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アン・ハサウェイの美しさとネズミのかわいさにやられる『魔女がいっぱい』

【基本情報】

 原題:The Witches
製作年:2020年
製作国:アメリカ
 配給:ワーナー・ブラザース映画

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:45/185
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★★☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

1960年代、この世界には魔女が実在するという。"ぼく"(ジャジール・ブルーノ)は街で魔女と遭遇してしまい、身を隠すためにおばあちゃん(オクタヴィア・スペンサー)と共に海の見える豪華ホテルへと居場所を移す。

その豪華ホテルに現れたおしゃれな美女軍団。児童愛護団体を称してはいるものの、彼女たちの正体は魔女。その中心にいるのは、最も美しく世界一恐ろしい大魔女グランド・ウィッチ(アン・ハサウェイ)。

彼女はとてつもない企みがあることを明かすが、その場に偶然居合わせた"ぼく"はその内容を知ってしまう。

大魔女は少年をネズミに変えてしまうものの、そこから世界中の魔女を巻き込んだ思いもよらない方向へと物語は進んでいく。

【感想】※最後の方にネタバレありです。

いやー、これはもう反則じゃないですかね。アン・ハサウェイの艶やかな美しさと、ネズミのコミカルなかわいさが。

原作はロアルド・ダールの『魔女がいっぱい』という小説で、彼は『チャーリーとチョコレート工場』の作者でもあります。

実は映画化はこれが2度目でして、1990年にも『ジム・ヘンソンのウィッチズ/大魔女をやっつけろ!』というタイトルの作品があるんですよ。日本では未公開で、現在ではVHSしか存在しないのですが、僕は執念でそれを探し、不屈の魂で再生できる場所を見つけて予習しました(笑)なお、そこで大魔女を演じたのはアンジェリカ・ヒューストンで、『アダムス・ファミリー』のお母さん役が有名ですね。

新旧比べてみると、細かな設定の違いはあるものの、話はほぼいっしょです。だから、ストーリー的には「あんまり変わってないなー」って思ったんですけど、今回の映画の魅力は冒頭にも書いた通り、アン・ハサウェイの美しさとネズミのかわいさなんですよ。

1990年版は大魔女がものすごく醜くて、もはやクリーチャーなんですよね。小さい頃に観たらトラウマになりますよ、絶対。

一方、今回の大魔女は不気味なところもあるんですが、美しさを残している分、お化け的な怖さではなく、畏怖の念を抱くんですよね。もう、こんなに美しくも恐ろしい役をこなせるアン・ハサウェイがすごすぎて。なんでこんな強いキャラクター性を打ち出せるんだろうって、洋画のファンタジー映画を観ていつも思います。邦画だとコスプレ感出ちゃうことが多いですが、向こうは完全にキャラクターそのものっていう気がするから好きです。

ネズミも1990年版では、アップのときはロボット、引きではリアルなネズミを使い分けていたんですが、今回はすべてCGで描かれています。だから、二足歩行で歩きますし、身振り手振りを交えながら人の言葉もしゃべりますし、ディズニー映画ばりに人間っぽさがあるのが余計かわいかったです。

ストーリーは同じでも、この30年で劇的に映像技術が進化している分、
今回の映画の方が断然面白いと僕は思いますが、レビューサイトを見ると、
現時点ではけっこう低いんですよねー。なんでだろう。ネズミにされた少年たちが大魔女をやっつけるというアメリカ映画らしい冒険感ある話はハラハラドキドキして面白いし、キャラクターも愛くるしいし、さらには、少年たちがネズミにされてもまったく悲観的にと捉えていないところが、この映画を明るく幸せな雰囲気にしていてとてもいいのに。

ちなみに、1990年版と2020年版において、ストーリー的なところはほぼ同じだと言いましたが、唯一ラストだけ大きく違うんですよ。そのラストについて、当初この感想文を書いたときは明言しませんでしたが、2021年11月18日(金)の時点で追記しておきます(後から自分が見て忘れないためにw)。1990年版では、最後、少年が人間に戻ります。もともとの原作である児童文学の方でも、人間には戻らない結末らしいので、むしろ今回の映画の方が原作に忠実といえるでしょう。1990年版は子供向けの印象が強いので、あまり怖くない終わり方にしたのだと思います。まあ、そのせいで、ネズミにされてしまったことによる「運命を受け入れる」だとか、「人間だろうがネズミだろうが気の持ちようで悲観的に捉える必要はない」だとか、そういうメッセージ性はなくなってしまいましたが。

やっぱり、アン・ハサウェイいいなー。彼女の両親に、彼女を生んでいただいたことを感謝したいですね(笑)


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