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ノリと勢いで突っ走る金をかけまくった中国パワー全開の探偵映画『唐人街探偵 東京MISSION』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:84/137
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】

アクション
コメディ
探偵
コスプレ

【あらすじ】

国際的に事件を解決してきたチャイナタウンの探偵コンビ、タン・レン(ワン・バオチャン)とチン・フォン(リウ・ハオラン)は、日本の探偵・野田 (妻夫木聡)から難事件解決の協力を依頼され、東京に飛ぶ。

今回のミッションは、東南アジアのマフィアの会長の密室殺人事件で、犯人として起訴されたヤクザの組長・渡辺(三浦友和)の冤罪証明。タイの探偵で元刑事のジャック・ジャー(トニー・ジャー)も参加し、解決を試みるが、殺された会長の秘書である小林(長澤まさみ)が何者かに誘拐される事件が発生。

そこに、事件解決率100%を誇るエリート警視正・田中(浅野忠信)、謎の指名手配犯・村田(染谷将太)も絡み、事件は複雑化。

さらに、探偵専用アプリ「CRIMASTER(クライマスター)」の事件解決率世界ランキングに載る探偵たちが、このニュースを聞いて東京に集結。

世界探偵ランク1位で正体不明の「Q」の登場により、さらなる混乱が巻き起こる。

【感想】

急遽日本で公開が決まった映画です。過去2作品は日本では公開されず、DVDやストリーミング配信もないので、今のところ簡単に観ることはできなそうですが、、、なぜこの最新作だけ日本で公開されたのか。そこらへんも含めて書いていきたいと思います。

<あのアメコミヒーローを超えた、、、?>

このシリーズ、本国じゃものすごく人気らしいですね。シリーズ最新作である今作は、中国において公開初日で164億円、公開4日間で490億円の興行収入を稼ぎ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の持つ全世界オープニング興行収入1位の記録を抜いてるんですよ。。。びっくりじゃないですか。全世界の記録を中国市場だけで抜いちゃうなんて。。。恐るべしですね。。。『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が半年以上かけて400億円超えたのがかわいく思えますね(笑)

<なぜこの最新作だけ公開された?>

過去作を簡単に観ることができない中、なんで最新作だけ日本で急遽公開されたのでしょうか。それは部隊が東京かつ、日本人のキャストが多いからでしょう。妻夫木聡、長澤まさみ、三浦友和、浅野忠信、染谷将太、鈴木保奈美と知名度もあるベテラン勢が顔をそろえる中、実はよく見ると、チョイ役の中にも、橋本マナミ、長井短、六平直政、酒向芳、奥田瑛二なども出てたりするんですよ。もはや邦画かってぐらい。その彼らが、新宿、秋葉原、渋谷(ここは足利のセットですが)を駆けめぐるとなったら、そりゃ日本で公開しないわけにはいかないでしょう。

<内容はノリと勢いで突っ走ったザ・中国映画>

ストーリーとしては探偵モノではあるんですが、コメディ調の中に、アクション、コスプレ、大乱闘となんでもアリな内容でした。もうノリと勢いで突っ走ったエンタメ性の高い作品で、とにかくハチャメチャにワチャワチャしてます。エキストラの数も尋常じゃないほど多くて、まさに札束の暴力っていうぐらい金をかけまくってる感じが、中国パワーの真髄を垣間見れた気がします。邦画じゃなかなかあそこまでの規模間で大はしゃぎする作品はないかもしれません。

<海外から見た日本の印象がよくわかる>

ベースはヤクザだし、忍者、剣道、相撲が出てくるし、秋葉原で大量のコスプレイヤーはいるし、やっぱり海外から見た日本の印象ってこういう感じなんだなっていうのがわかります。特に、秋葉原でのコスプレシーンは必見です。まさか、そのキャラを出してくるかってね。監督(1978年生まれ)のド世代だなっていうキャラで笑いました。

<邦画の丁寧さを改めて痛感する作り>

海外の映画では割と感じるんですが、よく言えばスピーディー、悪く言えば都合がいいっていう展開、けっこうありますよね。今回、メインで活動するタン・レンとチン・フォン、野田、ジャックは国籍と話す言語がバラバラなんですけど、自動翻訳機のおかげで、みんなの発する言語が違っても意思疎通ができるという便利さ。何の苦労もなく、小林を誘拐した犯人とアジトが秒でわかる捜査能力の高さ。3億円必要になったとき、そこで初めて野田が御曹司っていう設定が明らかになって、即用意できるという手際のよさ。邦画だったら、まずひとつ関門になりそうなシチュエーションを、ノーダメージでクリアしていくんですよ。

他にも「なんでそれができるの?」、「なんでそこにいるの?」という唐突さが多くて、テンポよく進みはするんですけど、頭には「?」マークがいっぱいみたいなことはちょいちょいありました。その分、邦画ってシーンとシーンのつながりが丁寧で、あんまり唐突だな~って感じることが少ないなっていうことにに気づかされましたけど。これ、先日拝見した、小栗旬さんのインタビューにもあった「日本人の丁寧さ」みたいなことと通じてるのかなって思いました。

<その他>

そういえば、1月にやっていた『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』も、"東京ミッション"だったなーって。まさかの同じタイトルっていう。いや、まあ確かに東京でのミッションですから、そりゃそうなんですけどね。あの映画も、日本を舞台にドニー・イェンが暴れまくるっていう話でした。

今回の映画、コスプレもそうですし、起用している俳優さんもそうですが、監督の趣味なんじゃないのっていうところが多い映画です(笑)総じて楽しめる雰囲気ではあるんですけど、いろいろすっ飛ばしたり、唐突なところも多いので、“探偵モノ”ってところに引っ張られると、荒さがやや気になるかもしれません。

続編がありそうな終わり方が気になりますけど、、、この作品が日本でもヒットしない限りは、この後の日本公開はなさそうな気がします、個人的に(笑)


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