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エジソンの悪あがき列伝のようだった『エジソンズ・ゲーム』

【基本情報】

⠀ 原題:The Current War: Director’s Cut
製作年:2019年
製作国:アメリカ
⠀ 配給:KADOKAWA

【個人的順位】

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:46/67
⠀ 悪あがき😤:★★★☆☆
ビジネス感💰:★★☆☆☆
歴史的意義🧐:★★★★☆

【ストーリー】

これは、実際に起こった“電流戦争”について描かれた映画。

舞台は19世紀のアメリカ。トーマス・エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)が推し進める“直流”による送電方式と、ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)とニコラ・テスラ(ニコラス・ホルト)が支持する“交流”による送電方式の対立。

エジソンは自らの“直流”方式を何としても普及させたいがために、相手側のネガティブ・キャンペーンを行うことで勝負を仕掛けるが、果たして結果は。。。

【感想】

これも正直期待しすぎたかなーという映画でした。ビジネスにあまり興味のない身からしたら、そんなに刺さらなかったんですよねー。

いや、正確にはビジネスかどうかというより、単にキャラクターにあまり魅力を感じなかったってのが大きいかも(現に池井戸潤氏のドラマとかは好きですし)。

歴史的事実として“電流戦争”があったというのがわかるのはいいんですが、こういうビジネス的側面がある作品って、登場人物の人間性に共感することも多いので、そこがわかりづらくなってしまうと、いまいち面白さ伝わって来ないんですよ。。。

てか、日本のポスターはやや煽り過ぎてると思うのは僕だけでしょうか。
発明家VS実業家とか。
究極のビジネスバトルとか。
まあ、要素としてはあるんですけど、そこに引っ張られると「あれ?」ってなりかねないと思います。
実際、そんなに発明家と実業家を意識しないですし、ビジネスバトルと言ってもみんなが想像するような、それこそ池井戸潤作品のようではないですから。

結局、エジソンが単に悪あがきしまくってただけじゃないかって話なんですよ。もちろん、自分のやり方にこだわる姿勢があるからこそ、いろんな発明をし、今日の生活を豊かにしてくれたことも事実だと思いますが、直流より交流の方がコスパいいって時点で、勝敗はほぼ目に見えてるんですよね。

それを相手のネガティブ・キャンペーン(交流にすると人が死ぬぞって言いまくる)を行うのはなんだかなあ、と。まあ、自分の支持する直流を推し進める上では自然なやり方かもしれないですが、19世紀だからこそ通用したことであって、今の時代だったら難しいと感じますね。SNSでいろんな情報が飛び交って、世論としては交流派が増えるだろうし、さらに汚い真似をしたエジソンとか非難轟々だったと思います。。。(笑)

とはいえ、ウィキペディアとか見ると、今回出てきた、エジソン、ウェスティングハウス、テスラって、もうとんでもなく優秀かつ頭おかしいんですよ。

作中では描かれていませんが、例えばエジソンなんて1日ほぼ24時間体制で研究に没頭して、妻が声をかけると「キミ、誰だっけ?」という始末。80歳を過ぎても「自分にはまだやるべきことがある。少なくともあと15年は働かなければ」といって1日16時間働いてたとか。

そういえば、手塚治虫も死ぬ前に「自分にはバーゲンセールに出したいほどアイディアがある」と言って漫画を描き続けていたらしいので、偉業を成し遂げる人というのは、その対象を愛していて、他の何よりも優先し続けられる人のことなんだと思いました。それほどのこと、普通の人にできますかね。。。

なお、この電流戦争の勝負の行方は史実なので、調べてもらえればわかると思いますが、エジソンは負けてしまいます。負けてしまいますが、この後に彼は映写機を発明しているので、世の映画好きの人は彼に感謝してもしきれないと思います(笑)

あと、個人的にちょっとびっくりしたのが、JPモルガンその人が出ていたこと。ずっと社名としてしか認知してなかったから、そもそもは人なんだなって、初めて知りました。

世の中いろんな伝記がありますけど、この作品のように伝記映画にした方がもっと興味持たれやすいんじゃないんですかね。漫画とかよりも世界観伝わりやすいし、記憶に残りやすい気がしました。

【その他】

この映画、もともとは2017年に作られていたのですが、例のセクハラ問題で話題になったハーヴェイ・ワインスタイン氏をめぐる混乱もあり、編集し直された経緯があるんですよね。なので、原題にもある通り、これは“ディレクターズ・カット版”となっています。

2017年に撮影されてるから、トム・ホランドもちょっと若いですw

で、そのトム・ホランドに関連するんですが、昨日の『ドクター・ドリトル』に続き、今作もマーベル俳優の出演が目立つのは個人的な推しポイントです!
トムホはスパイディで、ベネディクト・カンバーバッチはドクター・ストレンジ。あと、ニコラス・ホルトは『X-MEN』でビーストを演じてます。

2017年の撮影とあっちゃ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』とちょっとかぶってたんですかね?


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