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不条理さと悲しさと力強さと『レ・ミゼラブル』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:13/55
⠀ ⠀ ⠀ 衝撃😳:★★★★☆
⠀ ⠀ 悲しみ😢:★★★☆☆
社会的意義🧐:★★★★☆

これは強烈でした。。。あのジャン・バルジャンで有名な『レ・ミゼラブル』と同名のタイトルにしてくるからハードルがすごく高くなっていたのですが、中身は荘厳なミュージカルではなく、パワフルでバイオレンスで悲しい映画かつ衝撃のラストで、期待を大きく超えていました。

【どんな映画?】

舞台はパリ郊外にあるモンフェルメイユです。あのミュージカルの『レミゼ』と同じ街です。しかし、いまや移民や低所得者が多く住む危険な犯罪地域となっています。犯罪防止班に新しく入った警察官のステファン(ダミアン・ボナール)は、仲間とパトロールをするうちに、複数のグループ同士でいざこざがあることを知ります。そこに、イッサ(DA PUMPじゃないよ)という少年がサーカスからライオンの子供を盗んだことがきっかけとなり、事態は取り返しのつかない方向へと発展していくというものです。

【感想】

これは、いろいろ考えさせられる映画ですね。パリといえば、綺麗でお洒落なイメージです。映画好きなら『パリの恋人』を思い出し、オードリー・ヘプバーンを想起する人もいるかもしれません。

しかし、ちょっと郊外に行くと、貧困や移民の問題に直面し、そこに暮らす人々の政治や社会に対する鬱憤が渦巻き、ストレスフルな状況の中で、暴力や怒りでしか主張できなくなってしまうのです。この映画は監督が経験したことが元になっているようですが、彼もまたそういう環境で育ってきているのです。

そんな背景がある中で、一番やべぇなと思ったのが、ステファンの同僚であるクリス(アレクシス・マネンティ)です。彼は自分が警察官という立場であることを利用し、「俺が法律だ!」と大声で主張します。ちょっとでも怪しいと思ったら即詰問。令状の有無なんて関係なしにやりたい放題。まあ、これは日本の刑事ドラマでもために見かけますが、クリスははっきりってやり過ぎです。こんな国家権力ありかよと思うほど。新人のステファンも引き気味でしたからね。。。

そして、ラスト30分の息を飲むクライマックスシーン。警察のおごった態度が仇となり、イッサやまわりの若者の闇が爆発します。若いがゆえに止めどころを知らないそのうねりはもはや"暴動"。怒りがどんどん伝播していく様子はまさに恐怖。ラストシーン、、、あなたはどう考えますか。。。

これは絶対に観た方がいい映画です。
不条理さと悲しさと力強さに満ちた世界をご覧ください。


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