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実写版と雰囲気が大きく異なる『アダムス・ファミリー』

【基本情報】

 原題:The Addams Family
製作年:2019年
製作国:アメリカ
 配給:パルコ

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:122/133
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【あらすじ】

人里離れた山奥で結婚式を挙げたモンスターのゴメズとモーティシア。彼らは人間たちに故郷を追われ、丘の上の荒れ果てた屋敷にたどり着く。

時は流れ、夫婦は長女ウエンズデーと長男パグズリー、執事ラーチと共に平穏な日々を過ごしていた。

そんな中、パグズリーは一族にとって重要な儀式である「セイバー・マズルカ」を親戚たちの前で披露するため、練習に励む日々だがなかなか上達しない。

また、ウェンズデーは丘の下に住宅地があり、そこに大勢の人間たちが住んでいることを知る。自分たちとは全然違う世界に興味津々の彼女は、人間の中学校に通って普通の生活を試してみることにするのだが、その住宅地にはある秘密が隠されていた。

そして、アダムス・ファミリーにとって思いがけないピンチが訪れる。

【感想】

1991年および1993年に公開された実写映画『アダムス・ファミリー』シリーズの最新作。でも、話のつながりはまったくなく、改めてイチからスタート。そして、何より今回は全編フルCGアニメーションで描かれているのが特徴です。

なので、パッと見は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』っぽい雰囲気で、こういうホラーながらもかわいさのある世界観が好きな人はハマると思います。監督はティム・バートンじゃないですが。

しかも、今回声優も豪華なんですよね。僕は洋画は字幕派ですが、ゴメズ役に『スター・ウォーズ』続三部作でポー・ダメロンを演じたオスカー・アイザック、モーティシア役にシャーリーズ・セロン、そして、ウェンズデー役にはクロエ・グレース・モレッツです。

ここまでくるとかなり期待できそうな感じですが、個人的には刺さらなかったというのが正直な感想なんです。。。僕は実写版をちゃんと観たことがなかったので、本作を観る前に過去作を観てから今回の作品に臨んだのですが、だいぶ世界観が変わってしまったなーと。

そりゃね、実写版とフルCGアニメーションじゃ当然違うだろっていうのもあるんですが、実写版の方がホラーな雰囲気をたっぷり漂わせながらのコメディだったので、そのギャップがよかったんですよ。

ところが、今回の映画はフルCGアニメーションになったことで、かなりかわいい寄りになってしまい、ホラー感がほぼないのがちょっと残念かなーって。もちろん、これはこれでアリだとは思うんですが、直前に実写版を観た後だと違和感が大きかったです。どちらかと言えば、子供向けになった印象ですね。

ストーリーもちょっと微妙で、これまでのようにアダムス家のすったもんだではなく、外の人間たちとのすったもんだになっているのが新しいなとは感じたんですが、他のフルCGアニメーション作品のように"いい話"で終わってしまうので、『アダムス・ファミリー』の持つよさが損なわれている感じがしました。

まあでも、「普通」という基準は使う側によって大きく異なること、自分たちとは違う価値観を受け入れることの大切さみたいな教訓ですが、それはアダムス家だからこそより強く感じられるってのはありました。そういう意味でも、絵本のような感じが強いです。

だから、キャラクターとかこの世界観が好きって人じゃないとそんなにハマらないかもしれません(笑)

ちなみに、続編が来年公開することが決まったようですよ。


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