から、「夢ばっか見てないで責任を持ちなさい」と何度も叱られるんですよ。

そのたびに、自分の夢を追いかけたい気持ちと、子供たちの面倒を見なければならない現実との間で板挟みになって葛藤する姿は、子供がいる人ならより共感しやすいと思いますね。

いや、やりたいこととやらなければならないことの葛藤は何も子育てに限らず、他のところでも起こる問題かもしれません。

もちろん、子供が憎いとかそういうことはまったくないですよ?ただ単純に、自分の夢を追いかけたい気持ちの方が圧倒的に強いんですよね。「あたし、歌の練習とかあるから子供の面倒しくよろ!」って子供を押し付けるぐらいには強引なので(笑)

そうやって葛藤を抱えながらも突き進んでいく主人公の姿は胸が熱くなるし、母親の秘めた想いに涙ちょちょ切れる展開もあって、いい映画だなーって思いました。

しかも、主演のジェシー・バックリーの歌唱力がすごいんですよ。なんか、海外の女優さんってみんな歌うまくないですか?欧米人の方がもともと歌唱力があるのかはわかりませんが、本当に聴き惚れる歌声だなって思います。

【その他】

今作で主人公を演じたジェシー・バックリーですが、日本で公開されてる最近の映画にもけっこう出てるんですよ!『ジュディ/虹の彼方に』と『ドクター・ドリトル』なんですけど。しかも、そのどれもが全然違う役どころなので面白いです!


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