我が子にどう罪を自覚させ、向き合わせるかを考えさせられる『許された子どもたち』
【基本情報】
製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:SPACE SHOWER FILMS
【個人的順位】
鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:21/77
⠀ ⠀ ⠀ 衝撃😳:★★★★☆
⠀ ⠀ ⠀ 怒り😡:★★★★☆
社会的意義🤔:★★★★☆
【ストーリー】
中学1年生で不良グループのリーダー市川絆星(上村侑)は、同級生の倉持樹(阿部匠晟)へのいじめがエスカレートし、ボウガンで彼の首に矢を当て殺してしまう。
一度は罪を認めたものの、証拠が不十分であったことや、母親の説得で否認に転じたことから、市川は少年審判は無罪に相当する「不処分」となる。
やっと自由を手に入れたと思ったのも束の間、世間からの大バッシングに遭い、市川一家は家を転々としていくことになる同時に、被害者遺族は民事訴訟を決意する。
法的には許されてしまった少年の罪との向き合い方が今問われる。
【感想】
正直、これは重たいです。。。あらゆる負の感情が刺激されるような映画でした。。。
もうね、冒頭から胸糞悪いんですよ。不良グループによるボウガンでの殺害。ここの血流とか生々しくて。。。しかも、「ウチの子がそんなことするはずありません」って、まあ親ならそう言うんだろうけど、あまりにも我が子を妄信しすぎる母親にも腹立ったし、裁判シーンにおける被害者遺族に対するまわりの機械的な対応もひどかったです。。。
それでいて、不処分ですからね。。。いくら犯行を証明できなかったからと言って、あまりにもやるせない展開に怒りがこみ上げてきました。
なので、その後の世間からの大バッシングに関しては、「ざまーみろ、自業自得じゃ!」っていう気持ちはあったんですけど、今度はそのネット民や野次馬たちに対しても不快感が出てくるんですよね。
もちろん、罪を犯した方が100%悪いのは当然です。でも、まわりの「自分こそ正義」と言わんばかりの有象無象の輩が、自らの正義を振りかざして好き放題やるのは何様なんだろうと。「天誅」とかって言ってましたけど、天になり代わってすらいないよなって思いました。
ここは昨今のSNSにおける誹謗中傷そのまんまだと思いますね。改めて、『3年A組』で菅田将暉が発していたメッセージを思い出します。
これはもういろんな意見が出る内容ですよ。加害者の立場、被害者の立場、第三者の立場で、それぞれ主張するべきことがたくさんあるだろうから。僕もそうですが、大体の場合は被害者側に同情して、加害者側に対して怒りを持つことが多いと思います。でも、この映画で現代における加害者側に訪れる末路を目の当たりにすると、なかなかに複雑な気持ちになります。
最初は何も考えてなさそうだった市川が、だんだん罪と向き合おうと変わっていく過程は見ごたえあったし、仮に自分の子供が罪を犯したとしたら、どうやってそれを自覚させ、親として向き合うべきなのか考えさせられる話でした。
僕だったら、自分の子供を信じたい気持ちはもちろんありますが、何よりも真実がどうであったのかを知ることを優先するかもしれません。
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