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邦画にしては珍しいタイプだけど、洋画のそれと比べると物足りなかった『いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~』

【基本情報】

製作年:2020年
製作国:日本
⠀ 配給:アークエンタテインメント

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:81/101
⠀ ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

アラサー女子の杉山結子(文音)は、外ではイケイケ女を気取っているものの、私生活では超絶地味な見栄っ張り。

ある日、美人でハーフの澤野セツコ(石田ニコル)と出会い、お互いの存在に火花を散らすが、セツコもまた私生活は地味な見栄っ張りで、お互いにシンパシーを感じる。

いまだにロストヴァージンを迎えていない結子は、彼氏獲得に励む日々を送っているが、そんな矢先、セツコから結婚相手を紹介される。

現実を受け入れられない結子はセツコの結婚にダメ出しをして2人の仲は険悪ムードに。

果たして「女の友情」は儚いものなのだろうか。

【感想】

あー、惜しい!なんかすごく惜しい!タイトルの昭和感に惹かれて観ましたが、絶妙に足らないところがあって物足りなさ感が残る映画でした。

これ、原作漫画は読んでいないんですけど、昔、榎本加奈子が出てた『可愛いだけじゃダメかしら?』としてドラマ化してるみたいなんですよね。僕、そのドラマ毎週観てて、榎本加奈子の振り切ったキャラがけっこう好きでした(なお、原作と内容は大きく違うらしいです)。

で、今回の映画は、長らく男子がやってたバカでアホで体張るっていうポジションを女性がやるんですよ。友情と恋愛に揉まれながら。

そういう女子がハジけるのって洋画ではよく見かけますよね。ジャンルは違うけど『テルマ&ルイーズ』は女性2人の逃避行という設定がぶっ飛んでたし、今度8月21日に公開予定の『ブックスマート』なんかはまさに若気の至りを極めたような話で、ハリウッド映画の十八番みたいな感じがします。

でも、邦画ではあんまりそういうの見かけないので、今回の映画はけっこう珍しいなと思っったんですよ。女性が普段見せるかわいさや綺麗さだけではない、家ではすっぴんジャージでカップラーメンすするとか、散々ビビって処女守ってたのに、酔った勢いであっさりロストヴァージンしちゃうとか、
そういう人間らしい部分をあけっぴろげに見せていたのは笑えました(笑)

女性は女性という仮面をかぶっているだけで、普通の人間なんだということをまざまざと見せつけられる内容です。

が!

足りないんですよ。。。全然。。。そう思ったのは、先に挙げた洋画のようにもっと振り切った内容を期待したというのが一番の理由ですかね。本作のやや冗長な作りとイマイチはっちゃけきれていないテンションに正直物足りなさを感じてしまいました。

どうせ飲むならもっと豪快に飲んで吐いて欲しかったし、下世話な話や下ネタもどんどん挟んで欲しかった。もっと貪欲というか、バカさを見たかったんですよね。まあ、そもそもそういうのは目指してないって話かもしれませんが、個人的には洋画のノリにしようとして行き着けなかった印象が拭えなかったです。

これ、もしハリウッドだったら男を見定めるシーンとかで絶対チ○コの話出してきましたよ。「彼はキュートだけど、サイズ的に絶対アレよね」みたいに。で、その日のうちにベッドインからの、翌日女性同士で会ってサイズの話で盛り上がるって展開が目に浮かびます(そして、ホットドッグを頬張るというベタな演出)。

また、女同士の友情を描いてはいるみたいなんですが、結子とセツコが仲良くなるポイントがわかりづらくて、基本的に結子の恋バナがメインに進んで行くため、タイトルほどのインパクトはなかったかなあという印象です。もっとはっちゃけられる気もするんですがね。。。ただ、意外と結子が常識人だったりするので、あんまり激しくはいけないのかもしれません(笑)

この映画の中には「女性の幸せとは」みたいなメッセージもあったんですが、物語の終わり方からして、結局、幸せの形は人それぞれだし、誰かから愛されることがよいみたいな雰囲気になっているのが一般論すぎるというか、ちょっと一昔前みたいな感じはしました(まあ、原作自体は昔のものdすけど)。

あと、結子がセツコの結婚相手をディスるシーンがあるんですが、「おまえ何様だよ」としか思わなかったし、これ観客の共感得られるのかなって考えちゃいました。まあ、あくまでも男目線ですけど。

この映画、全体的に女性の感想を聞いてみたいですねー。個人的には、すごく面白くなりそうな題材だっただけに惜しいなー。


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